植えたら放っておいてもどんどん茂る。水やりもほとんど要らない。夏のあいだ、レモングラスほど手のかからないハーブはありません。
問題は冬です。 寒さに弱く、地植えのままでは枯れてしまいます。
この記事では、KINCHO園芸の栽培解説をもとに、夏の管理と冬を越すための手順をまとめます。
植え付けと置き場所
イネ科の多年草で、株立ちになって大きく育ちます。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 植え付け適期 | 3月下旬〜4月 |
| 入手 | 苗から。種はほとんど流通しない |
| 置き場所 | 日なた |
| 土 | 水はけと保水力のバランスがよい土 |
KINCHO園芸は、置き場所の条件をこう示しています。
水はけと保水力のバランスがよく、風当たりが強くない日なたに植えつけます
風当たりの強さにも触れている点が重要です。 細長い葉が1m以上に伸びるため、風が強いと倒れたり葉先が傷んだりします。
日当たりは妥協しないでください。熱帯原産で、日照が足りないと株が細く間延びし、香りも乗りません。半日陰でも枯れはしませんが、収穫できる量がはっきり落ちます。
鉢で育てるなら
冬に室内へ入れることを前提に、はじめから鉢で育てるのが扱いやすい選択です。株が大きくなるので、8号以上の深鉢を用意してください。
鉢で育てる利点はもうひとつあります。レモングラスは地植えにすると株が年々大きくなり、数年で直径1mに迫ることもあります。鉢なら根の広がりが制限されるぶん、手に負える大きさで止まります。狭い庭やベランダでは、この点が効いてきます。
株が大きくなるので、8号以上の深鉢が目安です。冬に室内へ移すことを考えると、持ち運べる重さかも確かめてください。
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夏の管理
水やり
根づいた後は、ほぼ水やりは不要です
地植えならこれで足ります。 原産地が熱帯で、乾燥にも耐えます。
むしろ、常に湿った状態のほうが株を傷めます。水はけの悪い場所では、植え付け前に腐葉土や軽石を混ぜて改良しておいてください。
鉢植えは別です。 容量が限られるうえ葉の量が多いため、夏は土の表面が乾いたら与えてください。
肥料
KINCHO園芸が示す施肥は次のとおりです。
- 植え付け時に粒状肥料を1m²当たり70g、植え場所の土に混ぜ込む
- 生育期間中は1週に1回の液体肥料
葉を収穫し続けるなら、肥料は切らさないほうが長く穫れます。
葉の色が薄くなってきたら、肥料切れのサインです。イネ科は窒素をよく吸うため、葉ものと同じ感覚で与えてかまいません。ただし与えすぎると香りが薄くなるとも言われるので、規定の倍率を守ってください。
夏にまとめて刈り取るなら、吊るして乾かす道具があると傷めずに済みます。風が通る網状のものが向きます。
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収穫
春から夏
春から夏の間は、葉の平らな部分を切り取って
必要な分だけ、外側から切るのが基本です。株の中心を残しておけば、次が伸びてきます。
切る位置は、葉が平らになっているところです。株元に近い筒状の部分は料理に使う部位なので、葉だけが要るときは手前で止めてください。
葉の縁はざらついていて、素手でなぞると切れます。 手袋をして作業してください。
長袖で作業するのも有効です。株に腕を差し入れて奥の葉を取ろうとしたときに、気づかないうちに腕を切っていることがあります。
夏にまとめて
夏は株元から10cmほどを残して刈り取り、ドライにすると保存できます
一度にすべて刈り、乾かして保存するという使い方です。株元を10cmほど残しておけば、また伸びてきます。
刈り取る時期は、梅雨明けから盛夏にかけてが向きます。乾きが早く、保存中にカビが出にくいためです。
乾燥のしかたは家庭菜園のハーブを乾燥させて保存する基本に、短時間で乾かす方法はハーブを電子レンジで乾燥する方法にまとめています。

