芽キャベツは、1株で50〜80個穫れる冬の野菜です。
太い茎に沿って小さな球が並ぶ姿は、家庭菜園のなかでも見応えがあります。プランター1つで、冬の食卓に何度も出せる量が採れます。
ただし、放任では球が太りません。下葉かきという作業をするかどうかで、結果がはっきり分かれます。
同じアブラナ科のキャベツとは育て方が異なります。結球するキャベツはキャベツのプランター栽培を参照してください。
芽キャベツの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 科 | アブラナ科 |
| 植え付け | 7月下旬〜9月上旬(苗) |
| 収穫 | 11月下旬〜3月 |
| 生育適温 | 15〜20度 |
| 日照 | 1日5時間以上 |
| 連作年限 | 2〜3年(アブラナ科) |
| 難易度 | ★★★☆☆ |
栽培期間は4〜6か月と長めです。夏の終わりに植えて、冬に収穫します。
アブラナ科なので、前年にキャベツ・白菜・ブロッコリー・小松菜を植えた場所は避けてください。 プランターなら土を新しくすれば問題ありません。輪作の考え方は連作障害を避ける畝のローテーションと作付け計画にまとめています。
球ができる仕組み
芽キャベツの球は、葉の付け根から出るわき芽です。
茎が伸びるにつれて葉が展開し、その根元に小さな芽ができます。この芽が肥大したものが芽キャベツです。茎1本に50〜80個並びます。
下から順に太っていくため、収穫も下から順に行います。

準備するもの
プランターは深型を選ぶ
草丈が60〜100cmになり、株が重くなります。浅いプランターでは倒れます。
| プランター | 深さ | 土の量 | 植えられる株数 |
|---|---|---|---|
| 標準65cm | 18cm | 12L | 不可(浅い・倒れる) |
| 深型65cm | 25cm以上 | 20L | 1〜2株(株間30cm) |
| 丸型12号(直径36cm) | 30cm | 12L | 1株。最適 |
| 丸型15号 | 35cm | 30L | 1〜2株 |
| 菜園プランター(大型) | 30cm以上 | 30L | 2株 |
深さ25cm以上、1株あたり土10L以上を目安にしてください。土が少ないと球が太りません。
プランターの選び方はベランダ菜園のプランター選びにまとめています。
そのほか
- 野菜用の培養土(元肥入り)
- 支柱1本(90〜120cm)
- 化成肥料(8-8-8)
- 防虫ネット(目合い1mm以下)
防虫ネットは必須です。 アブラナ科は害虫が集中します。張り方は防虫ネットの使い方を参照してください。
苗から始める
種からも育てられますが、苗のほうが確実です。
種まきは6月下旬〜7月中旬で、真夏の育苗になります。高温期の発芽と管理が難しく、初めてなら苗をおすすめします。
良い苗の条件
- 本葉が5〜6枚
- 節間が詰まっている
- 葉の裏に虫や卵がない
- 茎が太くしっかりしている
苗の選び方は苗の選び方と植え付けの基本にまとめています。
植え付けの手順
- プランターに培養土を入れる(縁から3cm下まで)
- 苗のポットと同じ大きさの穴を掘る
- 根鉢を崩さずに置く
- 深植えしない(茎が埋まると腐る)
- 支柱を株から10cm離して挿す
- 2株なら株間30cm
- たっぷり水をやる
- すぐに防虫ネットをかける
植え付け直後にネットをかけてください。 モンシロチョウは植えたその日に産卵します。
植え付け時期の判断
| 時期 | 結果 |
|---|---|
| 7月下旬〜8月中旬 | 最適。年内に収穫が始まる |
| 8月下旬〜9月上旬 | 可。収穫が1〜2月にずれる |
| 9月中旬以降 | 株が育ちきらず、球が太らない |
遅れるほど不利になります。 芽キャベツは株を大きく育ててから球をつけるため、生育期間が要ります。
下葉かきが結果を決める
芽キャベツ栽培でもっとも重要な作業です。
なぜ必要か
葉の付け根に球ができるため、葉が茂ったままだと球が押されて変形し、太りません。
葉を落とすと次のことが起きます。
- 球に日光と風が当たる
- 養分が葉から球へ回る
- 風通しがよくなり、病気とアブラムシが減る
- 球の形が整う
下葉かきをしないと、小さくゆるい球にしかなりません。
いつ・どこまで落とすか
| 時期 | 作業 |
|---|---|
| 球が直径1cm程度になったら | 開始 |
| 以降2〜3週間に1回 | 太った球の下の葉を落とす |
| 上部の葉は残す(10〜15枚) | 光合成に必要 |
手順
- 球が1cmになった段のすぐ下の葉を確認する
- 葉柄の付け根から手で下向きにもぎ取る
- 硬い場合はハサミで切る
- 一度に落とすのは3〜5枚まで
上部の葉を落としてはいけません。 頂部の葉が養分を作るので、10〜15枚は必ず残してください。
下から順に、球の生長に合わせて少しずつ落とすのが基本です。


