細いネギのような葉を、必要な分だけハサミで切る。切ってもまた伸びてくるので、一度植えれば何年も使えます。

チャイブはネギの仲間の多年草です。料理に少しだけ青みがほしいときのために、鉢をひとつ置いておく。そういう使い方に向いています。

この記事では、NHK出版の植物図鑑をもとに、切る位置と長く使うための手入れをまとめます。

どういう植物か

項目 内容
性質 多年草。 耐寒性は強い、耐暑性はやや弱い
原産地 ユーラシア
草丈 〜30cm(品種により〜45cm)
収穫期 葉は4月〜10月、花は5月〜6月
花色 ピンク

冬は地上部がなくなります。 ただし地下茎は生きていて、春にまた芽を伸ばします。枯れたと思って抜かないでください。

地上部が消えている間も、鉢の土は完全に乾かさないようにしてください。

耐暑性がやや弱いという点が、唯一気をつけるところです。

ネギの仲間ですが、畑で作る長ねぎや九条ねぎとは使い方が違います。土寄せして白い部分を伸ばすのではなく、細い葉を薬味として使う植物です。株は年々太くなり、放っておいても消えません。そのぶん、置き場所は長く確保しておく前提で考えてください。

Fine upright chive leaves emerging from soil in a pot in early spring, fresh green shoots, soft natu

置き場所と土

図鑑が示す条件は明確です。

弱アルカリ性で、水もちと水はけがよく肥沃な土を好みます。

日当たりについては注意があります。日当たりが強すぎると「葉が堅くなることがあります」。

そして、高温乾燥に弱いため、夏は半日陰で管理します。

鉢で育てるほうが扱いやすいのは、この点です。春と秋は日なた、夏は半日陰へ。移動できることが、そのまま管理のしやすさになります。

庭植えにするなら、午前中だけ日が当たる場所を選んでください。南向きの壁際のように一日中照りつける場所では、夏に葉が硬くなり、味も落ちます。木の東側や建物の陰になる時間がある場所が向きます。

日当たりの少ない場所で育つ植物は日当たりが悪い庭でも育つ野菜・ハーブ10選にもまとめています。

植えつけ

発芽した苗が10cmほどになったら、数本まとめて1株として定植します。 深さは2〜3cmです。

1本ずつ植えないのがコツです。 細い葉なので、まとまっていないと倒れます。

苗で買った場合も、ポットの中にすでに数本まとまっていることがほとんどです。それをばらさず、そのまま植えてください。無理に分けると、どれも細いまま育ちます。

種から育てると翌年まで花が咲きません。早く収穫したいなら苗から始めてください。

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水と肥料

成長期に水が不足しないようにします。

庭植えでは、4月〜5月の晴天続きで葉先が枯れることがあるため、葉がよく伸びる時期に水やりをします。鉢植えは冬も乾燥させすぎないようにします。

肥料については、葉先が黄色くなったら肥料不足のサインとされています。

成長期は液体肥料を施すか、緩効性肥料を株元から離して置きます。 株元に直接置くと根を傷めます。

庭植えでは、植えつけの数週間前に腐葉土や堆肥、有機質肥料をすき込み、1週間前に苦土石灰をまいておきます。弱アルカリ性を好むので、石灰を入れるこの一手間が効きます。鉢植えなら、用土に緩効性肥料を元肥として混ぜておけば足ります。

酸性を嫌う植物なので、植えつけ前の石灰が効きます。粒状のものは散布時に粉が舞いにくく扱いやすくなります。

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収穫のしかた

ここが、この植物を長く使うための要点です。

図鑑の指示は具体的です。

葉は地際から4〜5cmの位置で切ります。収穫後は液体肥料を施します

地際ぎりぎりで切らない。 4〜5cm残すことで、そこから次の葉が伸びます。

切ったら肥料。 この組み合わせを守ると、次の伸びが違います。

一度に全部刈らないことも大切です。株の半分ずつ、時期をずらして切ると、いつでも使える状態が続きます。必要な分だけを根元から切り、残りはそのままにしておく。この採り方なら、1株でもしばらく回せます。

