「和室を洋室っぽく変えたいけど、業者に頼むと何十万円もかかる」「賃貸だからリフォームは無理だと思っている」という方は多いのではないでしょうか。
実は、和室から洋室への模様替えはDIYで段階的に進められます。畳の上にクッションフロアを敷く、壁紙シールを貼り替える、ふすまをリメイクする、照明を交換する。この4つのステップを順番にこなせば、業者に依頼しなくても和室の印象を大きく変えることが可能です。しかも、すべてのステップを実施しても費用は6畳間で4万円から9万円程度に収まるケースがほとんどです。
この記事では、和室を洋室風にDIYで変える具体的な手順を、ステップごとに詳しく解説します。賃貸住宅でも原状回復できるやり方も紹介するので、初めてのセルフリフォームでも安心して取り組めるはずです。和室リフォームの費用相場や賃貸の和室を活用するアイデアもあわせて確認してみてください。
DIY洋室化の全体像|4つのステップで進める
和室を洋室風に変えるDIYは、次の4つのステップで構成されます。順番どおりに進めると、作業効率がよく、仕上がりもきれいになります。
ステップ1:床を変える 畳の上にクッションフロアやウッドカーペットを敷いて、フローリング風の床にします。部屋の印象を最も大きく左右するのが床なので、ここから始めるのが基本です。
ステップ2:壁を変える 砂壁や繊維壁の上から壁紙シールを貼って、洋室らしい白い壁やアクセントウォールをつくります。床を先に仕上げておけば、壁紙を貼るときに畳を汚す心配がありません。
ステップ3:建具を変える ふすまや障子をリメイクして、洋風の雰囲気に近づけます。壁紙シールを貼る、取っ手を交換するなどの方法があり、大がかりな工事は不要です。
ステップ4:照明と小物で仕上げる 和風のシーリングライトを洋風のものに交換し、カーテンや家具を洋室向けのものに変えて全体の統一感を出します。
この4ステップすべてを行う必要はありません。床だけ変える、壁だけ変えるなど、予算や手間に応じて段階的に進められるのがDIYの大きなメリットです。和室をフローリングに変える方法では、床に特化した詳しい手順を紹介しています。
ステップ1:床をフローリング風に変える
床は部屋に入ったとき最初に目に入る面積の広い部分です。畳をフローリング風に変えるだけで、和室の印象は劇的に変わります。DIYで使える主な床材は、クッションフロアとウッドカーペットの2種類です。
クッションフロア(CF)を敷く
クッションフロアは塩化ビニール製のシート状床材で、木目調や石目調などデザインが豊富です。厚さは1.8mm程度と薄く、カッターで簡単にカットできます。
6畳分のクッションフロアは5,000円から10,000円程度で購入できます。両面テープで畳の上に仮固定するだけなので、賃貸でも原状回復が容易です。ただし、畳の上に長期間敷いたままにするとカビが発生する可能性があるため、定期的にめくって換気することが大切です。
施工の手順は次のとおりです。まず部屋の寸法を測り、クッションフロアを部屋より5cm程度大きめにカットします。次に、部屋の中央から広げて位置を合わせ、壁際をカッターで丁寧に切り落とします。最後に、ずれ防止のために端を両面テープで固定すれば完成です。
ウッドカーペットを敷く
ウッドカーペットは薄い板材を布やシートでつないだロール状の床材です。本物の木を使っているため、クッションフロアより質感が上で、踏み心地も硬めでフローリングに近い感覚があります。
6畳用で15,000円から30,000円程度と、クッションフロアよりは高額ですが、見た目の満足度は高くなります。重量があるため、敷くだけでずれにくく、両面テープも不要なケースが多い点もメリットです。
どちらの床材を選ぶにしても、畳の上に敷く前に畳をしっかり掃除し、十分に乾燥させることが重要です。湿気がこもるとダニやカビの原因になります。

ステップ2:壁紙シールで壁を洋室風にする
床を変えたら、次は壁です。和室の壁は砂壁や繊維壁(じゅらく壁)であることが多く、これを洋室風の壁紙に変えるだけで雰囲気が大きく変わります。
壁紙シールの選び方
DIYで使いやすいのは、裏面がシールになっている壁紙(リメイクシート)です。のり付けの手間がなく、貼って剥がせるタイプを選べば賃貸でも使えます。
色はホワイトやライトグレーを選ぶと洋室らしさが出やすく、部屋も広く見えます。アクセントウォールとして1面だけレンガ調やコンクリート調にするのも効果的です。和室に合う壁紙の選び方で、色や柄の選び方を詳しく解説しているので参考にしてください。
壁紙シールの価格は、幅45cmのロール(10m巻き)で1,500円から3,000円程度です。6畳の壁全面を貼り替える場合は3本から4本必要になるため、費用は6,000円から12,000円程度が目安です。
壁紙シールの貼り方