日常の管理
水やり
| 時期 | 頻度 |
|---|---|
| 植え付け〜9月 | 1日1〜2回(残暑で乾く) |
| 10〜11月 | 2日に1回 |
| 12月以降 | 3〜4日に1回 |
植え付け直後の残暑がもっとも危険です。 8月の高温期に水を切らすと、株が育たないまま秋を迎えます。
朝にたっぷり与えてください。判断は土を見て行います。方法は水切れと過湿の見分け方にまとめています。
追肥
栽培期間が長いので、追肥を切らさないでください。
- 植え付け3週間後から、3週間に1回
- 化成肥料(8-8-8)を15〜20g
- 株元から10cm離してまく
- 11月以降も継続(球が太る時期)
肥料切れは球が小さくなる直接の原因です。 追肥のリズムはプランター追肥のリズムを参照してください。
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支柱と土寄せ
草丈が60cmを超えると、頭が重くなって倒れます。
- 支柱に2〜3箇所で結ぶ(8の字結び)
- 茎の周りに土を寄せて株元を安定させる
- ベランダは風が強いので、早めに固定する
支柱と誘引の詳細は支柱の立て方完全ガイドにまとめています。
摘心する場合
収穫を早く揃えたいときは、10月下旬〜11月上旬に先端を摘みます。
先端を止めると、養分が球に集中して一斉に太ります。
- 摘心する|収穫が揃う。1回で採りきりたい場合
- 摘心しない|下から順に長く収穫できる。家庭向き
家庭菜園なら摘心しないほうが、長く収穫を楽しめます。
収穫
タイミング
球が直径2〜3cm、硬く締まったら収穫します。
- 下から順に穫る(下が先に太る)
- 手でひねるか、ハサミで切る
- 上のほうはまだ小さくてよい(時間差で太る)
一度に全部穫らず、大きくなったものから順に収穫してください。1株から2〜3か月にわたって採り続けられます。
霜に当てると甘くなる
芽キャベツは霜に当たると糖度が上がります。
寒さで凍結を防ぐために糖分を蓄えるためです。11月から収穫できますが、12月以降のほうが確実に甘くなります。
急いで穫らず、寒さに当てるのが正解です。
穫り遅れると
球がゆるみ、葉が開いてきます。苦味も出ます。 硬く締まっているうちに穫ってください。
保存
- 冷蔵|保存袋に入れて2週間
- 冷凍|下ゆで(1〜2分)してから1か月
- 茎ごと|切り取った茎のまま立てておくと日持ちする
保存方法は収穫した野菜の保存方法にまとめています。

トラブルと対策
球が太らない
| 原因 | 対処 |
|---|---|
| 下葉かきをしていない | もっとも多い。球の下の葉を落とす |
| 植え付けが遅れた | 翌年は8月中旬までに |
| 肥料切れ | 3週間に1回の追肥を続ける |
| プランターが小さい | 1株あたり土10L以上 |
| 日照不足 | 1日5時間以上の場所へ |
球がゆるい・葉が開く
気温が高い時期に球ができたか、穫り遅れです。
芽キャベツは涼しくなってから締まります。10月までにできた球はゆるいことがありますが、11月以降のものは締まってきます。
アブラムシがつく
アブラナ科なので集中的につきます。 葉の裏と球の隙間に入り込みます。
- 防虫ネットで予防する(もっとも確実)
- 見つけたら水で流すかテープで取る
- 下葉かきをすると隠れ場所が減る
対処法はアブラムシ対策にまとめています。
葉に穴が開く
アオムシ(モンシロチョウの幼虫)かヨトウムシです。
昼間に見つかるならアオムシ、見つからないのに食べられているならヨトウムシです。見分け方はヨトウムシ対策を参照してください。
目合い1mm以下の防虫ネットで、植え付け直後から覆えばほぼ防げます。
よくある質問
Q. 標準のプランターでは育てられませんか?
深さ18cmでは足りません。草丈が60〜100cmになり、頭が重くなって倒れます。深さ25cm以上のプランター、または丸型12号以上を選んでください。土の量は1株あたり10L以上が目安です。
アブラナ科は害虫が集中するため、植え付け直後からの防虫ネットが要ります。目合いが明記された1mm以下の製品を選んでください。
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Q. 下葉かきは必ず必要ですか?
必要です。葉が茂ったままだと球が押されて変形し、太りません。球が直径1cmになった段から順に、その下の葉を落としてください。ただし上部の葉は10〜15枚残します。
Q. いつ植えればいいですか?
7月下旬〜8月中旬が最適です。9月中旬以降になると株が育ちきらず、球が太らないまま冬を迎えます。栽培期間が4〜6か月と長いので、時期を守ってください。
Q. 何個くらい収穫できますか?
1株で50〜80個が目安です。下から順に太るので、11月下旬から3月まで、2〜3か月にわたって収穫できます。一度に全部穫らず、大きくなったものから順に穫ってください。
Q. 霜に当てても大丈夫ですか?
むしろ当てたほうが甘くなります。凍結を防ぐために糖分を蓄えるためです。11月から穫れますが、12月以降のほうが味がよくなります。急いで収穫する必要はありません。
まとめ
芽キャベツのプランター栽培の要点を整理します。
準備
- 深さ25cm以上のプランター(丸型12号または深型65cm)
- 7月下旬〜8月中旬に苗を植える
- 植え付け直後に防虫ネット(目合い1mm以下)
結果を決める作業
下葉かき。 球が直径1cmになったら、その下の葉を手でもぎ取ります。2〜3週間に1回、一度に3〜5枚まで。上部の葉は10〜15枚残してください。
管理
- 残暑の水切れに注意(8〜9月は1日1〜2回)
- 3週間に1回の追肥を、11月以降も続ける
- 草丈60cmを超えたら支柱に結ぶ
収穫
直径2〜3cmで硬く締まったら、下から順に。霜に当てると甘くなるので、12月以降がおすすめです。
夏の終わりに1株植えておけば、冬の食卓に何度も上ります。まずは丸型12号のプランター1つから始めてみてください。