パスタやサラダに欠かせないバジル。スーパーで買うと1パック200円以上することもあり、使い切れずに傷んでしまうことも多いですよね。
実は、バジルは室内でも育てられるハーブです。ベランダがないマンションでも、キッチンの窓際で新鮮なバジルを収穫できます。
この記事では、室内でバジルを育てる方法を初心者向けに解説します。土栽培と水耕栽培の比較から、日当たり対策、摘心のやり方まで、図解を交えて詳しく紹介します。
室内でバジルを育てるメリット
室内でバジルを育てるメリットは、主に5つあります。
いつでも新鮮なバジルが使える
キッチンで育てれば、料理のたびに摘みたての新鮮なバジルが使えます。スーパーで買うバジルは収穫から時間が経っているため、香りが弱くなっていることがあります。
香りが格別
自分で育てたバジルは、香りの強さが違います。パスタやピザにのせると、その違いがはっきりわかります。
虫がつきにくく衛生的
室内栽培は虫がつきにくく、清潔に育てられます。土を使わない水耕栽培なら、さらに衛生的です。
インテリアとしても楽しめる
緑の葉が美しいバジルは、キッチンのインテリアとしても楽しめます。おしゃれなポットで育てれば、見た目も華やかになります。
1株で長く収穫できる
摘心をしっかり行えば、1株で数十枚〜100枚以上収穫できます。5月から10月まで約半年間、新鮮なバジルを楽しめます。
土栽培と水耕栽培どっちがいい?【比較表】
バジルを室内で育てるには、土栽培と水耕栽培の2つの方法があります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
| 項目 | 土栽培 | 水耕栽培 |
|---|---|---|
| 難易度 | 普通 | 簡単 |
| 初期費用 | 500〜1,000円 | 1,000〜2,000円 |
| 手間 | 水やり管理が必要 | 水替え程度 |
| 収穫量 | 多い | やや少ない |
| 清潔さ | 土を使う | 土不要で清潔 |
| おすすめ | しっかり育てたい人 | キッチン栽培向き |
初心者には水耕栽培がおすすめ
土を使わない水耕栽培は、虫がつきにくく清潔です。キッチンに置いても汚れる心配がありません。水替えと液体肥料を加えるだけなので、管理も簡単です。
収穫量を求めるなら土栽培
土栽培は根がしっかり張るため、株が大きく育ち、収穫量も多くなります。ただし、水やりの管理や、鉢底から水が流れ出る点で少し手間がかかります。
必要な道具と準備するもの
バジルを室内で育てるために必要な道具を紹介します。
土栽培の場合
| アイテム | サイズ・仕様 | 目安価格 |
|---|---|---|
| 鉢 | 直径12〜15cm | 200〜300円 |
| ハーブ用培養土 | 3〜5L | 300〜500円 |
| 鉢底石 | 1L | 100〜200円 |
| 受け皿 | 鉢に合うサイズ | 100〜200円 |
| バジルの種または苗 | – | 100〜300円 |
土栽培の場合、初期費用は500〜1,000円程度です。100均で鉢や受け皿を揃えれば、さらに安く始められます。
水耕栽培の場合
| アイテム | サイズ・仕様 | 目安価格 |
|---|---|---|
| 容器 | ガラス瓶やコップ | 100〜300円 |
| スポンジ | 種まき用 | 100〜200円 |
| 液体肥料 | ハイポネックスなど | 500〜800円 |
| バジルの種 | – | 100〜200円 |
水耕栽培キットを使えば、必要な道具が一式揃っています。1,000〜2,000円程度で購入でき、初心者でも失敗しにくいのでおすすめです。
種まき・植え付けの手順
バジルの種まき・植え付け方法を解説します。
種まきの適期
バジルの種まきは4月下旬〜6月がベストです。発芽には20〜25℃の温度が必要です。室内で温度管理ができれば、通年で種まきすることも可能です。
土栽培の手順
- 鉢底石を敷く: 鉢の底に1〜2cmの鉢底石を敷きます
- 培養土を入れる: ハーブ用培養土を鉢の8分目まで入れます
- 種をまく: 種をばらまき、薄く土をかけます(好光性種子のため覆土は薄く)
- 水やり: 霧吹きで優しく水やりします
- 置き場所: 明るい窓際に置きます
発芽まで1〜2週間かかります。発芽するまでは土が乾かないように管理しましょう。
水耕栽培の手順
- スポンジを準備: スポンジに十字の切り込みを入れます
- 種をセット: 切り込みに種を2〜3粒埋め込みます
