プランターでじゃがいもを育てたいけれど、どれくらい収穫できるのか気になっていませんか。

「プランターだと収穫量が少ないのでは」「芽かきや土寄せって何をすればいいの」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

この記事では、プランターでじゃがいもを育てる方法を詳しく解説します。種いも1個から約500gの収穫を目指すためのポイントを、芽かき・土寄せの図解とともにお伝えします。

ベランダでも本格的なじゃがいも栽培を楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。

プランターでじゃがいもは何個収穫できる?

まず気になるのは、プランターでどれくらい収穫できるのかという点でしょう。

結論から言うと、プランター栽培では種いも1個あたり約500g〜600g、個数にして約10個前後の収穫が目安です。

栽培方法種いも1個あたりの収穫量収穫個数
プランター・袋栽培約500g〜600g約10個前後
地植え約1kg約15〜20個

地植えと比べると約半分程度の収穫量になりますが、ベランダでも十分に収穫を楽しめます。

収穫量を左右するのは「土の量」です。プランターの深さや容量が十分であれば、より多くの収穫が期待できます。

また、芽かきと土寄せを適切に行うことで、限られたスペースでも大きなじゃがいもを育てることができます。

収穫量を増やす3つのポイント

プランター栽培で収穫量を増やすために、押さえておきたいポイントは3つあります。

1. プランター選び

深さと容量が収穫量に直結します。深さ30cm以上、1株あたり20L以上の土が入るプランターを選びましょう。土の量が多いほど、じゃがいもが肥大するスペースが確保できます。

2. 芽かき

種いもから複数の芽が出てきますが、そのままにしておくと栄養が分散してしまいます。元気な芽を2〜3本残して、他は取り除くことで、大きなじゃがいもを育てることができます。

3. 土寄せ(増し土)

じゃがいもは土の中で肥大しますが、地上に露出すると緑色になり、食べられなくなります。定期的に土を足す「土寄せ」を行うことで、緑化を防ぎ、収穫量アップにつながります。

この3つをしっかり押さえれば、プランター栽培でも満足のいく収穫が期待できます。それぞれの詳しいやり方を以下で解説していきます。

プランターと用土の選び方

じゃがいも栽培では、プランター選びが収穫量を大きく左右します。

プランターの選び方

項目推奨理由
深さ30cm以上土寄せ・増し土のスペース確保
容量1株20L以上土の量で収穫量が変わる
横幅60cm以上2株植える場合

深型プランター(30L程度)であれば、1〜2株を育てることができます。

最近人気なのが「袋栽培」です。培養土の袋をそのままプランターとして使う方法で、排水穴を開けるだけで手軽に始められます。袋栽培なら20Lの培養土袋で1株を育てられ、収穫時は袋を切り開くだけで簡単です。

どのプランターを使う場合も、底に排水穴があることを確認しましょう。水はけが悪いと根腐れの原因になります。

用土の選び方

用土は「野菜用培養土」がおすすめです。あらかじめ肥料が配合されており、そのまま使えます。

じゃがいもはpH6.0前後の弱酸性の土を好みます。野菜用培養土であれば、適切なpHに調整されているので安心です。

水はけの良さも重要です。過湿になると腐れやすいので、軽くて水はけの良い土を選びましょう。

種いもの選び方と植え付け

じゃがいも栽培は、種いもの準備から始まります。

種いもの選び方

種いもは、ホームセンターや園芸店で購入しましょう。

スーパーで売っている食用のじゃがいもを種いもとして使うのは避けてください。食用いもは病気を持っている可能性があり、うまく育たないことがあります。種いも専用として販売されているものは、病気の検査を受けているので安心です。

種いもの大きさは、1個30〜60g程度が目安です。

種いもの切り方

60g以上の大きな種いもは、2〜3個に切り分けて使います。

切り方のポイントは以下の通りです。

  • 各片に芽が2〜3個あるようにカット
  • 切り口は2〜3日乾燥させる
  • 切り口が乾いたら植え付けOK

切り口を乾燥させることで、病気の侵入を防ぎます。切ってすぐ植えると腐りやすいので注意しましょう。

植え付け時期

じゃがいもは春と秋の年2回植え付けができます。

  • 春植え:2月下旬〜3月(寒冷地は4〜5月)
  • 秋植え:8月下旬〜9月上旬

初心者には春植えがおすすめです。気温が上がる時期に成長するため、管理がしやすく、失敗が少ないです。

植え付け方法

  1. プランターの底に鉢底石を2〜3cm敷く
  2. 培養土を10cm程度入れる
  3. 種いもを切り口を下にして置く(株間は20〜30cm)
  4. 土を5〜6cm被せる
  5. たっぷりと水やりをする

