和室のふすまにはいくつかの構造や紙の種類があり、選び方次第で和室の印象や耐久性が大きく変わります。
「和室のふすまを張り替えたいけれど、自宅のふすまがどの種類か分からない」「業者に頼むかDIYするか迷っている」という方は多いのではないでしょうか。基礎知識を押さえておけば、リフォーム業者との打ち合わせもスムーズになります。
この記事では和室のふすまの構造別の種類、ふすま紙の素材、張り替え時期の目安、費用比較を整理します。具体的なリメイク方法はふすまリメイクの方法で詳しく解説しています。
ふすまの構造による4つの種類
ふすまは中の骨組み(下地)の作り方で大きく4種類に分かれます。
本ふすま(本襖)
伝統的な造りで、杉やヒノキの細い格子状の木組みを下地にし、その上に下張り・上張りを重ねたものです。重量はあるものの、何度でも張り替えができ、調湿性にも優れます。築年数の古い民家や寺社の和室に多く見られます。
戸ふすま(板ふすま)
ベニヤ板やMDFを芯材にした洋風住宅向けのふすまです。本ふすまより重く、変形しにくいのが特長。マンションや昭和後期以降の住宅でよく使われます。表面に化粧シートが貼られたタイプもあります。
段ボールふすま
段ボールをハニカム状に加工した芯材を使った軽量タイプ。1枚あたり4〜6kg程度と軽く、扱いやすい反面、湿気に弱く反りやすい欠点があります。集合住宅や賃貸物件で多く採用されています。
発泡スチロールふすま
発泡スチロール芯を使った最軽量タイプ。3〜4kgと軽く、断熱性も高いものの、強度はもっとも低めです。

自宅の和室のふすまがどの種類かを知ることは、張り替えや交換時の見積もり精度を大きく左右します。重量、表面の張替えが可能か、賃貸での原状回復義務など、種類によって取り扱いが大きく異なるため、まずは見分ける癖をつけておきましょう。
| 種類 | 重さ目安 | 耐久性 | 張り替え | 主な採用先 |
|---|---|---|---|---|
| 本ふすま | 約8〜12kg | ◎ | 何度も可 | 戸建て・古民家 |
| 戸ふすま | 約10〜15kg | ○ | 表面のみ | 戸建て・マンション |
| 段ボールふすま | 約4〜6kg | △ | 1〜2回 | 集合住宅 |
| 発泡ふすま | 約3〜4kg | △ | 難しい場合あり | 賃貸 |
ふすま紙の素材による違い
ふすま紙にも素材ごとに特徴があります。
鳥の子紙
楮(こうぞ)や雁皮(がんぴ)などの和紙を原料にした高級品です。風合いが美しく、耐久性も高いのが特長。価格は1枚あたり3,000〜10,000円程度。
上新鳥の子紙
機械漉きの和紙で、本物の鳥の子紙よりリーズナブル。1枚1,500〜3,000円程度で、コストパフォーマンスに優れます。
織物ふすま紙
布を漉き込んだ紙で、立体感のある質感が魅力。汚れに強く、応接間や格式のある和室に向きます。
普及版ふすま紙(パルプ紙)
パルプを主原料にした安価な紙。1枚500〜1,500円程度で、賃貸や子ども部屋の使い捨て用に向きます。
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ふすまの張り替え時期の目安
ふすま紙は経年で確実に劣化します。張り替えのサインを覚えておきましょう。
一般的な張り替え周期
- 日常的な張り替え目安:5〜7年
- 黄ばみ・汚れが目立つ場合:3〜5年
- 湿気の多い部屋:3〜4年
張り替えを検討すべき5つのサイン
- 全体が黄ばんで明るさが失われている
- シミ・カビ・ヤニ汚れが目立つ
- 小さな破れ・穴が複数ある
- 紙が浮いて剥がれかけている部分がある
- 張り替えから10年以上経過している
特に和室は日光が当たる時間が長いと黄ばみが早まります。来客が多い家庭では、印象を保つために5年程度を目安にするのがおすすめです。
業者依頼とDIYの費用比較
ふすまの張り替えは業者でもDIYでも可能ですが、仕上がりとコストが変わります。
業者依頼の費用相場
| 種類 | 1枚あたりの相場 |
|---|---|
| 普及版(パルプ紙) | 1,500〜3,500円 |
| 上新鳥の子紙 | 3,000〜6,000円 |
| 鳥の子紙(手漉き) | 6,000〜15,000円 |
| 織物ふすま紙 | 5,000〜12,000円 |
出張費が別途3,000〜5,000円かかる場合があります。複数枚まとめて頼むと割引になることが多いです。
DIYの費用
ふすま紙(1〜2枚分のロールタイプ)が1,500〜3,500円、のり・カッター・刷毛などの道具で2,000〜3,000円ほど。トータル4,000〜7,000円で2枚分まで対応できます。
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DIYに向くケース・向かないケース
DIY向き:賃貸・本ふすま以外・1〜2枚程度・コスト重視
DIY向かない:本ふすま(高度な技術が必要)・大量の枚数・仕上がり重視