- 水を張る: 容器に水を張り、スポンジを浮かべます
- 発芽後: 本葉が出たら液体肥料を薄めて加えます
水耕栽培専用のキットを使えば、より簡単に始められます。
苗から始める場合
5月頃からホームセンターでバジルの苗が販売されます。苗から始めると、種まきの手間が省け、すぐに収穫を楽しめます。
良い苗を選ぶポイント:
- 葉が濃い緑色で元気がある
- 茎が太くしっかりしている
- 根がポットの底から出ていない(根詰まりしていない)
置き場所と日当たりの確保

バジルを室内で育てる上で最も重要なのが、日当たりの確保です。
日当たりの目安
バジルは日光を好む植物です。以下の日照時間を目安にしましょう。
- 理想: 1日6〜8時間の日照
- 最低限: 1日4時間は確保したい
- おすすめの場所: 南向きの窓際
日光が足りないと、茎が細くひょろひょろと伸び、葉も薄くなってしまいます。
日当たり不足の対策
室内で十分な日照が確保できない場合は、以下の対策を試してみましょう。
蛍光灯・LEDライトで補光
自然光が足りない場合は、蛍光灯やLEDライトで補うことができます。植物育成ライトを使えば、より効果的です。1日8〜12時間程度照らすと良いでしょう。
週末だけ窓際に移動
平日はキッチンに置いて、週末だけ日当たりの良い窓際に移動させる方法もあります。
置き場所の注意点
室内でバジルを育てる際の注意点を紹介します。
エアコンの風を避ける
エアコンの風が直接当たると、葉が乾燥して傷んでしまいます。風が当たらない場所に置きましょう。
冬の窓際は冷える
冬場の窓際は夜間に冷え込むことがあります。バジルは10℃以下になると枯れてしまうため、夜は窓から離した場所に移動させましょう。
キッチンの窓際がベスト
料理に使うことを考えると、キッチンの窓際が最も便利です。日当たりと使い勝手の両方を満たせます。
水やりと肥料の基本
バジルの日常管理で大切なのは、水やりと肥料です。土栽培と水耕栽培それぞれのポイントを解説します。
土栽培の水やり
バジルは水を好む植物ですが、やりすぎは禁物です。
- 基本: 土の表面が乾いたらたっぷり与える
- 頻度: 夏は毎日、春秋は2〜3日に1回
- 注意: 受け皿に水を溜めない(根腐れの原因)
水のやりすぎは根腐れの原因になります。土の表面を触って、乾いていたら水やりのタイミングです。
水耕栽培の水管理
水耕栽培では、水の管理がポイントです。
- 水替え: 週1〜2回水を交換する
- 水量: 根が半分程度浸かる量
- 注意: 水が濁ったら早めに交換
水を長期間交換しないと、酸素不足で根腐れを起こします。
肥料のポイント
バジルは肥料を好む植物です。定期的な追肥で、香り高い葉が育ちます。
土栽培の場合:
- 2週間に1回、液体肥料を与える
- 規定の濃度より薄めに
水耕栽培の場合:
- 水替え時に液体肥料を加える
- 規定の半分程度の濃度で
肥料切れのサイン:
- 葉が黄色くなる
- 葉が小さくなる
- 成長が鈍くなる
これらのサインが出たら、肥料を与えましょう。
摘心のやり方|図解で解説

摘心は、バジルの収穫量を増やすための最も重要な作業です。摘心をするかしないかで、収穫量が2倍以上変わります。
摘心とは
摘心とは、先端の芽を摘み取って、わき芽を増やす作業です。先端を摘むと、その下からわき芽が2本伸びてきます。これを繰り返すことで、枝の数が増え、収穫できる葉も増えていきます。
摘心のタイミング
摘心を行うタイミングは、以下を目安にしましょう。
- 草丈が15〜20cmになったら
- 本葉が6〜8枚になったら
どちらか早い方のタイミングで摘心を始めます。
摘心の方法
摘心の手順は簡単です。
- 先端の芽を確認: 茎の一番上にある成長点(芽)を見つけます
- 摘む位置を決める: 上から2〜3節目の位置で摘みます
- 摘み取る: 手でポキっと折るか、ハサミでカットします
摘み取った部分は、そのまま料理に使えます。
摘心後の変化
摘心をすると、摘んだ位置から2本の枝が伸びてきます。
- 1回目の摘心: 1本 → 2本に
- 2回目の摘心: 2本 → 4本に
- 3回目の摘心: 4本 → 8本に
このように枝が倍々に増えていくため、収穫量も増えていきます。最初は「もったいない」と感じるかもしれませんが、この一手間で収穫量が大きく変わります。
収穫のコツと長く楽しむ方法

せっかく育てたバジル、できるだけ長く収穫を楽しみたいですよね。収穫のコツを紹介します。
収穫のタイミング
収穫を始めるタイミングは、以下を目安にしましょう。
