「ふすまが古くなって部屋全体がくすんで見える」「和室の雰囲気を変えたいけど、リフォームは費用がかかりすぎる」と感じている方は少なくないでしょう。

実は、ふすまをリメイクするだけで和室の印象は驚くほど変わります。壁紙シールを貼ったり、取っ手(引き手)を交換したりするだけなら、1枚あたり数千円の費用で済み、半日もあれば作業が完了します。賃貸住宅でも原状回復できる方法があるので、DIY初心者の方でも気軽に挑戦できます。

この記事では、ふすまリメイクの具体的な方法を手順つきで詳しく解説します。和室リフォームの費用相場賃貸の和室を活用する方法もあわせて参考にしてください。

ふすまを変えるだけで部屋が変わる理由

ふすまは和室の中でも面積が大きく、視界に入りやすいパーツです。6畳の和室であれば、ふすまの面積は壁面全体の3分の1近くを占めることもあります。そのため、ふすまの色や柄を変えるだけで、部屋全体の雰囲気が一気に変わります。

特に築年数が経った和室では、ふすまの日焼けや黄ばみが目立ちやすく、それだけで部屋が古びた印象になってしまいます。逆に言えば、ふすまさえきれいにすれば、畳や壁がそのままでも和室全体が明るくなるということです。

和室の各部分の名称を把握しておくと、リメイクの計画が立てやすくなります。ふすまだけでなく、天井の種類と特徴シーリングライトの選び方と組み合わせると、さらに大きな変化を感じられるでしょう。

ふすまリメイクの方法3選

ふすまをリメイクする方法は、大きく分けて3つあります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った方法を選びましょう。

壁紙シール(リメイクシート)を貼る

最も手軽で人気のある方法です。裏面がシールになっている壁紙を、ふすまの表面に直接貼ります。100円ショップやホームセンターで手に入り、種類も豊富です。ただし、100円ショップのリメイクシートは1枚あたり約45cm×90cmと小さいため、ふすま1枚に対して複数枚が必要になり、つなぎ目が目立ちやすい点には注意してください。

貼って剥がせるタイプを選べば、賃貸住宅でも原状回復が可能です。木目調、レンガ調、コンクリート調など、和室を洋風にアレンジしたい方にも向いています。

のりで壁紙を貼る

本格的な仕上がりを求めるなら、のり付きの壁紙をふすまに貼る方法があります。壁紙シールよりも選べるデザインの幅が広く、質感も本物に近い仕上がりになります。

ただし、のりを使う分だけ作業の難易度は上がります。乾燥時間も必要なので、作業には丸1日程度みておくとよいでしょう。賃貸の場合は、のりの種類によっては原状回復が難しくなるため注意が必要です。

ペイント(塗装)する

ふすまに直接ペンキを塗る方法です。無地の色に統一したい場合や、黒板塗料を使ってカフェ風にしたい場合に適しています。

ペイントは一度塗ると元に戻すことが難しいため、賃貸住宅には基本的に向きません。持ち家で大胆なイメージチェンジをしたい方向けの方法です。下地処理をしないと塗料がうまく乗らないことがあるので、シーラー(下塗り材)の使用が必須です。

A flat lay of fusuma remake supplies neatly arranged on a wooden table, including peel-and-stick wal

壁紙シールでのリメイク手順

ここでは、最も手軽で失敗しにくい壁紙シール(リメイクシート)を使ったリメイク方法を詳しく解説します。

準備するもの

作業を始める前に、以下の道具を揃えておきましょう。

  • 壁紙シール(ふすまの面積+余裕分)
  • カッターナイフ(新しい刃に交換しておく)
  • カッティングマットまたは定規
  • スキージー(ヘラ)またはタオル
  • マスキングテープ
  • メジャー
  • 鉛筆

ふすまのサイズは一般的に高さ約180cm、幅約90cmですが、物件によって異なります。必ず事前に採寸して、必要な壁紙の量を計算してください。柄合わせが必要なデザインの場合は、余裕をもって10〜15%多めに用意するのがおすすめです。

貼り方の手順

手順1:ふすまを外して横に寝かせる ふすまをレールから外し、床に寝かせて作業します。立てたまま貼ると、シールの重みでずれやすくなります。床が汚れないよう、新聞紙やブルーシートを敷いておきましょう。

手順2:表面を拭いて汚れを落とす ふすまの表面についたほこりや汚れを、固く絞った雑巾で拭き取ります。汚れが残っていると壁紙シールの粘着力が落ちるため、丁寧に掃除してください。拭いたあとは完全に乾かします。

手順3:上端から少しずつ貼っていく 壁紙シールの裏紙を10cmほど剥がし、ふすまの上端に合わせて貼り始めます。一気に剥がすのではなく、少しずつ裏紙を剥がしながら、スキージーで空気を押し出すように貼り進めます。