和室のふすま張り替えを業者依頼かDIYで判断する基準は、「枚数」「種類」「仕上がりへのこだわり」の3点です。とくに本ふすまや格式のある来客用ふすまは、職人の熟練度で完成度に差が出るため、無理せず業者に依頼するのが安全。一方、子ども部屋の引手や日常使いの押入れふすまは、DIY練習にも向きます。

ふすまの選び方|どの種類を選べばいいか
新調する場合の選び方の基準をまとめます。
戸建てで長く使うなら本ふすま
何度も張り替えができ、調湿性も高い本ふすまは長期的にはコスパが良いです。新規製作費用は1枚2万〜4万円が相場。
マンション・賃貸なら戸ふすま or 段ボールふすま
軽量で扱いやすく、表面の張り替えも比較的安価です。原状回復が必要な賃貸は、貼って剥がせるシートタイプの活用も有効です。
子ども部屋・ペット部屋にはプラスチック障子紙風の樹脂シート
破れにくく汚れを拭き取れる樹脂系シートを表に貼れば、子どもやペットがいる家庭でも長持ちします。
よくある質問
Q. 自宅のふすまの種類を見分ける方法は?
A. ふすまを持ち上げたときの重さで大まかに判断できます。10kg以上ある重いタイプは本ふすま・戸ふすま、軽くて手で持ち上がるなら段ボールか発泡タイプの可能性が高いです。
Q. 張り替え時期を過ぎたまま放置するとどうなりますか?
A. 紙の繊維が劣化して破れやすくなり、湿気を吸って下地まで歪むことがあります。下地が傷むと張り替えだけでは済まず、本体ごと交換が必要になり費用が跳ね上がります。
Q. 賃貸でふすまを張り替えてもいいですか?
A. 通常損耗の範囲なら問題ありませんが、契約書を必ず確認してください。退去時に貸主負担となるケースもあれば、原状回復で借主負担となる場合もあります。心配な場合は賃貸の和室を傷つけずにおしゃれにするDIYアイデアで紹介する貼って剥がせるシートが安心です。
Q. ふすまと障子の使い分けは?
A. ふすまは部屋の仕切りや押入れ、障子は採光や通気性を兼ねる窓側に使われるのが基本です。詳しい違いは和室の引き戸の種類と選び方を参照してください。
Q. 引き手(取っ手)だけ交換できますか?
A. はい、可能です。引き手は1個300〜2,000円程度で、ドライバーで簡単に交換できます。ふすま全体の印象を変える手軽な方法として人気です。

まとめ
和室のふすまは構造と紙の種類で性能とコストが大きく変わります。長く使うなら本ふすま、コスト重視なら戸ふすまや段ボールふすま、張り替え目安は5〜7年が基本です。来客の予定や予算に合わせて、業者依頼かDIYかを判断しましょう。和室のふすまを正しく選ぶことで、部屋全体の印象や格式が大きく変わり、毎日の暮らしの満足度にも直結します。