和室の照明を変えるだけで、部屋の雰囲気は驚くほど変わります。
「和室をもっとおしゃれにしたい」「蛍光灯の白い光がなんとなく味気ない」と感じたことはないでしょうか。和室は畳・障子・木の柱といった自然素材で構成されており、照明の選び方ひとつで空間の印象が大きく左右されます。天井の蛍光灯をペンダントライトに替えたり、間接照明を一つ置いたりするだけで、同じ部屋とは思えないほど居心地のよい空間に変わります。
この記事では、和室をおしゃれに見せるための照明選びを5つのポイントに整理して解説します。種類別の選び方やシーリングライトからの交換方法、コーディネート例まで紹介するので、和室インテリアの基本と併せて参考にしてください。
和室をおしゃれに見せる照明5つのポイント
和室の照明をおしゃれに変えるには、やみくもに器具を買い替えるのではなく、押さえるべきポイントを理解しておくことが大切です。ここでは、照明計画の基本となる5つの考え方を紹介します。
ポイント1:色温度は電球色を基本にする
和室の雰囲気を左右する最大の要素は、光の色です。色温度はケルビン(K)という単位で表され、数値が低いほど暖かみのあるオレンジ色、高いほど青白い光になります。
和室をおしゃれに見せるなら、電球色(2700〜3000K)を基本にするのがおすすめです。電球色は夕日のような温かみのある色味で、畳のい草や木の柱、砂壁などの自然素材を美しく照らしてくれます。リラックス効果も高いため、くつろぎの空間にぴったりです。
一方で、読書や作業をする場合は電球色だけでは暗く感じることがあります。そのときは、調光・調色機能付きの照明を選ぶか、手元用にデスクライトを併用すると良いでしょう。温白色(3500K)に切り替えられる照明なら、温かみを残しつつ十分な明るさを確保できます。
和室に合う照明の基本でも色温度について詳しく解説しているので、併せて確認してみてください。
ポイント2:光の高さと配置を意識する
おしゃれな空間に共通しているのは、光源の位置が考えられていることです。天井の真ん中にシーリングライト1台だけでは、部屋全体が均一に明るくなるものの、のっぺりとした印象になりがちです。
光の高さを変えることで、空間に奥行きと立体感が生まれます。たとえば、天井付近にペンダントライトを吊るし、床に近い位置にスタンドライトを置くと、上下で光の層ができて空間が豊かに見えます。壁面に間接照明を当てれば、陰影のコントラストが生まれ、和室の素材感がより際立ちます。
床座が基本の和室では、光源の高さは特に重要です。目線が低いぶん、フロアライトやローテーブルの上のキャンドル型ライトなど、座った状態での目線に合わせた照明が効果的に働きます。
ポイント3:多灯使いで陰影をつくる
おしゃれな和室照明の鍵は「多灯使い」にあります。メインの照明1台で部屋全体を明るくするのではなく、複数の照明を組み合わせることで、光と影のバランスを自在にコントロールできるようになります。
多灯使いの基本的な考え方は次の通りです。
- メイン照明は明るさを抑え、全体を柔らかく照らす
- アクセント照明で壁や床の間など見せたい場所を強調する
- タスク照明で読書や作業をする場所だけ手元を明るくする
たとえば、ペンダントライトで全体をほんのり照らし、床の間にスポットライトを当て、読書コーナーにスタンドライトを置くといった組み合わせです。3つの照明を使っていても、それぞれの役割が明確であれば散らかった印象にはなりません。
ポイント4:素材とデザインで和の雰囲気を活かす
照明器具そのものが和室のインテリアの一部になります。素材やデザインを和室の雰囲気に合わせることで、空間全体に統一感が生まれます。
和室に馴染みやすい素材は、和紙・木・竹・麻などの自然素材です。和紙シェードのペンダントライトは光を柔らかく拡散し、温かみのある雰囲気を演出できます。木枠の行灯型ライトも和室との相性が抜群です。
金属素材を取り入れる場合は、黒やブロンズなど落ち着いた色味を選ぶと和室に馴染みます。ゴールドやシルバーの輝きが強い素材は、モダンな印象を与えますが、畳や障子の素朴さとバランスを取りにくいことがあるため注意が必要です。
ポイント5:調光機能で時間帯に合わせる
和室を一日を通して快適に使うなら、調光機能は欠かせません。朝と夜では必要な明るさが異なり、用途によっても最適な光は変わります。