- 本葉が10枚以上になったら収穫開始
- 葉が5〜6cm程度に育ったら適期
- 若い葉のうちに収穫するのがポイント
大きく育てすぎると葉が硬くなるので、適度なサイズで収穫しましょう。
収穫の方法
収穫の方法にもコツがあります。
上の方の葉から収穫
バジルは上の方の若い葉から収穫するのがおすすめです。摘心を兼ねて先端部分を収穫すると、わき芽が増えて一石二鳥です。
茎ごと切らず葉だけ摘む
料理に使う分だけ葉を摘み取れば、株を傷めずに長く収穫できます。
株に葉を6枚以上残す
一度に収穫しすぎると、光合成ができなくなり株が弱ってしまいます。常に6枚以上の葉を残すようにしましょう。
収穫量を増やすコツ
1株からたくさん収穫するためのコツをまとめます。
- 摘心を繰り返す: 枝を増やして収穫量アップ
- 花穂は早めに摘む: 花が咲くと葉が硬くなる
- 定期的に追肥: 肥料切れを防ぐ
収穫量の目安
適切に管理すれば、1株で数十枚〜100枚以上収穫できます。収穫期間は5月〜10月頃まで。約半年間、新鮮なバジルを楽しめます。
冬越しはできる?室内栽培のポイント
バジルは本来一年草ですが、室内栽培なら冬越しできる可能性があります。
バジルの特性
バジルは熱帯アジア原産のため、寒さに弱い植物です。
- 本来は一年草として扱われる
- 寒さに弱く、10℃以下で枯れる
- 花が咲くと葉が硬くなり、やがて枯れる
室内での冬越し
室内で以下の条件を満たせば、冬越しできる可能性があります。
温度管理:
- 室温15℃以上をキープ
- 暖房のある部屋で管理
- 夜間も10℃以下にならないように
管理のポイント:
- 水やりは控えめに(土の表面が乾いてから)
- 肥料は完全にストップ
- 日当たりの良い場所に置く
冬越しが難しい場合
冬越しが難しい場合は、以下の方法で翌年も楽しめます。
挿し木で株を更新
秋に元気な枝を切り取り、水に挿しておくと根が出ます。根が出たら土に植えれば、新しい株として育てられます。
種を採取
花が咲いた後に種ができるので、採取して翌年蒔くこともできます。
一年草と割り切る
バジルは種から育てても2〜3ヶ月で収穫できるので、毎年種から育てるのも一つの方法です。
バジルを使った料理アイデア
収穫したバジルの活用法を紹介します。新鮮なバジルは香りが格別なので、シンプルな料理でもおいしく仕上がります。
定番の使い方
- マルゲリータピザ: トマトソース、モッツァレラチーズ、バジルの王道コンビ
- カプレーゼ: トマト、モッツァレラ、バジル、オリーブオイルで
- ジェノベーゼパスタ: バジルペーストをたっぷり
- トマトとバジルのサラダ: シンプルに香りを楽しむ
アレンジ料理
- バジルペースト: 松の実、ニンニク、オリーブオイルとミキサーで(冷凍保存可能)
- バジルオイル: オリーブオイルにバジルを漬け込む
- バジルトースト: パンに塗って焼くだけで香り豊かに
- トマトスープのトッピング: 最後に生のバジルをのせる
保存方法
たくさん収穫できたら、保存しておくと便利です。
冷凍保存
洗って水気をよく取り、ジップロックに入れて冷凍します。使うときは凍ったまま刻んで使えます。
オイル漬け
葉をオリーブオイルに漬けて冷蔵保存。2〜3週間持ちます。オイルごと料理に使えます。
ドライバジル
乾燥させて密閉容器で保存。香りは弱くなりますが、長期保存できます。
この記事を書いた人
田中 由美(たなか ゆみ)
家庭菜園アドバイザー / 畳と家庭菜園のある暮らし研究家自宅の庭で10年以上家庭菜園を実践し、年間20種類以上の野菜を育てています。最初は「次に何を植えればいいかわからない」状態でしたが、年間カレンダーを作ってからは、1年中収穫が途切れない菜園ライフを楽しめるようになりました。菜園教室では500人以上の方の年間計画づくりをサポートしてきました。
まとめ:キッチンで新鮮なバジルを
室内でバジルを育てる方法を解説しました。ポイントをまとめます。
栽培方法の選び方
- 初心者・キッチン栽培なら水耕栽培がおすすめ
- 収穫量を求めるなら土栽培
日当たりの確保
- 南向きの窓際がベスト(1日6〜8時間の日照)
- 日当たり不足ならLEDライトで補光
収穫量を増やすコツ
- 摘心で枝を増やす(収穫量2倍以上)
- 花穂は早めに摘む
冬越しのポイント
- 室温15℃以上で冬越し可能
- 難しければ挿し木で株を更新
バジルは室内でも比較的育てやすいハーブです。1株あれば、パスタやサラダに十分な量が収穫できます。ぜひキッチンで育てて、摘みたての香りを楽しんでみてください。