冬越し
ここがこのハーブの唯一の難所です。
KINCHO園芸が示す手順は明確です。
晩秋に株ごと掘り上げて地上部を切り戻し、鉢に植え替えて室内に取り込んで管理
手順
- 晩秋、霜が降りる前に株ごと掘り上げる
- 地上部を切り戻す(株元10〜20cm程度を残す)
- 鉢に植え替える
- 室内の明るい場所へ取り込む
- 水は控えめに。乾かしすぎない程度
- 春になったら、また外へ出す
早すぎず、遅すぎず。 霜に当たると傷むので、最低気温が一桁に下がる前には取り込んでください。
室内に入れる場所は、暖房の風が直接当たらない明るい窓辺が向きます。暖かすぎると冬のあいだも中途半端に伸び続け、春までに株が弱ります。休ませるつもりで、涼しめの場所に置いてください。
切り戻す理由
室内に入れるとき、葉を残したままだと場所を取り、傷みも出ます。 切り戻せば水の要求量も減り、管理が楽になります。
春に新しい芽が出てくるので、冬のあいだ葉がなくても心配ありません。
取り込むときに株分けを兼ねてしまう方法もあります。大株のまま鉢に入れると場所を取るので、半分に割って片方だけ残す、という選び方ができます。
寒さに弱い鉢物の扱いは冬の家庭菜園の防寒対策も参考になります。

株分けで増やす
KINCHO園芸によれば、7〜9月に株分けができます。
根元から茎を切り分けて、株分けすることができます
葉の平らな部分を切り落とし、株元近くの筒状の部分のみ残して、新たに植えつけます
葉を落とし、株元の筒状の部分だけにして植える。 根がついていれば、そこから育ちます。
水につける方法もある
株元の筒状の部分を水にさしておいても根が出てくるので、これを鉢上げしてもよいでしょう
料理用に買ったレモングラスの茎からでも、根が出ることがあります。 試す価値はあります。
水は毎日替えてください。濁ったまま放置すると、根が出る前に腐ります。根が2〜3cm伸びたら土に植え替えます。
ほかのハーブを増やす方法は挿し木で増やす野菜・ハーブにまとめました。

使い方
- 生の葉を刻んでハーブティーに
- 茎の白い部分をスープやカレーに
- 乾かして保存し、年間を通して使う
- 葉を束ねて吊るし、香りを楽しむ
香りの主成分はシトラールで、レモンに似た香りのもとです。 蚊が嫌う成分としても知られています。
生の葉はそのままでは固く、繊維も強いので、刻んでから使うか、煮出して香りだけを移す使い方が向きます。茎の白い部分は包丁の腹で軽く叩いてから使うと、香りがよく出ます。
虫除けの工夫は家庭菜園の虫除け対策にまとめていますが、植えておけば虫が来なくなるというほどの効果はありません。 香りを楽しむものと考えてください。
よくある質問
Q. 地植えのまま冬を越せますか?
寒さに弱いため、霜が降りる地域では難しくなります。晩秋に株ごと掘り上げ、地上部を切り戻して鉢に植え替え、室内に取り込んで管理してください。
Q. 水やりはどのくらい必要ですか?
地植えなら、根づいた後はほぼ不要とされています。鉢植えは容量が限られ葉の量も多いため、夏は土の表面が乾いたら与えてください。
Q. 株分けはいつできますか?
7〜9月です。根元から茎を切り分け、葉の平らな部分を切り落として株元近くの筒状の部分だけを残し、新たに植えつけます。筒状の部分を水にさして発根させる方法もあります。
Q. 葉で手を切るのはなぜですか?
イネ科の葉で、縁が細かくざらついているためです。収穫や刈り込みのときは手袋をしてください。
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まとめ
- 植え付けは3月下旬〜4月。 苗から始める
- 水はけと保水力のバランスがよく、風当たりが強くない日なたに
- 根づいたら水やりはほぼ不要(鉢植えは別)
- 収穫は葉の平らな部分を切り取る。夏は株元10cmを残して刈り取り
- 冬越しが唯一の難所。 晩秋に掘り上げ、切り戻して室内へ
- 株分けは7〜9月。 筒状の部分を水にさしても根が出る
冬の一手間さえ越えれば、何年も使える株になります。
参考