一枚の布なのに、箱も瓶も本も包める。そのうえ、使い終われば畳んでポケットに入る。

風呂敷が応用のきく道具である理由は単純で、結び方を2つ覚えれば足りるからです。

この記事では、風呂敷専門店むす美の解説をもとに、真結びの手順とほどき方、そして場面別の包み方をまとめます。

覚えるのは2つの結びだけ

結び 役割
真結び 包みの本体を留める。 これが基本
ひとつ結び 持ち手をつくる、長さを調整する

むす美は真結びを「解けにくく、解きたいときはひとつのコツでスルリと解ける便利な結び方」と説明しています。

ほどけないのに、ほどきたいときは一瞬。 この両立が、風呂敷が長く使われてきた理由です。

布そのものにも向き不向きがあります。綿の風呂敷は滑りにくく結び目が留まりやすいので、最初の一枚に向きます。絹やポリエステルの光沢のあるものは見映えがする反面、結び目が滑って緩みやすく、慣れてから使うほうが扱いやすくなります。

最初の一枚なら、滑りにくい綿が扱いやすくなります。洗えるものを選ぶと日常で使い回せます。

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Close up of two hands tying a square knot in the corners of a patterned cloth over a wrapped parcel,

真結びの手順

むす美が示す手順は次のとおりです。両端をaとbとします。

  1. 両端をそれぞれ持つ
  2. bを後ろにして両端を交差させる
  3. bをaに巻きつけるように前に倒してから、aの下をくぐらせ後ろへ回す
  4. aの先を左に倒し、bをその上にかぶせる
  5. できた輪に下からbを通す
  6. a・bを持ち、両端を左右に引っ張って完成

縦結びにならないことが肝心です。 結び目が布の流れに沿って平らに寝ていれば真結び、立ち上がっていれば縦結びで、ほどけやすくなります。

縦結びは弔事に用いる形とされてきたため、見た目の問題だけでは済みません。慶事の贈り物で縦結びになっていると、受け取る側によっては気になります。結んだあと、結び目が寝ているかを一度確かめる習慣をつけてください。

ほどき方

ここがいちばん便利なところです。むす美は「固く結んで解きにくくなった真結びを一瞬にしてスルリと解く方法」として、次を示しています。

  1. 右手でaの先端を持つ
  2. aが一直線になるように引っ張る
  3. 結び目だけを軽く持ち、滑らせるように右方向に引っ張る
  4. 簡単に抜けて解ける

力まかせに引っぱらないでください。 片方を直線にして、結び目を滑らせる。この順番です。

ひとつ結び

真結びと組み合わせて使います。手順は次のとおりです。

  1. 1つの角を持ち、もう片方の手でしごいて位置を決める
  2. 指に巻きつけ、結ぶ位置で輪を作る
  3. 輪に先端をくぐらせ引き抜く
  4. 結び目を目的位置に誘導し、先端を引っぱる

バッグの大きさを調整するときに使います。

場面別の包み方

平包み|いちばん格が高い

むす美は平包みを「唯一、結び目の無いスタイル。一番シンプルでありながら、一番格の高い包み方」とし、目上の方への贈り物に最適としています。

結ばないから格が高い。 慶弔の進物、改まった場面で使います。

結ばない理由は、ほどく手間をかけさせないことにあると説明されます。受け取る側がその場で開けやすい形にしておく、という配慮です。

布の中央に品物を置き、手前・左・右・向こうの順に折りかぶせるのが基本の形です。持ち運びには向かないため、持参するときは別の袋に入れ、渡す直前に取り出します。

お使い包み|もっとも普段使い

菓子折りなどお土産を包む際の基本で、最後に真結びで結びます。

  • 中央で結ぶので形が崩れにくい
  • 持ち運びに便利
  • 結び目が持ち手の代わりになる

日常でいちばん使う形です。 まずこれを覚えてください。

手順は、布の中央に品物を置き、手前の角をかぶせ、左右の角を順に重ね、最後に向こう側の角を手前へ引いて真結びにします。角の重ね順を変えるだけで仕上がりの表情が変わるので、柄の見せたい部分を最後に残すときれいにまとまります。