調光機能付きの照明があれば、昼間は明るめにして作業に集中し、夕方からは徐々に落として夕食やくつろぎの時間を演出し、就寝前はごく控えめな明かりで心身をリラックスさせるといった使い方ができます。
最近のLED照明には、調光だけでなく調色機能が付いたものも多くあります。同じ照明で昼白色から電球色まで切り替えられるため、1台で複数のシーンに対応できるのが大きなメリットです。リモコンやスマートフォンで操作できるタイプなら、布団に入ったまま消灯できるので寝室としての和室にも便利です。

種類別の選び方:ペンダント・間接照明・スタンドライト
照明の種類によって、得られる効果や設置方法が異なります。ここでは和室に適した3つの代表的な照明タイプについて、それぞれの特徴と選び方を解説します。
ペンダントライト
ペンダントライトは天井から吊り下げるタイプの照明で、和室の印象を最も手軽に変えられるアイテムです。シーリングライトから交換するだけで、空間のおしゃれ度が一気に上がります。
和室に合うペンダントライトを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
シェードの素材 和紙や布を使ったシェードは光を柔らかく拡散し、和室全体をやさしく包み込みます。ガラスシェードはシャープな印象で、和モダンスタイルに向いています。
サイズと吊り下げ高さ 6畳の和室なら直径30〜40cm程度が目安です。天井が低い和室では、吊り下げ高さに注意してください。座った状態で目線より上に光源がくるよう、コードの長さを調整しましょう。一般的には床から180cm以上の高さが推奨されます。
光の広がり方 上下に光が広がるタイプは天井面も照らすため、部屋を広く見せる効果があります。下方向だけに光が集中するタイプは、食卓やローテーブルの上に設置するのに適しています。
ペンダントライトとスタンドライトの比較も参考にして、自分の和室に合うタイプを見つけてください。
間接照明
間接照明とは、光を壁や天井に反射させて間接的に照らす方法です。直接光源が目に入らないため、まぶしさがなく、柔らかで上質な雰囲気を演出できます。和室との相性はとても良く、旅館のような落ち着いた空間をつくることができます。
テープライト(LEDテープ) 天井と壁の境目(廻り縁の裏)や、押入れの鴨居の下に貼り付けることで、建築化照明のような効果が得られます。工事不要で設置できるものも多く、賃貸でも導入しやすいのが利点です。
アッパーライト 床に置いて天井に向けて光を放つタイプの照明です。天井面が柔らかく照らされ、和室の天井板の木目が浮かび上がります。コーナーに1台置くだけで空間の雰囲気が変わります。
床の間の照明 床の間がある和室では、掛け軸や花を照らすスポット型の間接照明を設置すると、和室のフォーカルポイント(視線が集まる場所)が生まれます。ダウンライトを設置するには電気工事が必要ですが、クリップ式のスポットライトなら手軽に試せます。

スタンドライト(フロアライト)
スタンドライトは、コンセントに差すだけで使える最も手軽な照明です。工事も天井の配線器具も不要で、模様替え感覚で気軽に導入できます。
和風デザインのスタンドライト 和紙や竹を使った行灯(あんどん)型のスタンドライトは、和室の雰囲気にそのまま溶け込みます。畳の上に直接置いても違和感がなく、やわらかな光が足元から広がります。高さ30〜50cmほどの低いタイプは、床座の目線に合い、くつろぎの空間に最適です。
モダンなスタンドライト シンプルな金属フレームや布シェードのスタンドライトは、和モダンインテリアに合います。黒やダークブラウンのフレームなら、和室の木部の色に馴染みやすいでしょう。
配置のコツ 部屋の四隅やコーナーに置くと空間の広がりを感じやすくなります。また、壁際に置いて壁面を照らすことで、間接照明としての効果も得られます。複数のスタンドライトを異なる高さで配置すると、さらに立体感のある照明計画になります。
シーリングライトからの交換方法
多くの和室では、天井にシーリングライトが標準で取り付けられています。ここでは、シーリングライトからペンダントライトやダクトレールに交換する方法を解説します。
天井の配線器具を確認する
まず最初に行うのは、天井にどのタイプの配線器具が付いているかの確認です。国内の住宅では、主に以下の2種類が使われています。
