防虫ネットは、農薬を使わずに害虫を防げる最も確実な方法です。ただし張っただけでは効きません。

裾に1cmのすき間があれば虫は入りますし、目合いを間違えれば素通りされます。実際、「ネットを張ったのに虫がついた」という失敗のほとんどは、この2点が原因です。

この記事では、目合いの決め方と、すき間を作らない張り方を解説します。害虫対策の全体像は農薬を使わない家庭菜園の害虫対策にまとめています。

目合いは防ぎたい虫から決める

目合いとは、網目の大きさです。単位はmmで、数字が小さいほど細かい網になります。

目合い 防げる虫 通す虫 通気性
4mm 鳥・大型のチョウ ほぼすべての虫 非常に良い
2mm モンシロチョウ・ヨトウガ・バッタ アブラムシ・コナジラミ 良い
1mm 上記+ハモグリバエ・カメムシ幼虫 コナジラミ・アザミウマ やや落ちる
0.8mm 上記+アブラムシの多く アザミウマ 落ちる
0.4mm ほぼすべての害虫 悪い(夏は高温になる)

迷ったら1mmです。 家庭菜園で問題になる虫の大半を防げて、通気性も実用範囲に収まります。

防虫ネットは目合いが明記された製品を選んでください。幅はトンネルの周囲に左右各30cmを足した長さが必要です。

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細かければいいわけではない

目合いを細かくするほど、風が通らなくなります。夏場は内部が高温多湿になり、うどんこ病や灰色かび病を招きます。

0.4mmは、アザミウマの被害が深刻な場合の選択肢です。通常は1mmで足ります。

虫別の必要な目合い

  • アオムシ(モンシロチョウの幼虫)|2mm以下
  • ヨトウムシ(ヨトウガの幼虫)|2mm以下。詳しくはヨトウムシ対策
  • コナガ|1mm以下
  • アブラムシ|0.8mm以下。ただし完全には防げない
  • ハモグリバエ(エカキムシ)|1mm以下
  • カメムシ|1mm以下(成虫は2mmでも防げる)

アブラムシは有翅型が0.8mmでも侵入することがあります。対処はアブラムシ対策を参照してください。

Close up macro of insect netting mesh showing the fine grid structure, with a scale reference beside

2つの張り方

トンネル|支柱で持ち上げる

支柱をアーチ状に立て、その上からネットをかぶせます。

利点 – 株がネットに触れないので、葉が傷まない – 中で株が大きくなっても押さえつけない – 収穫や追肥のときに片側だけめくれる

向く野菜|キャベツ・白菜・ブロッコリーなど、大きくなる葉物

べたがけ|直接かける

支柱を使わず、ネットを株の上に直接かけます。

利点 – 支柱が不要で安く、すぐできる – 風で飛びにくい

欠点 – 株が育つとネットを押し上げ、葉が擦れる – ネットに触れた葉に、虫が外から産卵できる

向く場面|発芽直後から本葉数枚まで、または小松菜など短期で収穫する葉物

べたがけは一時的な措置と考えてください。株が大きくなったらトンネルへ切り替えます。

張り方の手順

手順1|張る前に虫がいないか確認する

最も重要な手順です。

ネットは虫の侵入を防ぎますが、中にいる虫は閉じ込めます。 天敵も入れないため、内部で爆発的に増えます。

株元と葉裏を確認し、卵塊や幼虫がいたら取り除いてから張ってください。

手順2|支柱を立てる(トンネルの場合)

  • 間隔:50〜60cm(広すぎるとネットがたわむ)
  • 高さ:収穫時の株の高さ+10cm
  • 両端は斜めに深く挿して、風で抜けないようにする

支柱が短いと、株が育ってネットに当たります。最終的な草丈から逆算してください。

手順3|ネットをかける

ネットの幅は、トンネルの周囲+左右各30cmが必要です。裾を土に埋める分の余裕を見ます。

幅が足りないと、裾を固定できずにすき間ができます。

手順4|裾をすき間なく閉じる

ここで失敗する人がほとんどです。

裾の固定は、次のいずれかで行います。

  • 土をかぶせる(最も確実。5cm以上)
  • U字ピンで留める(土が硬い場合)
  • 土のう袋や板を置く(ベランダのプランター)