手順4:空気を抜きながら下へ進む 中央から外側に向かってスキージーを動かし、空気が入らないように押さえます。気泡が入ってしまった場合は、針で小さな穴を開けて空気を逃がすことができます。

手順5:余分な部分をカットする ふすまの枠(縁)に沿って、カッターナイフで余分な壁紙をカットします。定規を当てながら切ると、まっすぐきれいに仕上がります。刃は常に切れ味の良い状態にしておくことがポイントです。

手順6:引き手部分を処理する 引き手の部分は、壁紙を上から貼ったあとにカッターで切り込みを入れて処理します。丸い引き手の場合は、中心に十字の切り込みを入れてから、縁に沿って丸くカットすると仕上がりがきれいです。

失敗しないためのコツ

壁紙シールを貼る際に最も多い失敗は「気泡が入る」「シワができる」の2つです。これを防ぐために、以下の点を意識してください。

  • 室温が15〜25度の環境で作業する(寒すぎるとシールの粘着力が落ちる)
  • 裏紙は一度に全部剥がさず、10〜15cmずつ少しずつ剥がす
  • スキージーは45度の角度で、中央から外側へ動かす
  • 2人で作業すると、大きなふすまでもずれにくい
Close-up of hands applying adhesive wallpaper sheet onto a traditional Japanese fusuma door laid fla

取っ手(引き手)の交換方法

壁紙を変えなくても、取っ手(引き手)を交換するだけで印象が変わります。引き手はホームセンターやオンラインショップで1個数百円から購入できるため、最も手軽なリメイク方法のひとつです。

引き手の種類

ふすまの引き手には、大きく分けて以下の種類があります。

  • 丸型:最も一般的な形状。木製や金属製がある
  • 長方形型:モダンなデザインに向いている
  • 掘り込み型:ふすまの表面に埋め込まれたタイプ
  • アンティーク型:真鍮や銅など、レトロな雰囲気を演出できる

和モダンな雰囲気にしたいなら、黒やダークブラウンの金属製引き手がおすすめです。北欧風にしたいなら、木製の丸い引き手が合います。

交換手順

引き手の交換は、以下の手順で行います。

  1. 古い引き手の周囲にカッターで薄く切り込みを入れる
  2. マイナスドライバーなどで引き手をそっと外す
  3. 穴のサイズに合う新しい引き手を用意する
  4. 新しい引き手をはめ込み、接着剤で固定する(賃貸の場合は両面テープで固定する方法もあります)

既存の穴のサイズと新しい引き手のサイズが合わない場合は、専用の引き手プレート(台座)を使うことで対応できます。穴を広げる必要がある場合は、キリやドリルを使いますが、慣れていない方は無理せず専門業者に依頼することをおすすめします。

賃貸でもできるリメイク術

賃貸住宅に住んでいる方にとって、気になるのは「原状回復できるかどうか」という点でしょう。ここでは、退去時に元に戻せるリメイク方法を紹介します。

貼って剥がせる壁紙シールを選ぶ

壁紙シールの中には「貼って剥がせるタイプ」があります。これを使えば、退去時にきれいに剥がすことが可能です。購入時に「賃貸OK」「貼って剥がせる」と明記されている商品を選びましょう。

ただし、長期間貼りっぱなしにすると粘着力が強くなり、剥がしにくくなることがあります。2〜3年を目安に、状態を確認しておくと安心です。

マスキングテープを下地に使う

通常の壁紙シール(剥がせないタイプ)でも、ふすまの表面にあらかじめマスキングテープを格子状に貼り、その上から壁紙シールを貼ることで原状回復が可能になります。

この方法のメリットは、使える壁紙の選択肢が広がることです。ただし、マスキングテープの上に貼る分、粘着力がやや弱くなるため、端が剥がれやすいという注意点があります。気になる場合は、四辺をマスキングテープで追加固定してください。なお、ふすまの素材によっては表面を傷める場合があるため、目立たない場所でテストしてください。

原状回復のためのチェックポイント

賃貸でふすまをリメイクする際は、以下の点に注意しましょう。

  • 作業前にふすまの状態を写真で記録しておく
  • 取っ手を交換する場合は、元の取っ手を保管しておく
  • 管理会社や大家にDIYの許可を事前に確認する
  • ふすまの木枠には壁紙を貼らない(剥がすときに傷がつきやすい)

賃貸の和室を活用する方法では、ふすま以外の部分も含めた賃貸和室の活用術を紹介しています。

リメイク方法の比較

ここまで紹介した3つのリメイク方法を、費用・難易度・原状回復のしやすさで比較します。自分の状況に合った方法を選ぶ参考にしてください。

項目 壁紙シール のり貼り壁紙 ペイント(塗装)
費用(1枚あたり) 1,000〜3,000円 2,000〜5,000円 3,000〜6,000円
作業時間(1枚) 30分〜1時間 1〜2時間 半日〜2日(乾燥込み)
難易度 初心者向け 中級者向け 中級〜上級者向け
原状回復 剥がせるタイプなら可能 難しい(のりの種類による) 不可
仕上がりの質感 やや人工的 自然な質感 マットで均一
デザインの選択肢 豊富 非常に豊富 色のみ(単色・グラデーション)
賃貸での使用 おすすめ 条件付きで可能 不可
耐久性 2〜5年 5〜10年 5〜10年