四つ結び|高さのあるもの

結び目も華やかになり、高さのある正方形の重箱や、箱ものを包むのに最適とされています。

対角の2組をそれぞれ真結びにするため、立体的なものが安定します。

二つ結び|横長のもの

対角線の端と端が届かない横長の物を包み運ぶ時に便利です。

風呂敷の大きさが足りないときの逃げ道にもなります。

両端を結ぶだけなので、手順もいちばん簡単です。

隠し包み|結び目を目立たせない

真結びで主柄が隠れたり、結び目が不格好になったときに使います。主柄部分を引き抜いて結び目を隠すスタイルです。

Several wrapped items side by side on a tatami floor showing different furoshiki wrapping styles inc

びん包み

瓶を横にすると中身が流れ出るため、立てた状態を保つ包み方です。

  1. 風呂敷を斜めに広げる
  2. 真ん中にビンを寝かせて置く
  3. 手前の隅を向こうにかけ、クルクルと巻いていく
  4. 左右の隅を一気にたてかけ、真結びにする

巻いてから立てるという順番が肝心です。

A glass bottle being wrapped diagonally in a cloth on a wooden table, the fabric rolled around it, i

大きさの選び方

包むものの対角線が、風呂敷の対角線より短いことが条件です。目安として、包みたいものの3倍ほどの幅があると無理なく結べます。

大きさ 向く用途
45cm前後 弁当、小箱
70cm前後 菓子折り、書類。 いちばん使う
90cm以上 一升瓶、着替え、バッグとして

1枚だけ持つなら70cm前後です。ほとんどの場面に対応できます。

大は小を兼ねる、とは言い切れません。小さなものを大きすぎる風呂敷で包むと、余った布が膨らんで形が決まらなくなります。よく包むものの寸法を一度測っておくと、二枚目を選ぶときに迷いません。

菓子折りや書類が包め、ひとつ結びでバッグにもできる大きさです。迷ったらこの寸法から選んでください。

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客を迎える場面で

風呂敷は、渡す側の所作がそのまま見られる道具でもあります。

  • 平包みは、その場でほどいて中身だけを渡す
  • 風呂敷は持ち帰る(包みごと渡すのは略式)
  • 畳に置くときは、下座側に置く

和室での上下の考え方は和室の上座と下座に、来客時の準備は客間としての和室の整え方にまとめています。

収納に使う

包む以外の使い道もあります。

  • 季節物を包んで押入れへ(通気性があり、中身が見分けやすい)
  • ほこりよけとして上からかける
  • バッグとして(ひとつ結びで持ち手をつくる)

ビニール袋と違い、湿気がこもりません。 布団や衣類を長く置く場所に向きます。押入れの使い方は押入れ収納アイデアを参照してください。

使ったあとの手入れも簡単です。綿なら家庭で洗えますし、アイロンをかければ折り目が落ち着いて次に包むときに扱いやすくなります。畳んで重ねておけば場所も取りません。

よくある質問

Q. 真結びと縦結びはどう見分けますか?

結び目が布の流れに沿って平らに寝ていれば真結び、結び目が立ち上がっていれば縦結びです。縦結びはほどけやすいうえ、弔事に用いる形とされるため、慶事では避けます。

Q. 固く結んで解けなくなりました。

片方の端を持って一直線になるよう引っ張り、結び目だけを軽く持って滑らせるように引くと抜けます。力まかせに両端を引っぱると締まるだけです。

Q. いちばん格の高い包み方はどれですか?

平包みです。唯一結び目のないスタイルで、一番シンプルでありながら一番格が高いとされ、目上の方への贈り物に向きます。

Q. 風呂敷は何cmを買えばいいですか?

1枚だけ持つなら70cm前後が使いやすい大きさです。菓子折りや書類が包め、ひとつ結びでバッグにもできます。包むものの3倍ほどの幅があると無理なく結べます。

まとめ

  • 覚えるのは真結びとひとつ結びの2つだけ
  • 真結びはほどけにくく、片方を直線にして滑らせると一瞬で解ける
  • 平包みがいちばん格が高い(結び目がない)。目上への贈り物に
  • 普段使いはお使い包み。最後に真結び
  • 高さのあるものは四つ結び、横長は二つ結び
  • 瓶は斜めに広げて巻き、左右を立てて真結び
  • 1枚だけなら70cm前後

真結びがほどけるようになれば、あとは応用です。


参考