- 引掛シーリング:薄い丸型または角型の配線器具。対応する照明をカチッと回して取り付けます。
- 引掛ローゼット:引掛シーリングにネジ穴付きの台座が加わったタイプ。重い照明器具も支えられます。
どちらの場合も、引掛シーリング対応のペンダントライトをそのまま取り付けることができます。ただし、器具の耐荷重を確認してください。引掛シーリングの場合は一般的に5kgまで、引掛ローゼットなら10kg程度まで対応しています。
シーリングライトの基本でも取り付けの仕組みを解説しているので、事前に確認しておくと安心です。
ペンダントライトへの交換手順
シーリングライトからペンダントライトへの交換は、基本的に工具不要で行えます。手順は以下の通りです。
- 照明のスイッチを切り、シーリングライトを取り外す
- 天井の配線器具に汚れやゆるみがないか確認する
- ペンダントライトの引掛プラグを配線器具に差し込み、時計回りに回してロックする
- コードの長さを調整し、シェードを取り付ける
- スイッチを入れて点灯を確認する
注意点として、ペンダントライトは真下を重点的に照らすため、シーリングライトのように部屋全体を均一に明るくすることはできません。部屋の隅が暗く感じる場合は、スタンドライトなどの補助照明を追加しましょう。
ダクトレールを活用する
1つの配線器具から複数の照明を吊り下げたい場合は、簡易取り付け型のダクトレールが便利です。引掛シーリングに取り付けるだけで、レール上の好きな位置にスポットライトやペンダントライトを複数設置できます。
ダクトレールの長さは一般的に1m〜1.5m程度で、レール1本あたり合計1500W(LED照明なら実質15〜20個程度)まで対応しています。カフェのような多灯使いを手軽に実現できるため、和モダンな空間づくりに重宝します。
ただし、天井との間にすき間ができるため、純和風の和室では少し違和感が出ることもあります。木目調やブラックのダクトレールを選ぶと目立ちにくくなります。

コーディネート例で見るおしゃれ和室照明
ここでは、照明を活用した和室コーディネートの具体例を2つ紹介します。和室の使い方アイデアも参考にしながら、理想の空間をイメージしてみてください。
和モダンスタイル
和の素材感を活かしつつ、現代的な洗練さを加えるのが和モダンスタイルです。照明計画は以下のようにまとめると統一感が出ます。
メイン照明 和紙シェードの丸型ペンダントライトを部屋の中央に1灯吊るします。直径40cm前後のものを選び、電球色のLED電球を入れます。和紙を通した光が部屋全体をやわらかく照らし、落ち着いた雰囲気を演出します。
アクセント照明 床の間にはクリップ式のスポットライトを設置し、掛け軸や一輪挿しを照らします。スポットの光が壁に陰影をつくり、空間に奥行きが生まれます。
補助照明 コーナーにブラックフレームの円筒型スタンドライトを配置します。壁面を照らすように角度を調整すると、間接照明の効果が得られます。
この組み合わせで使う電球はすべて電球色(2700K)に統一するのがコツです。異なる色温度の照明が混在すると、ちぐはぐな印象になってしまいます。
北欧和スタイル
北欧インテリアの要素を和室に取り入れるスタイルも近年人気を集めています。北欧デザインは木の温もりやシンプルな造形を大切にしているため、和室との親和性が意外と高いのが特徴です。
メイン照明 木とファブリック(布)を組み合わせたペンダントライトを選びます。北欧ブランドに多い、ランタン型やドーム型のシンプルなデザインが和室の直線的な空間によく合います。
アクセント照明 窓辺や棚の上にキャンドル型のLEDライトを2〜3個並べます。北欧インテリアの「ヒュッゲ」(居心地の良さ)の精神を取り入れた演出です。
補助照明 木脚のフロアスタンドをソファやクッションの横に配置します。リネンや綿のシェードは和紙に近い質感があり、和室にも自然に馴染みます。
北欧和スタイルでは、温白色(3500K)をメインにすると、和室の温かみと北欧の明るさを両立できます。

和室向け照明タイプ比較表
照明のタイプ選びに迷ったら、以下の比較表を参考にしてください。設置のしやすさ、おしゃれ度、対応する部屋の広さなどを一覧で確認できます。