葉用と花用を分ける

もうひとつ、重要な指摘があります。

葉を収穫し続けると花が咲かなくなるため、葉用の株と花・タネ用の株を分けて育てます

両方を1株で求めない。 花も楽しみたいなら、鉢を2つ用意してください。

花はタネになる前に摘み取り、食用にできます。 花茎を根元から切って乾燥させれば、ドライフラワーにもなります。

花後は地面から5cmほどまで切り戻し、新しい葉の成長を促します。

花をそのままにしておくと、株の力が種づくりに回ります。食べる目的なら、咲き始めで摘んでしまうほうが株のためになります。

A hand cutting chive leaves with scissors a few centimetres above the soil, leaving short green stub

保存

大量に収穫した葉は細かく刻み、密閉容器で冷凍保存します。

図鑑は家庭での乾燥保存には向きませんとはっきり書いています。香りが飛ぶためです。

ほかのハーブの乾燥については家庭菜園のハーブを乾燥させて保存する基本にまとめていますが、チャイブは例外だと覚えておいてください。

株分けと更新

地下茎が密集すると生育が悪くなります。

作業 時期・目安
株分け 春か秋
株分けの合図 葉が堅くなる、細くなる
更新 3〜4年を目安に

年々葉が堅くなるため、3〜4年で新しい株に入れ替えるのが前提の植物です。

更新といっても、新しく買い直す必要はありません。株分けした一部を別の鉢に植えれば、それが次の株になります。分けるたびに若返るので、鉢をひとつ増やしておくと途切れません。

株分けのときは、葉が堅くなったり細くなったりしたら、株分けを兼ねて植え替えます。掘り上げて、数本ずつの塊に分けて植え直します。

ほかのハーブの増やし方は挿し木で増やす野菜・ハーブを参照してください。チャイブは挿し木ではなく株分けで増やします。

タネから育てる

完熟したタネはこぼれて増えます。 採種して秋にまくこともできます。

ただし条件があります。タネは光を嫌うため、1cmほど覆土します。

そして、タネから育てた株は翌年まで花が咲きません。 早く収穫したいなら、苗から始めるほうが確実です。

こぼれ種で勝手に増えることもあります。鉢のまわりに小さな芽が出ていたら、それを別の鉢に移せば株が増やせます。

A clump of chives lifted from a pot and being divided into smaller sections by hand over a potting t
Chopped chive leaves in a small freezer container on a kitchen counter beside a bunch of fresh stems

病害虫

図鑑が挙げるのは2つです。

  • ネギさび病|降雨の多い春と秋に発生することがあります
  • アブラムシ|春と秋に発生することがあります

どちらも春と秋。 雨が続いた時期に葉を見てください。

アブラムシは新しく伸びた柔らかい葉につきます。

さび病はオレンジ色の小さな斑点として出ます。見つけた葉は早めに切り取り、株元に落とさず持ち出してください。株が混み合っていると広がりやすいので、株分けが予防にもなります。

アブラムシの対処はアブラムシ対策にまとめています。

よくある質問

Q. 収穫はどこで切ればいいですか?

地際から4〜5cmの位置です。切りすぎると次の葉が出にくくなります。収穫後は液体肥料を施すと、次の伸びがよくなります。

Q. 花が咲きません。

葉を収穫し続けると花が咲かなくなります。花も楽しみたい場合は、葉用の株と花・タネ用の株を分けて育ててください。

Q. 乾燥させて保存できますか?

家庭での乾燥保存には向きません。細かく刻んで密閉容器に入れ、冷凍保存してください。

Q. 何年くらい使えますか?

年々葉が堅くなるため、3〜4年を目安に更新します。地下茎が密集すると生育が悪くなるので、春か秋に株分けをしてください。

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まとめ

  • 多年草。 冬は地上部が枯れるが、春にまた芽が出る
  • 耐寒性は強く、耐暑性はやや弱い。 夏は半日陰へ
  • 日当たりが強すぎると葉が堅くなる
  • 植えつけは数本まとめて1株。 深さ2〜3cm
  • 収穫は地際から4〜5cm。 切ったら液体肥料
  • 葉用と花用の株は分ける
  • 乾燥保存には向かない。 刻んで冷凍
  • 3〜4年で更新。 株分けは春か秋

4〜5cm残して切る。 これだけで、春から秋まで穫り続けられます。


参考