プランターでさつまいもを育てていると、つるがどんどん伸びてベランダ中に広がってきませんか。

「つるが伸びすぎて邪魔」「切ってもいいの?」「つる返しって必要?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

この記事では、プランターでさつまいもを育てる際のつる処理について詳しく解説します。結論から言うと、プランターでは「つる返しは基本不要」「つるは切らずにまとめる」が正解です。

ベランダでのつる管理3つの方法も図解で紹介しますので、つるが伸びて困っている方はぜひ参考にしてください。

プランターでもつる返しは必要?

まず結論からお伝えします。

プランターでさつまいもを育てる場合、つる返しは基本的に不要です。

つる返しが必要なのは「つるが地面に接して根を張る場合」に限られます。

プランターはベランダなど高い位置に設置されることが多く、つるが地面に接しなければ発根することはありません。根が出なければ、つる返しをする必要もないのです。

ただし、注意が必要なのは以下のケースです。

  • つるがプランターの外に垂れて、地面(土)に接している
  • 他のプランターの土につるが入り込んでいる

こうした場合は、つるを引きはがしてプランターの上に戻してあげましょう。

そもそも「つる返し」とは?畑とプランターの違い

つる返しについて、基本的な知識を整理しておきましょう。

つる返しとは

つる返しとは、地面に根を張ったつるを引きはがす作業のことです。

さつまいもには、つるの節から「不定根」と呼ばれる根を出す性質があります。この不定根が地面に接すると、そこから根を張り、小さなイモ(つる根イモ)が形成されてしまいます。

つる根イモができると、本来育てたい株元のイモに栄養が行かなくなり、収穫量が減ってしまうのです。畑でつる返しを行うのは、この余分なイモの発生を防ぐためです。

畑とプランターの違い

環境つる返しの必要性理由
必要つるが地面に接して根を張るため
プランター基本不要つるが土に接しなければ発根しない

畑では、つるは地面を這って伸びていくため、放っておくと至るところで発根してしまいます。一方、プランターはベランダの高い位置に置かれることが多く、つるが空中に垂れ下がる形になります。

空中に垂れているつるは、土に接することがないので発根しません。これが、プランターではつる返しが不要な理由です。

つるが伸びすぎたときの正しい処理方法

024 bundling

「つる返しが不要なのはわかったけど、伸びすぎたつるはどうすればいいの?」

この疑問に対する答えは明確です。

つるは切らずにまとめるのが正解です。

つるのまとめ方

  1. 伸びたつるを持ち上げる
    プランターの外に垂れているつるを、やさしく持ち上げます。
  2. プランターの上にくるくるまとめて置く
    つるを折らないように注意しながら、円を描くようにまとめます。
  3. 葉が重なりすぎないよう軽く広げる
    葉が密集すると蒸れやすいので、適度に広げておきます。

これを定期的に行うことで、つるが邪魔にならず、かつ健全に育てることができます。

なぜ「切らない」のが大切なのか

つるを切ってはいけない理由は、光合成にあります。

さつまいものイモは、つるについた葉で光合成を行い、その栄養で肥大します。つまり、つると葉は「栄養を作る工場」なのです。

つるを切ってしまうと、その先についている葉が枯れてしまいます。葉が減れば光合成量も減り、結果としてイモが育たなくなります。

邪魔だからといってつるを切ってしまうと、収穫量に大きく影響してしまうのです。

ベランダでのつる管理3つの方法

024 management

ベランダでさつまいもを育てていると、どうしてもスペースが限られます。洗濯物を干す場所も確保したいですよね。

ここでは、ベランダでつるを上手に管理する3つの方法を紹介します。

方法1:まとめる

最もシンプルで手軽な方法です。

伸びたつるをプランターの上にくるくるとまとめて置くだけ。コストはゼロで、特別な道具も必要ありません。

定期的にまとめ直す必要がありますが、週に1〜2回程度で十分です。

方法2:垂直栽培

支柱やネットを使って、つるを上に伸ばす方法です。

ベランダの柵にネットを張り、そこにつるを誘引すると、グリーンカーテンのような見た目にもなります。夏場は日よけにもなり、一石二鳥です。

ただし、台風の時期は風で傷みやすいので注意が必要です。

方法3:高い位置に置く

プランターを棚の上に置き、つるを下に垂らす方法です。

つるが床面に接することがないので、つる返しの心配は完全になくなります。スペースも有効活用できます。

ただし、水やりがやや大変になるのがデメリットです。

方法メリットデメリット
まとめる手軽、コストゼロ定期的にまとめ直しが必要
垂直栽培グリーンカーテンにもなる台風に弱い
高い位置に置く省スペース水やりがやや大変

洗濯物を干すスペースを確保したいなら、「高い位置に置く」か「垂直栽培」がおすすめです。

つるを切ってしまったらどうなる?