砂壁や繊維壁に直接壁紙シールを貼ると、壁の凹凸が目立ったり、剥がすときに壁材が一緒に剥がれたりする場合があります。対策として、まずマスキングテープを壁全面に格子状に貼り、その上から壁紙シールを貼る方法がおすすめです。この方法なら壁に直接シールが触れないため、原状回復もしやすくなります。
貼る手順としては、天井側から下に向かって少しずつ裏紙を剥がしながら、スキージー(ヘラ)で空気を押し出すように貼り進めます。2枚目以降は、柄が合うように1cm程度重ねて貼り、重なった部分をカッターで切り落とすときれいなつなぎ目になります。
一人でも作業は可能ですが、幅の広いシートを扱う場合は二人で作業すると仕上がりが格段に良くなります。
ステップ3:ふすまと障子を洋風にリメイクする
床と壁を変えても、ふすまや障子がそのままだと和室感が残ります。建具のリメイクは、DIY洋室化の仕上げとして重要なポイントです。
ふすまのリメイク方法
ふすまを洋風に変える最も手軽な方法は、壁紙シールを貼ることです。壁に使ったものと同じシールを貼れば統一感が出ます。木目調のシールを貼れば、一見すると洋室の引き戸のように見えます。
さらに、ふすまの引き手(取っ手)をモダンなデザインのものに交換すると、洋室感がぐっと増します。引き手はホームセンターやネット通販で500円から2,000円程度で購入でき、ドライバー1本で交換可能です。ふすまリメイクの詳しい手順も参考にしてください。
障子の対処法
障子は、障子紙を外してプラスチックダンボール(プラダン)や半透明のアクリル板に交換する方法があります。光を取り込みながらも和風の格子がモダンに見えるようになります。
もう一つの方法として、障子の格子部分にベニヤ板を貼り、その上から壁紙シールを貼る方法もあります。格子が完全に隠れるため、洋室の壁のような見た目になります。ただし、この方法は障子戸が重くなるため、レールの滑りが悪くなることがある点に注意してください。

ステップ4:照明と小物で洋室の雰囲気を仕上げる
床、壁、建具を変えたら、最後に照明と小物を整えます。このステップは費用も手間もかかりませんが、部屋の完成度を大きく左右します。
照明の交換
和室に多い丸型のシーリングライトや和紙の照明を、洋室向けのシーリングライトやペンダントライトに交換します。天井に引掛シーリングがあれば、電気工事なしで交換できます。
LEDシーリングライトは6畳用で3,000円から8,000円程度で購入できます。光の色を電球色から昼白色まで調整できる調色タイプを選ぶと、時間帯や用途に応じて雰囲気を変えられます。
間接照明を追加するのも効果的です。フロアランプやテーブルランプを部屋の隅に置くだけで、洋室らしい奥行きのある空間になります。
カーテンと家具の見直し
障子やふすまの代わりにカーテンを取り付けると、洋室感がさらに強まります。突っ張り棒タイプのカーテンレールを使えば、壁に穴を開けずに設置可能です。
家具は、脚付きのテーブルやソファを置くと洋室らしさが増します。ただし、畳の上にクッションフロアを敷いた場合、重い家具の脚の跡が畳に残ることがあります。家具の脚の下にフェルトパッドや板を敷いて荷重を分散させましょう。
賃貸でも安心|原状回復できるDIY術
賃貸住宅では、退去時に原状回復が求められます。和室の洋室化DIYでも、正しいやり方を選べば原状回復は十分に可能です。
床の原状回復
クッションフロアやウッドカーペットは、畳の上に敷いているだけなので、撤去すれば元の状態に戻ります。ただし、両面テープを畳に直接貼ると、剥がすときに畳表が傷むことがあります。畳の上にまず養生テープを貼り、その上から両面テープを貼る方法で対策しましょう。
また、長期間クッションフロアを敷いたままにすると、畳に湿気がこもってカビが生えるリスクがあります。月に1回程度はめくって換気し、畳の状態を確認することをおすすめします。
壁の原状回復
壁紙シールは「貼って剥がせるタイプ」を必ず選んでください。砂壁に直接貼ると、剥がすときに砂壁の表面ごと剥がれてしまう危険があります。前述のとおり、マスキングテープで下地をつくってから壁紙シールを貼る方法が安全です。
建具の原状回復
ふすまに壁紙シールを貼る場合も、下地にマスキングテープを使えば剥がせます。引き手を交換した場合は、元の引き手を保管しておき、退去時に戻せるようにしておきましょう。
賃貸の和室を活用するアイデアでは、原状回復を前提とした和室の使い方を詳しく紹介しているので、あわせて確認してみてください。

DIYステップ別の費用比較表
和室の洋室化DIYにかかる費用を、ステップごとにまとめました。6畳間を想定した目安です。業者にリフォームを依頼した場合の費用も併記しているので、比較の参考にしてください。
| ステップ | DIYの内容 | DIY費用目安(6畳) | 業者依頼の費用目安 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 床(クッションフロア) | 畳の上にCFシートを敷く | 5,000〜10,000円 | 80,000〜150,000円 | 低い |
