縁側は、使い道を決めないと確実に物置になります。

廊下でも部屋でもない中途半端な幅で、家具を置くには狭く、通路にするには広い。結果として掃除機や段ボールの置き場になっている家は少なくありません。

一方で、家の中でもっとも日当たりのよい場所でもあります。使い方さえ決まれば、家で一番居心地のよい場所になります。

この記事では、縁側の種類と弱点を押さえたうえで、実際に使える形を提案します。和室の各部の名称は和室の各部名称を図解で解説にまとめています。

縁側の種類

まず自分の家の縁側がどちらかを確認してください。使える用途が変わります。

内縁(うちえん) 濡れ縁(ぬれえん)
位置 建具の内側(ガラス戸の中) 建具の外側(屋外)
かからない かかる
断熱 一応ある なし
床材 フローリング・板 木・樹脂・竹
使い方 部屋として使える 縁台・ベンチとして
現代の住宅 こちらが多い 減っている

広縁(ひろえん)は内縁のうち幅が広いもの(1間=約182cm前後)を指します。90cm程度の一般的な縁側より、格段に使い道が広がります。

幅を測ってから考える

できること
60〜75cm 通路。座るのがやっと
90cm(半間) 座る・小さな椅子1脚・室内干し
120cm ローテーブル+座椅子
180cm(広縁) 独立したスペースとして使える

まず幅を測ってください。 90cmと180cmではまったく別の空間です。

Measuring tape stretched across the width of a wooden engawa veranda floor, showing its narrow depth

縁側の2つの弱点

活用案を考える前に、これを解決しないと結局使わなくなります。

弱点1|冬が寒い

縁側は家の中でもっとも寒い場所です。

ガラス戸1枚を隔てて外気に接し、断熱材が入っていないことがほとんどです。冬は室温より5〜10度低くなります。

夏の日射は窓の外で止めるのが原則です。すだれとよしずは掛けるだけで室温の上がり方が変わります。

(PR)「すだれ よしず」をAmazonで探す / 楽天で探す

対処

方法 効果 費用
断熱シートを窓に貼る 1,000〜3,000円
厚手のカーテンを内側に足す 3,000〜8,000円
ラグ・コルクマットを敷く 中(足元) 3,000〜10,000円
内窓(二重窓)を入れる 最大 5〜15万円
すきま風テープ 小〜中 500円

もっとも費用対効果が高いのは、和室と縁側の間の障子を閉めることです。 障子は空気の層を作るため、それだけで体感がかなり変わります。

弱点2|夏の日射

南向きなら冬は暖かい反面、夏は温室になります。

対処

  • 外側にすだれ・よしずを掛ける(内側のカーテンより効果が大きい)
  • 遮熱フィルムを窓に貼る
  • 軒が浅いなら、後付けのオーニング

日射は窓の外で止めるのが原則です。 中に入ってから遮っても、熱はすでに室内にあります。夏の対策は夏の和室を涼しく過ごす工夫にまとめています。

活用案5つ

1|読書・くつろぎスペース(幅90cm〜)

もっとも縁側に向いた使い方です。

  • 座椅子か低い椅子を1脚
  • サイドテーブル(幅30cm程度の細いもの)
  • クッションと膝掛け

明るく、庭が見え、家族の生活動線から少し外れる。「家の中の特等席」になります。

椅子は座面高35〜40cmを選んでください。縁側は天井が低いことが多く、高い椅子は圧迫感が出ます。選び方は和室で使う椅子の選び方を参照してください。

2|室内干しスペース(幅90cm〜)

日当たりと風通しがよく、洗濯物を干すのに最適です。

  • 天井に物干し金物を取り付ける(後付け可能)
  • 突っ張り棒で代用(賃貸向き)
  • 折りたたみ式の室内物干しを置く

来客時にすぐ片付けられるのが利点です。リビングに干すのと違い、障子を閉めれば隠せます。

3|植物を置く(幅60cm〜)

日照条件が家の中でもっともよい場所です。

  • 南向き|多肉植物・ハーブ・果樹の鉢
  • 東向き|観葉植物全般
  • 北向き|シダ類・テーブルヤシ

鉢は必ず受け皿に載せ、床に直接置かないでください。 木部が湿気で傷みます。水やりは持ち運んで流しで行うのが確実です。

和室に合う植物の選び方は和室に合う観葉植物の選び方と置き方のコツにまとめています。

ベランダがない家では、縁側が家庭菜園の場所になります。 ハーブやリーフレタスなら十分育ちます。室内栽培の条件は室内で野菜を育てる方法を参照してください。

4|収納を仕込む(幅90cm〜)

物置にするのではなく、収納として設計するという考え方です。

  • 高さ40cm以下の低い収納を壁側に並べる(座れる高さ)
  • 引き出し式の収納ボックスを床下に
  • ベンチ収納(座面が開く)