植え付け時は、プランターの半分程度まで土を入れる状態でOKです。後から土寄せ(増し土)を行うので、上部に余裕を残しておきます。

芽かきのやり方|図解で解説

植え付けから約3週間後、じゃがいもの芽かきを行います。

023 sprouting

芽かきとは

芽かきとは、種いもから出てきた複数の芽を、2〜3本に減らす作業です。

1つの種いもからは、通常3〜6本の芽が出てきます。そのまま育てると、栄養が分散してしまい、小さなじゃがいもばかりになってしまいます。

元気な芽を厳選して残すことで、栄養を集中させ、大きなじゃがいもを育てることができます。

芽かきのタイミング

  • 植え付けから約3週間後
  • 芽が10〜15cmに伸びた頃

芽が伸びすぎると、引き抜く際に種いもごと抜けてしまうことがあります。10〜15cm程度の時期がベストタイミングです。

芽かきのやり方

  1. 元気な芽を2〜3本選ぶ
    太くてしっかりした芽を残します。
  2. 株元を片手で押さえる
    種いもが一緒に抜けないように、もう片方の手でしっかり押さえます。
  3. 不要な芽を横に倒しながら引き抜く
    真上に引っ張ると種いもが抜けやすいので、横に倒すようにゆっくり引き抜きます。
  4. ハサミは使わない
    ハサミで切ると、切り口から病気が入る可能性があります。必ず手で引き抜きましょう。

なぜ芽かきが必要か

芽かきをしないと、以下のような問題が起こります。

  • 芽が多いと栄養が分散する
  • 小さなじゃがいもばかりになる
  • 収穫量が減る

芽かきは面倒に感じるかもしれませんが、収穫量を増やすためには欠かせない作業です。

土寄せ(増し土)のやり方|図解で解説

芽かきと同時に行いたいのが、土寄せ(増し土)です。

023 hilling

土寄せ(増し土)とは

土寄せとは、株元に土を足す作業です。畑では周囲の土を寄せますが、プランターでは新しい培養土を足す「増し土」を行います。

土寄せが必要な理由

じゃがいもは地中で育ちますが、成長とともに地表近くに出てきてしまうことがあります。

地上に露出したじゃがいもは、日光に当たると緑色に変色します。これを「緑化」と呼びます。

緑化したじゃがいもには、ソラニンという有毒成分が増加します。ソラニンを含むじゃがいもを食べると、吐き気や腹痛などの中毒症状を引き起こす可能性があるため、絶対に食べてはいけません。

土寄せを行うことで、じゃがいもが地上に露出するのを防ぎ、安全な収穫につながります。

土寄せのタイミング

回数タイミング目安
1回目芽かきと同時芽が10〜15cmの頃
2回目花のつぼみがついた頃1回目から2〜3週間後

基本は2回ですが、じゃがいもが土から見えてきたら、その都度土を足しましょう。

土寄せのやり方

  1. 培養土を5cm程度足す
    プランターの縁から2〜3cm下まで土を入れます。
  2. 株元が隠れるように寄せる
    茎の根元がしっかり土に埋まるようにします。
  3. 追肥も同時に行う
    土寄せのタイミングで、化成肥料を少量(1株あたり10g程度)施します。
  4. じゃがいもが見えたら随時追加
    雨で土が流れたり、じゃがいもが見えてきたりしたら、その都度土を足します。

水やりと追肥のポイント

日常的な管理として、水やりと追肥のポイントを押さえておきましょう。

水やりのポイント

じゃがいもは過湿を嫌う野菜です。水のやりすぎに注意しましょう。

  • 土の表面が乾いたらたっぷりと
    指で土を触って、乾いていたら水やりのサインです。
  • 過湿は腐れの原因になる
    常に土が湿った状態は避けましょう。
  • 梅雨時期は控えめに
    雨が続く時期は、水やりを控えめにします。
  • 受け皿に水を溜めない
    水はけを良くするため、受け皿に溜まった水は捨てましょう。

追肥のポイント

追肥は土寄せと同じタイミングで行います。

  • 1回目:芽かき時(1回目の土寄せ時)
  • 2回目:花のつぼみがついた頃(2回目の土寄せ時)

化成肥料(N-P-K=8-8-8など)を1株あたり10g程度、または野菜用液体肥料を規定量与えます。

注意点

  • 収穫2週間前からは追肥不要
    収穫間近に追肥すると、じゃがいもの保存性が悪くなります。
  • 窒素肥料が多いと葉ばかり茂る
    窒素分が多すぎると、葉は立派になりますが、じゃがいもが育ちません。
  • カリウム肥料でいもの肥大を促進
    じゃがいもの肥大にはカリウムが重要です。野菜用肥料にはバランスよく含まれています。