| 床(ウッドカーペット) | 畳の上にウッドカーペットを敷く | 15,000〜30,000円 | – | 低い |
| 壁(壁紙シール) | 壁全面に壁紙シールを貼る | 6,000〜12,000円 | 60,000〜120,000円 | 中程度 |
| 建具(ふすまリメイク) | 壁紙シール+引き手交換 | 3,000〜8,000円(1枚) | 15,000〜30,000円(1枚) | 中程度 |
| 建具(障子リメイク) | プラダン交換またはベニヤ貼り | 2,000〜5,000円(1枚) | 10,000〜20,000円(1枚) | 中程度 |
| 照明 | シーリングライト交換 | 3,000〜8,000円 | 10,000〜20,000円 | 低い |
| 小物 | カーテン・ラグなど | 5,000〜15,000円 | – | – |
| 合計(目安) | 全ステップ実施 | 約40,000〜90,000円 | 約200,000〜500,000円 |
DIYなら業者依頼の5分の1から3分の1程度の費用で済むことがわかります。ただし、DIYでは仕上がりの精度が業者に比べて劣る場合があります。特に壁紙のつなぎ目処理や建具の調整は、経験のある業者のほうがきれいに仕上がります。
費用を最小限に抑えたい場合は、床のクッションフロアと照明交換だけでも十分な変化が得られます。この2つだけなら10,000円前後で実施可能です。和室リフォーム全体の費用感も把握しておくと、DIYと業者依頼のどちらが自分に合っているか判断しやすくなります。
よくある質問
Q. 畳の上にクッションフロアを敷くとカビが生えませんか?
畳は調湿機能を持っていますが、クッションフロアで覆うと湿気の逃げ場がなくなり、カビが発生するリスクがあります。対策として、クッションフロアの下に除湿シートを敷く、月に1回程度めくって換気する、部屋の換気をこまめに行うといった方法が有効です。梅雨時期や冬場の結露が多い時期は特に注意してください。
Q. 砂壁に壁紙シールを直接貼っても大丈夫ですか?
砂壁に壁紙シールを直接貼ると、砂が剥がれてシールがうまく密着しないことがあります。また、剥がすときに砂壁の表面が一緒に剥がれるリスクもあります。砂壁の場合は、まず全面にマスキングテープを格子状に貼り、その上から壁紙シールを貼る方法が安全です。壁紙選びのポイントもあわせて確認してください。
Q. ふすまを洋風の引き戸に交換することはできますか?
ふすまを完全に取り外して洋風の引き戸に交換すること自体は可能ですが、DIYとしてはハードルが高くなります。ふすまの枠(鴨居と敷居)のサイズに合う引き戸を見つける必要があり、サイズが合わない場合は枠の加工が必要です。まずは壁紙シールと引き手交換によるリメイクを試し、それでも満足できない場合に引き戸交換を検討するのが現実的です。
Q. DIYの洋室化と業者リフォームでは仕上がりにどんな違いがありますか?
最も大きな違いは耐久性と精度です。DIYのクッションフロアは敷いているだけなので端がめくれることがありますが、業者によるフローリング施工は畳を撤去して下地から作り直すため、本物のフローリングと変わらない仕上がりになります。壁紙も業者施工のほうがつなぎ目が目立ちにくく、長持ちします。一方、DIYは費用が大幅に安く、気に入らなければやり直しがきくという利点があります。
Q. 和室の洋室化DIYにはどのくらいの時間がかかりますか?
作業に慣れていない方の場合、床のクッションフロア敷きで半日、壁紙シール貼りで1日から2日、ふすまリメイクで半日、照明交換で30分程度が目安です。全ステップを通して行う場合は、週末を2回から3回使って段階的に進めるのが無理のないスケジュールです。一気にやろうとすると疲れから作業が雑になりやすいので、焦らず進めることをおすすめします。
まとめ
和室から洋室へのDIYは、床、壁、建具、照明の4ステップで進めるのが基本です。すべてを実施しても6畳間で4万円から9万円程度に収まり、業者に依頼する場合の5分の1ほどの費用で和室の印象を大きく変えられます。
特に効果が大きいのは床の変更です。クッションフロアを敷くだけなら5,000円から10,000円程度で済み、作業も半日で完了します。まずは床から始めて、余裕があれば壁や建具にもチャレンジしてみてください。
賃貸住宅の場合は、原状回復できることを最優先に考え、貼って剥がせる壁紙シール、畳の上に敷くだけの床材、マスキングテープを下地にした施工方法を選ぶことが大切です。
段階的に進められるのがDIYの最大の強みです。一度に完成させる必要はないので、まずはできるところから手をつけてみてはいかがでしょうか。和室をフローリングにする方法やふすまリメイクの詳細手順も参考に、自分のペースで和室の洋室化を進めていきましょう。