「押さえる」だけでは不十分です。 風でめくれた瞬間に虫が入ります。連続して覆ってください。

手順5|両端を絞る

トンネルの前後の端は、ネットを束ねてひもで縛るか、余った部分を土に埋めます。

端は見落としやすく、ここから侵入されるケースが多い部分です。

Hands burying the edge of insect netting under soil along the side of a tunnel frame, showing the se
Insect netting wrapped around a balcony planter and clipped to the rim with clothespins, showing the

プランターに張る場合

畑と違って土に埋められないため、別の方法が必要です。

方法1|プランターごと包む プランターの底までネットで覆い、輪ゴムやひもで縛ります。最も確実です。

方法2|支柱+洗濯ばさみ プランターに短い支柱を挿してアーチを作り、ネットの裾をプランターの縁に洗濯ばさみで留めます。5cm間隔で留めないとすき間ができます。

方法3|洗濯ネットを使う 小型のプランターなら、大きめの洗濯ネットをかぶせてファスナーを閉じるだけで済みます。

張ったあとの管理

水やりはネットの上から

ネットは水を通します。 めくらずに、上からそのままかけて構いません。

めくる回数を減らすことが、そのまま防除の精度になります。

週1回は中を確認する

ネットの中は天敵がいない環境です。わずかな侵入でも急速に増えます。

週に1回はめくって、葉裏を確認してください。確認は日中に行い、作業後はすぐ閉じます。

受粉が必要な野菜は外す

トマト・きゅうり・ナス・いちごなど、実を収穫する野菜は開花後にネットを外します。

虫が入らないということは、受粉もされないということです。開花期に閉じたままだと実がつきません。

葉物や根菜は最後まで張ったままで構いません。

収穫が終わったら洗って干す

土や葉が付いたまま保管すると、翌年に病原菌を持ち越します。水で洗い、完全に乾かしてからたたんでください。

台風の前は外す

ネットは風を受けます。支柱ごと倒れると株を傷めるので、強風が予想されるときは外すか、支柱を補強してください。防風の考え方はベランダ菜園の防風対策にまとめています。

Gardener lifting one side of a netting tunnel to inspect cabbage leaves underneath, daytime check ro

よくある質問

Q. ネットを張ったのに虫がつきました。なぜですか?

3つの可能性があります。①張る前から卵や幼虫がいた ②裾にすき間があった ③目合いが粗かった。順に確認してください。特に裾の固定が最も多い原因です。

Q. 目合いはいくつを選べばいいですか?

迷ったら1mmです。アオムシ・ヨトウムシ・コナガ・ハモグリバエまで防げて、通気性も確保できます。アブラムシまで防ぐなら0.8mm以下ですが、夏場は高温になりやすくなります。

Q. 水やりのたびに外す必要がありますか?

ありません。ネットは水を通すので、上からかけてください。めくる回数が増えるほど侵入の機会も増えます。

Q. いつまで張っておけばいいですか?

葉物と根菜は収穫まで張ったままで構いません。トマトやきゅうりなど受粉が必要な野菜は、開花が始まったら外してください。

Q. 白いネットと黒いネットは何が違いますか?

白は光をよく通し、生育への影響が小さくなります。黒は遮光効果があり、夏場の温度上昇を抑えられますが、日照が減ります。通常は白を選んでください。

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まとめ

防虫ネットの要点を整理します。

目合いの選び方

迷ったら1mm。アオムシ・ヨトウムシ・コナガ・ハモグリバエまで防げます。細かすぎると夏場に高温多湿になり、かえって病気を招きます。

張り方の要点

  1. 張る前に卵と幼虫を取り除く(閉じ込めると内部で増える)
  2. 支柱は50〜60cm間隔、高さは最終的な草丈+10cm
  3. ネットの幅はトンネルの周囲+左右各30cm
  4. 裾は5cm以上、土をかぶせて連続して閉じる
  5. 前後の端も束ねて縛るか埋める

管理の要点

  • 水やりはネットの上から(めくらない)
  • 週1回は中を確認する
  • 受粉が必要な野菜は開花後に外す

失敗の大半は裾のすき間です。張り終わったら、しゃがんで裾を一周見てください。それだけで結果が変わります。