収穫のタイミングと方法

いよいよ収穫です。適切なタイミングで収穫することで、おいしいじゃがいもを楽しめます。

023 harvest

収穫のサイン

収穫時期を見極めるサインは、地上部の葉が黄色くなり、枯れ始めたらです。

花が咲いてから約1ヶ月後が目安ですが、葉の状態を見て判断するのが確実です。

収穫時期

  • 春植え:6月下旬〜7月
  • 秋植え:11月〜12月

梅雨時期の収穫は、じゃがいもが傷みやすいので、できれば梅雨明け後の晴れた日を選びましょう。

収穫の方法

  1. 晴れた日を選ぶ
    雨の日や土が湿っている日は避けましょう。
  2. プランターを横に倒す
    土ごと取り出すイメージです。
  3. 土をほぐしながらじゃがいもを取り出す
    手で丁寧に掘り出します。
  4. 傷つけないよう丁寧に
    スコップなどで傷つけると、保存性が悪くなります。
  5. 半日ほど乾かす
    収穫したじゃがいもは、日陰で半日ほど乾かしてから保存します。

収穫後の注意

  • 緑化したじゃがいもは食べない
    緑色に変色した部分は、ソラニンを含んでいるため食べないでください。
  • 直射日光を避けて保存
    光に当たると緑化するので、新聞紙などに包んで冷暗所で保存します。
  • 傷ついたものは早めに食べる
    傷があるじゃがいもは保存性が悪いので、早めに調理しましょう。

よくある失敗と対策

プランターでのじゃがいも栽培でよくある失敗と、その対策をまとめました。

失敗原因対策
収穫量が少ない芽かきをしなかった元気な芽を2〜3本に減らす
じゃがいもが緑色土寄せ不足増し土をこまめに行う
腐ってしまった水のやりすぎ土が乾いてから水やり
葉ばかり茂る窒素肥料過多追肥を控える
病気になった食用いも使用種いも専用を使う

特に多いのが「芽かきをしなかった」「土寄せが足りなかった」という失敗です。

芽かきをしないと、小さなじゃがいもばかりになります。「もったいない」と思わずに、思い切って芽を減らしましょう。

土寄せが足りないと、じゃがいもが緑化してしまいます。こまめにチェックして、じゃがいもが見えたら土を足すようにしましょう。

おすすめの品種

プランター栽培に向いた品種をご紹介します。

品種特徴おすすめポイント
キタアカリ黄色い肉、甘みが強いホクホク系、ポテトサラダ向き
メークイン煮崩れしにくいカレー、シチュー向き
男爵定番品種、栽培しやすい初心者向け
インカのめざめ小粒だが濃厚な味煮物、フライ向き
とうや大粒になりやすい収穫量重視

初めてじゃがいもを育てる方には、男爵がおすすめです。病気に強く、栽培しやすい定番品種です。

ホクホク食感が好みならキタアカリ、煮物やカレーに使いたいならメークインがおすすめです。

種いもは品種ごとにパッケージで販売されているので、お好みの品種を選んでみてください。

この記事を書いた人

田中 由美(たなか ゆみ)
家庭菜園アドバイザー / 畳と家庭菜園のある暮らし研究家

自宅の庭で10年以上家庭菜園を実践し、年間20種類以上の野菜を育てています。最初は「次に何を植えればいいかわからない」状態でしたが、年間カレンダーを作ってからは、1年中収穫が途切れない菜園ライフを楽しめるようになりました。菜園教室では500人以上の方の年間計画づくりをサポートしてきました。

種芋は通販で品種を選べます。キタアカリやメークインが家庭菜園の定番です。

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まとめ:ベランダでもたくさん収穫しよう

プランターでじゃがいもを育てるポイントをまとめます。

  • 収穫量の目標:種いも1個から約500g、10個前後
  • プランター選び:深さ30cm以上、1株20L以上
  • 芽かき:元気な芽を2〜3本残す
  • 土寄せ:2回行う、増し土で対応
  • 収穫時期:葉が黄色くなったら収穫OK

芽かきと土寄せをしっかり行えば、ベランダのプランターでも満足のいく収穫が楽しめます。

ミニトマトナスなどの夏野菜を育てた経験がある方なら、じゃがいも栽培も難しくありません。

ぜひこの記事を参考に、プランターでのじゃがいも栽培に挑戦してみてください。収穫したての新鮮なじゃがいもは、格別のおいしさですよ。