高さ40cm以下に抑えるのが要点です。 それ以上になると通路が圧迫され、縁側の開放感が失われます。

5|ワークスペース(幅120cm〜)

在宅ワーク用に使う案です。

  • 奥行き45cm程度の細長いデスク
  • 窓に向けて配置(明るい)
  • 背面に本棚を置かない(狭くなる)

注意点は、窓の明るさと画面の明暗差です。日中は逆光になるので、ブラインドかレースで光量を調整してください。机の配置は和室に机を置くレイアウトにまとめています。

A narrow desk placed along an engawa veranda facing the window with a chair, laptop and small plant,
Potted herbs and small leafy greens lined up along a sunlit engawa veranda on saucers, indoor garden

物置にしないための3つのルール

活用案を決めても、放っておくと元に戻ります。

ルール1|床に物を直接置かない

縁側が物置になる過程は決まっています。 一時的に床へ置いたものが、そのまま定位置になります。

「床に置かない」と決めるだけで防げます。 置くなら台か棚の上に。

ルール2|通路を60cm確保する

縁側は通路も兼ねます。人が通れる幅60cmを常に空けてください。

幅90cmの縁側なら、物を置けるのは壁側30cmだけです。ここを守れば、自然と置ける量が決まります。

ルール3|季節ごとに見直す

夏は植物と室内干し、冬は読書スペース。使い方を季節で変える前提にすると、常設の物が減ります。

賃貸でできること

穴を開けない、貼らないが原則です。縁側の床板と柱は原状回復の対象になります。

やりたいこと 賃貸での方法
物干しを付けたい 突っ張り棒(天井と床、または左右の壁)
棚を付けたい 突っ張り式のラック
床を保護したい 置くだけのフロアマット・ラグ
寒さ対策 断熱シート(貼ってはがせるタイプ)・厚手カーテン
目隠しがほしい 突っ張り棒+カフェカーテン

床にラグを敷く場合は、月1回めくって風を通してください。 木の床は湿気がこもるとカビます。賃貸和室の工夫は賃貸の和室を活用する方法にまとめています。

A tension rod installed across an engawa veranda holding laundry hangers, a renter friendly setup wi

手入れ

床の掃除

乾拭きが基本です。

  • 掃除機を木目に沿ってかける
  • 乾いた布で拭く
  • 水拭きは固く絞って、すぐ乾拭き

無垢材の場合、水分を吸うと反りやシミの原因になります。

年に1〜2回のワックス

木部用のワックスを年1〜2回塗ると、艶が戻り汚れも付きにくくなります。シリコン系より蜜蝋(みつろう)系が和室には馴染みます。

ガラス戸のレール

砂やほこりが溜まって動きが重くなります。掃除機のノズルで吸い、乾いた布で拭いてください。 潤滑剤は埃を呼ぶので、シリコンスプレーを薄く使う程度にとどめます。

よくある質問

Q. 縁側と広縁の違いは何ですか?

幅の違いです。一般的な縁側が90cm前後なのに対し、広縁は1間(約182cm)程度あります。広縁なら独立したスペースとして家具を置けますが、90cmの縁側は通路を兼ねるため、置けるものが限られます。

Q. 冬が寒くて使えません。

障子を閉めるだけで体感が変わります。加えて、窓に断熱シートを貼り、厚手のカーテンを内側に足してください。予算があれば内窓(二重窓)が最も効果的で、5〜15万円が目安です。

Q. 縁側に家具を置いても大丈夫ですか?

置けますが、高さ40cm以下・通路60cm確保を守ってください。それ以上の高さの家具を置くと圧迫感が出て、縁側の開放感が失われます。重い家具は床板がたわむことがあるので、脚の下に板を敷いてください。

Q. 濡れ縁に物を置いてもいいですか?

雨がかかるため、屋外用のものに限ります。木製の濡れ縁は水はけが必要なので、床を覆うマットは避けてください。腐りの原因になります。

Q. 賃貸で物干しを付けたいのですが。

突っ張り棒が使えます。天井と床の間、または左右の壁の間で突っ張るタイプがあります。耐荷重を確認し、洗濯物の重さに余裕のあるものを選んでください。壁や天井に穴を開ける金物は原状回復の対象になります。

まとめ

縁側の活用の要点を整理します。

まず確認すること

  • 内縁か濡れ縁か(建具の内側か外側か)
  • 幅を測る(90cmと180cmでは別の空間)

先に解決する2つの弱点

  1. 冬の寒さ|障子を閉める・断熱シート・厚手カーテン。決め手は内窓
  2. 夏の日射窓の外で止める(すだれ・よしず)

活用案5つ

読書スペース/室内干し/植物置き場/低い収納/ワークスペース。幅90cmなら読書か室内干し、120cm以上ならデスクも置けます。

物置にしない3つのルール

床に直接置かない。通路60cmを空ける。季節で使い方を変える。

まずは椅子を1脚だけ置いてみてください。座ってみると、その縁側で何ができるかが見えてきます。