ミミズコンポストは、生ゴミをミミズに食べさせて堆肥にする方法です。

普通のコンポストと違い、ほとんど臭いません。 加温も切り返しも不要で、ベランダや室内でも使えます。生ゴミの量が少ない家庭でも成立します。

ただし、使えるミミズは1種類だけです。庭を掘って出てくるミミズを入れても失敗します。

落ち葉や生ゴミを使う通常の堆肥づくりは家庭菜園の堆肥の作り方にまとめています。

通常のコンポストとの違い

ミミズコンポスト 通常のコンポスト
分解するもの ミミズ+微生物 微生物のみ
におい ほぼ無臭 発生しやすい
温度 常温 発酵で60度前後まで上がる
切り返し 不要 必要
設置場所 ベランダ・室内・日陰 屋外
処理量 少なめ(1日100〜300g) 多い
できるもの 糞土(ふんど)+液肥 堆肥
手間 少ない
活動が鈍る 発酵が止まる

量を処理したいなら通常のコンポスト、においと場所の制約があるならミミズコンポストという使い分けになります。

できるものが2種類ある

ミミズコンポストからは2つの資材が採れます。

  • 糞土(ミミズの糞)|黒くて細かい。栄養価が高く、そのまま土に混ぜられる
  • 液肥(水分がしみ出たもの)10〜20倍に薄めて使う。原液は濃すぎる

液肥は容器の底に溜まるので、コックの付いた容器を使うと取り出しやすくなります。液肥の使い方はプランター追肥のリズムを参照してください。

Dark fine worm castings in one container and a bottle of liquid fertilizer beside it, showing the tw

使えるミミズは1種類

ここを間違えると必ず失敗します。

シマミミズ フトミミズ(普通のミミズ)
別名 キジミミズ・レッドウィグラー ドバミミズ
大きさ 5〜10cm と細い 10〜20cm と太い
赤褐色で縞模様 灰褐色〜赤紫
住む場所 落ち葉の下・堆肥の中 土の中
食べるもの 腐りかけた有機物 土ごと食べる
密集 平気 嫌う
入手 釣具店・園芸店・通販 庭を掘る

庭のミミズ(フトミミズ)は使えません。 土の中で暮らす種類で、生ゴミの層では生きられず、数日で死にます。

釣り餌として「シマミミズ」「キジ」の名前で釣具店に売っています。 500g(数百匹)で2,000〜3,000円が目安です。園芸店や通販でも「コンポスト用ミミズ」として扱われています。

何匹必要か

処理したい生ゴミの量で決まります。

1日の生ゴミ 必要なミミズ 容器の大きさ
100g 約500g(500匹) 30L程度
200g 約1kg 50L程度
300g 約1.5kg 60L以上

ミミズは自分の体重と同じ量を1日で食べます。 500gのミミズなら1日500gまで処理できる計算ですが、最初は控えめに、体重の半分程度から始めてください。

容器の作り方

市販品もありますが、自作でも十分に機能します。

自作の手順(衣装ケース式)

用意するもの

  • 浅めの衣装ケース(30〜50L)2つ
  • ドリルか千枚通し
  • 防虫ネットか不織布

手順

  1. 上のケースの底に、直径5mm程度の穴を20〜30個あける
  2. 側面の上部にも通気穴をあける(1cm程度を10個ほど)
  3. 穴に防虫ネットを内側から貼る(コバエの侵入防止)
  4. 下のケースは液肥受けにする(穴をあけない)
  5. 上のケースを下のケースに重ねる

上下2段にするのが要点です。 下に溜まった液肥を回収でき、余分な水分も抜けます。

市販品を使う場合

  • 段積み式|下から順に完成する。分別が楽。8,000〜20,000円
  • 回転式|通常のコンポスト向き。ミミズには不向き
  • プランター型|見た目がよい。容量は小さめ

段積み式が扱いやすいですが、まずは衣装ケースで試して、続きそうなら買い替えるほうが無駄になりません。

始め方の手順

手順1|寝床(ベッディング)を作る

ミミズが住む層です。生ゴミの前に、まずこれを用意します。

材料 使い方
新聞紙・段ボール 細く裂いて、湿らせる。もっとも手軽
ココピート 水で戻して使う
腐葉土 そのまま
落ち葉 半分ほど分解したもの

厚さ10〜15cmが目安です。

湿り気は「握って崩れない、水が滴らない」程度。 濡らしすぎると酸欠になり、乾きすぎるとミミズが死にます。

手順2|ミミズを入れる

寝床の上にミミズをそっと置きます。自分から潜っていきます。

1〜2日は生ゴミを入れず、環境に慣れさせてください。

手順3|生ゴミを入れ始める

最初は少量から。 1日50〜100g程度で始めます。

  1. 寝床の一部を掘る
  2. 生ゴミを入れる
  3. 上から寝床の材料をかぶせる(重要)
  4. 場所を変えながら順に入れる

必ず上から覆ってください。 むき出しだとコバエが産卵し、においも出ます。

手順4|様子を見て量を増やす

入れた生ゴミが減っているかを確認します。

  • 減っている → 少しずつ量を増やす
  • 残っている → 量を減らす。処理が追いついていない

焦って増やさないでください。 食べ残しが腐ると環境が悪化し、ミミズが逃げ出します。

Shredded newspaper bedding being moistened and layered in a plastic bin before adding worms, step by

入れてよいもの・悪いもの

内容
入れてよい 野菜くず・果物の皮・コーヒーかす・茶がら・卵の殻(砕く)・パンくず・新聞紙
少量なら可 柑橘の皮・玉ねぎの皮・ご飯(少しずつ)
入れてはいけない 肉・魚・骨油もの乳製品唐辛子などの辛いもの塩気の強いもの・ペットの糞・貝殻