「うっかりつるを切ってしまった」という方もいるかもしれません。切ってしまった場合、どうなるのでしょうか。

切ってしまった場合のリスク

  • 切った先の葉が枯れる
  • 光合成量が減る
  • イモの成長が鈍る

つるを切ると、その先についていた葉への水分・養分の供給が止まり、枯れてしまいます。残された葉だけでイモを育てることになるので、当然ながら成長に影響します。

対処法

切ってしまったものは元に戻せません。以下の対処をしましょう。

  • 残りのつる・葉を大切に育てる
    これ以上切らないように注意します。
  • 追肥は避ける
    「早く回復させたい」と肥料を与えたくなりますが、これはNGです。窒素肥料を与えるとつるぼけの原因になります。
  • 今後は切らずにまとめる
    次からは切らずにまとめるようにしましょう。

どうしても邪魔な場合

スペースの都合でどうしてもつるが邪魔な場合、少量であれば影響は限定的です。

ただし、切る場合は以下を守ってください。

  • 先端部分のみにとどめる
    株元に近い葉は絶対に残す
  • 全体の1〜2割程度まで
    大量に切ると収穫量に大きく影響する

つるぼけとは?原因と対策

「つるが茂りすぎて心配」という声をよく聞きます。ここで「つるぼけ」についても解説しておきましょう。

つるぼけとは

つるぼけとは、葉や茎ばかりが茂り、イモが育たない状態のことです。

「つるが伸びすぎ」と似ているように見えますが、実は原因が異なります。

つるぼけの原因

つるぼけの主な原因は窒素肥料の与えすぎです。

窒素は植物の成長を促進する栄養素ですが、多すぎると地上部(葉や茎)ばかりが成長してしまい、地下のイモに栄養が回らなくなります。

つるぼけとつる返しの違い

項目つるぼけつる返し
問題イモが育たない余分なイモができる
原因窒素過多つるの発根
対策肥料を控えるつるを引きはがす

つるぼけは「肥料が原因」、つる返しは「発根が原因」と、全く別の問題です。

つるぼけ対策

  • 肥料は控えめに
    さつまいもは痩せた土でも育つ野菜です。元肥のみで追肥は基本不要です。
  • 野菜用培養土そのままでOK
    新しい培養土なら、そのまま使えます。肥料を追加する必要はありません。
  • さつまいも専用の土もある
    心配な方は、さつまいも専用に配合された土を使うと安心です。

プランターさつまいも栽培のポイント

つる処理以外にも、プランターでさつまいもを育てる際のポイントをまとめておきます。

ポイント内容
プランターサイズ深さ30cm以上、容量20〜30L以上
野菜用培養土でOK。肥料は控えめ
水やり乾燥気味に。過湿はNG
植え付け時期5月〜6月
収穫時期10月〜11月(植え付けから約4ヶ月)

プランター選びのコツ

さつまいもは根を深く張る野菜なので、深さが重要です。浅いプランターでは十分なイモが育ちません。

横幅は60cmあれば、2株植えることができます。

つる苗は春の販売期間が短いので、通販で早めに予約するのがおすすめです。

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水やりのコツ

さつまいもは乾燥に強い野菜です。水のやりすぎは根腐れの原因になるので注意しましょう。

土の表面が乾いたらたっぷり与える、というメリハリが大切です。

収穫前のつるの扱い方

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収穫時期が近づいたら、つるの扱い方も知っておきましょう。

収穫前のつる処理

収穫の1週間〜10日前につるを切る方法もあります。これを「つる切り」と呼びます。

つるを切ることで、イモの皮が固くなり、傷みにくくなるというメリットがあります。ただし、必須の作業ではありません。

収穫時のつる処理

収穫する際は、以下の手順で行います。

  1. つるを株元で切る
  2. プランターを横に倒して土をほぐす
  3. 手で丁寧にイモを取り出す

つるが邪魔で掘りにくい場合は、先につるを切ってから掘り出すと作業がしやすいです。

つるの活用法

実は、さつまいものつるは食べることができます。

茎と葉は、炒め物やきんぴら、おひたしにすると美味しく食べられます。特に若い葉と茎が柔らかくておすすめです。

栄養価も高く、ベータカロテンや鉄分が豊富に含まれています。収穫の楽しみが増えますね。

よくある質問(FAQ)

つる処理についてよくある質問にお答えします。

Q1: つるが地面に着いてしまったらどうすればいい?

つるを引きはがして、プランターの上にまとめてください。すでに根が張っている場合は、丁寧に引き抜きます。

根を張ってから時間が経っている場合は、小さなイモができている可能性があります。その場合も引きはがして問題ありません。

Q2: つるを切ったら枯れてしまった。どうすれば?

切った部分は残念ながら元に戻りません。残っているつる・葉を大切に育てましょう。

これ以上切らないように注意し、追肥は避けてください。残った葉でしっかり光合成できれば、イモは育ちます。

Q3: つるが茂りすぎてイモができるか心配です

つるが茂るのは、株が元気な証拠です。

「つるが茂る=イモができない」ではありません。つるぼけでなければ問題ないので、安心してください。

ただし、肥料を与えすぎていないか確認しましょう。追肥をしていた場合は、今後は控えてください。

この記事を書いた人

田中 由美(たなか ゆみ)
家庭菜園アドバイザー / 畳と家庭菜園のある暮らし研究家

自宅の庭で10年以上家庭菜園を実践し、年間20種類以上の野菜を育てています。最初は「次に何を植えればいいかわからない」状態でしたが、年間カレンダーを作ってからは、1年中収穫が途切れない菜園ライフを楽しめるようになりました。菜園教室では500人以上の方の年間計画づくりをサポートしてきました。

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まとめ:つるは切らずにまとめよう

この記事のポイントをまとめます。

  • プランターでは基本的につる返しは不要
    つるが土に接しなければ発根しないため
  • つるは切らずにまとめるのが正解
    つるを切ると光合成量が減り、イモが育たなくなる
  • ベランダでの管理方法は3つ
    まとめる・垂直栽培・高い位置に置く
  • つるぼけ対策は肥料を控えめに
    つるが茂る原因は窒素過多

プランターでさつまいもを育てる場合、つるの処理はとてもシンプルです。「切らない」「まとめる」、これだけ覚えておけば大丈夫です。

秋の収穫を楽しみに、つるを大切に育てていきましょう。お子さんと一緒に育てている方は、つるを一緒にまとめる作業も楽しい思い出になりますよ。