| 照明タイプ | 設置のしやすさ | おしゃれ度 | 明るさ(部屋全体) | 費用目安 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| シーリングライト | とても簡単 | 普通 | 高い | 5,000〜20,000円 | メイン照明・全体照明 |
| ペンダントライト | 簡単 | 高い | 中程度 | 3,000〜30,000円 | メイン照明・食卓上 |
| 間接照明(テープライト) | やや手間 | とても高い | 低い | 2,000〜8,000円 | 雰囲気づくり・壁面演出 |
| スタンドライト | とても簡単 | 高い | 低い〜中程度 | 3,000〜20,000円 | 補助照明・読書灯 |
| ダクトレール+スポット | 簡単 | とても高い | 中程度〜高い | 5,000〜25,000円 | 多灯使い・カフェ風 |
| アッパーライト | とても簡単 | 高い | 低い | 3,000〜15,000円 | 間接照明・コーナー演出 |
ポイントは、1種類だけで完結させようとしないことです。メイン照明で全体をカバーしつつ、アクセントや補助の照明を加える組み合わせが、おしゃれな和室照明の基本パターンになります。
また、費用面では、スタンドライトやテープライトは比較的手頃な価格から始められます。まずは1台追加してみて、効果を確認してから照明計画全体を見直すのも賢い方法です。
よくある質問
Q. 和室の照明をおしゃれにする一番簡単な方法は?
スタンドライトを1台追加するのが最も手軽な方法です。コンセントに差すだけで使え、工事も道具も不要です。電球色のスタンドライトを部屋のコーナーに置き、メインの天井照明を少し暗くするだけで、和室の雰囲気がぐっとおしゃれになります。初期費用も3,000円程度から始められます。
Q. 賃貸の和室でもペンダントライトに交換できますか?
はい、多くの場合交換可能です。天井に引掛シーリングまたは引掛ローゼットが付いていれば、工事なしでペンダントライトを取り付けられます。退去時に元のシーリングライトに戻せるよう、取り外した照明は保管しておきましょう。ダクトレールも引掛シーリング対応のものなら賃貸でも使えます。
Q. 和室にダウンライトを後付けすることはできますか?
ダウンライトの後付けには天井に穴を開ける電気工事が必要で、費用は1箇所あたり15,000〜25,000円程度が目安です。賃貸住宅では基本的に設置できません。代替として、工事不要のアッパーライトやテープライトを使えば、ダウンライトに近い間接照明の効果を得ることができます。
Q. 6畳の和室に照明は何個くらい必要ですか?
おしゃれな雰囲気をつくるなら、2〜3個の照明を組み合わせるのがおすすめです。メイン照明(ペンダントライトまたはシーリングライト)1台に加え、スタンドライトや間接照明を1〜2台足すとバランスが取れます。ただし、明るさだけを重視するなら、調光機能付きのシーリングライト1台でも十分対応できます。
Q. 和室に合う照明の色温度は何ケルビンがおすすめですか?
和室には電球色の2700〜3000Kが最もおすすめです。畳や木の素材感を美しく見せ、リラックスした雰囲気を演出できます。読書や作業もする部屋なら、調色機能付きの照明を選んで温白色(3500K)に切り替えられるようにしておくと便利です。昼白色(5000K)は和室にはやや事務的な印象になるため、メイン照明には避けたほうが無難です。
和紙シェードのペンダントライトは、畳の部屋に温かみのある光を演出します。
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まとめ
和室をおしゃれに見せる照明選びでは、色温度・光の配置・多灯使い・素材選び・調光機能の5つのポイントを意識することが大切です。
とくに効果が大きいのは、電球色への切り替えと多灯使いの導入です。天井のシーリングライトだけに頼らず、ペンダントライト・スタンドライト・間接照明を組み合わせることで、光と影の陰影が生まれ、和室の素材感が際立つ空間になります。
交換作業も難しくありません。天井に引掛シーリングがあれば工具なしでペンダントライトに交換でき、スタンドライトはコンセントに差すだけで導入できます。まずは1台の照明を追加することから始めてみてください。
和室インテリアの基本や和室に合う照明の選び方も参考に、畳の部屋ならではの心地よい光の空間を実現しましょう。