肉と魚は絶対に入れないでください。 腐敗して悪臭を出し、ハエとネズミを呼びます。

柑橘類と玉ねぎは、大量に入れると酸性に傾いてミミズが弱ります。 少量ずつなら問題ありません。

細かく刻む

5cm以下に刻むと分解が早くなります。 そのままでも処理できますが、時間がかかります。

コーヒーかすと卵の殻の使い方は卵殻・コーヒーかすの家庭菜園活用にまとめています。

Kitchen vegetable scraps chopped small being buried under bedding material in a worm bin, showing th

日常の管理

手間はほとんどかかりません。

頻度 作業
2〜3日に1回 生ゴミを入れる
週1回 湿り具合を確認
月1回 液肥を取り出す
3〜6か月に1回 糞土を収穫する

温度管理

ミミズの適温は15〜25度です。

温度 状態
5度以下 活動停止。死ぬことも
10〜15度 動きが鈍い
15〜25度 最適
30度以上 弱る。逃げ出す
35度以上 死ぬ

夏の直射日光が最大の敵です。 ベランダの日なたに置くと、容器内が40度を超えて全滅します。

  • |日陰へ移す。玄関や室内も可
  • |発泡スチロールで包む。室内へ入れる

糞土の収穫

3〜6か月で、底のほうが黒く細かい土になります。

取り出し方

  1. 数日間、片側にだけ生ゴミを入れる
  2. ミミズがそちら側に移動する
  3. 反対側の糞土を取り出す
  4. 新しい寝床を足す

ミミズを分けずに済む方法です。 段積み式の容器なら、下の段をそのまま外すだけで済みます。

糞土はそのまま土に混ぜられます。 プランターの土に1〜2割混ぜると、団粒構造が改善されます。土の再生についてはプランターの土は再利用できる?を参照してください。

失敗の原因と対処

においがする

入れすぎか、覆っていないかです。

原因 対処
生ゴミが多すぎる 数日、投入を止める
上から覆っていない 寝床の材料をかぶせる
水分が多すぎる 乾いた新聞紙を足す
肉・魚を入れた 取り除く
酸欠 軽くほぐして空気を入れる

正常なミミズコンポストは、土のにおいしかしません。 酸っぱい・腐敗臭がしたら異常です。

コバエが湧く

生ゴミがむき出しになっています。

  • 必ず上から寝床の材料で覆う
  • 通気穴に防虫ネットを貼る
  • 表面に乾いた新聞紙を敷く
  • 発生したら黄色い粘着トラップ

ミミズが逃げ出す

環境が悪いというサインです。

原因 対処
温度が高い/低い 15〜25度の場所へ
水分が多い 乾いた材料を足す
酸性に傾いた 卵の殻を砕いて入れる
餌が足りない 生ゴミを追加
餌が多すぎる 投入を止める

フタを閉めて暗くしておくと、逃げにくくなります。 ミミズは光を嫌います。

ミミズが増えない・減った

適した環境なら2〜3か月で倍に増えます。増えないなら温度か水分を見直してください。

逆に増えすぎたら、一部を土に放すか、知人に分けてください。

白い小さな虫がいる

トビムシかダニです。 分解を助ける生きもので、害はありません。

大量発生しているなら水分が多すぎるサインなので、乾いた新聞紙を足してください。

A hand holding dark crumbly worm castings above a planter, showing the finished compost texture, nat

よくある質問

Q. 庭で見つけたミミズを使えますか?

使えません。庭にいるのは土の中で暮らすフトミミズで、生ゴミの層では生きられず数日で死にます。使えるのはシマミミズ(キジミミズ)だけで、釣具店や園芸店で入手できます。

段積み式のコンポスト容器は、下の段から順に堆肥が完成するため分別が楽になります。液肥を取り出すコック付きだとさらに扱いやすくなります。

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Q. においませんか?

正常に運転していれば、土のにおいしかしません。臭う場合は生ゴミを入れすぎているか、上から覆っていないかのどちらかです。数日投入を止め、寝床の材料をかぶせてください。

Q. 冬はどうすればいいですか?

5度以下になると活動が止まり、死ぬこともあります。発泡スチロールの箱に入れる、室内や玄関へ移すなどで10度以上を保ってください。冬は処理量が落ちるので、生ゴミの投入も減らします。

Q. 室内に置いても大丈夫ですか?

大丈夫です。むしろ温度が安定するので冬は室内向きです。ただしコバエ対策として、通気穴に防虫ネットを貼り、生ゴミは必ず上から覆ってください。

Q. どのくらいで堆肥ができますか?

3〜6か月です。底のほうから黒く細かい糞土になっていきます。片側にだけ餌を入れてミミズを移動させれば、反対側の糞土だけを取り出せます。

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まとめ

ミミズコンポストの要点を整理します。

使うミミズ

シマミミズ(キジミミズ)だけです。庭のフトミミズは使えません。釣具店で500g(数百匹)2,000〜3,000円が目安で、1日100gの生ゴミを処理できます。

始め方

  1. 衣装ケース2つを重ね、上の底と側面に穴をあける
  2. 新聞紙を裂いて湿らせ、10〜15cmの寝床を作る
  3. ミミズを入れ、1〜2日慣らす
  4. 1日50〜100gから生ゴミを入れ始める
  5. 必ず上から寝床の材料で覆う

守る2つの条件

  • 温度15〜25度(夏の直射日光で全滅する)
  • 入れすぎない(減っているか確認してから増やす)

入れてはいけないもの

肉・魚・油もの・乳製品・辛いもの・塩気の強いもの。

生ゴミが減り、糞土と液肥が採れて、しかも臭わない。ベランダ菜園と組み合わせると、土と肥料をある程度まかなえるようになります。