費用を抑えて手軽にリメイクしたいなら壁紙シール、本格的な仕上がりを求めるならのり貼り壁紙、大胆なイメージチェンジをしたいならペイントがおすすめです。賃貸住宅の場合は、壁紙シール一択と考えてよいでしょう。

A comparison arrangement showing three fusuma door panels side by side. Left panel has peel-and-stic

柄・デザインの選び方

ふすまのリメイクで最も悩むのが、どんな柄やデザインを選ぶかという点です。部屋の雰囲気に合わせた選び方のコツを紹介します。

和モダンスタイル

畳や木の家具をそのまま活かしつつ、現代的な要素を取り入れたいなら和モダンスタイルがおすすめです。

  • 濃紺・墨色の無地:畳の緑と相性が良く、落ち着いた高級感が出る
  • 麻の葉・市松模様:伝統柄をモダンにアレンジしたデザイン
  • 和紙風テクスチャー:さりげない変化でありながら上品な印象になる

和室をモダンにする方法では、ふすま以外のインテリアも含めた和モダンの作り方を解説しています。

北欧風スタイル

和室を北欧風にアレンジしたい場合は、以下のようなデザインが合います。

  • 白やライトグレーの無地:部屋全体が明るくなり、北欧家具とも相性が良い
  • ボタニカル柄:植物モチーフのデザインで自然な雰囲気を演出
  • 幾何学模様:シンプルながらアクセントになるパターン

ナチュラル・カフェ風スタイル

温かみのある空間を作りたいなら、ナチュラルテイストのデザインがおすすめです。

  • 木目調:明るいオーク調やウォールナット調で洋室のような印象に
  • レンガ調:カフェ風のカジュアルな雰囲気に変わる
  • リネン風・布目調:ナチュラルで落ち着いた印象になる

柄選びで失敗しないポイント

デザインを選ぶ際は、以下の点を意識すると失敗しにくくなります。

  • 床(畳やフローリング)の色との相性を確認する
  • サンプルを取り寄せて、実際の光の下で色味を確認する
  • 大柄よりも小柄や無地のほうが飽きにくく、家具とも合わせやすい
  • 部屋を広く見せたいなら明るい色、落ち着かせたいなら暗めの色を選ぶ
  • 2枚以上のふすまがある場合は、すべて同じデザインで統一するのが基本

よくある質問

Q. ふすまリメイクの費用はどのくらいかかりますか?

壁紙シールを使う場合、ふすま1枚あたり1,000〜3,000円程度が目安です。100円ショップのリメイクシートを使えばさらに安く済みますが、品質や耐久性は下がります。取っ手の交換は1個あたり300〜2,000円程度です。のり貼り壁紙やペイントの場合は、材料費に加えて道具代もかかるため、1枚あたり3,000〜6,000円程度を見込んでおきましょう。本格的なリフォームとして業者に依頼する場合の費用は和室リフォームの費用相場で詳しく解説しています。

Q. 賃貸でふすまリメイクをしても大丈夫ですか?

貼って剥がせるタイプの壁紙シールを使えば、賃貸でも原状回復が可能です。ただし、事前に管理会社や大家に確認を取ることをおすすめします。また、マスキングテープを下地にする方法なら、通常の壁紙シールでも原状回復できます。ペイントや通常ののり貼りは原状回復が難しいため、賃貸では避けるべきです。

Q. ふすまの種類によってリメイクできないことはありますか?

一般的な本ふすま(木の骨組みに和紙を貼ったもの)と、量産ふすま(段ボールや発泡スチロールの芯材に紙を貼ったもの)のどちらでもリメイクは可能です。ただし、表面に大きな凹凸がある場合や、破れがひどい場合は、壁紙シールがうまく貼れないことがあります。その場合は、先に補修テープやパテで表面を平らにしてから作業してください。戸ぶすま(板戸にふすま紙を貼ったもの)も同様にリメイクできます。

Q. リメイクシートが剥がれてきたらどうすればいいですか?

端から剥がれてくる場合は、壁紙用の補修のりや両面テープで再接着できます。全体的に粘着力が落ちている場合は、貼り替え時期と考えてよいでしょう。壁紙シールの寿命は環境にもよりますが、おおむね2〜5年程度です。湿気の多い部屋や直射日光が当たる場所では劣化が早くなるため、和室の使い方の工夫も参考に、環境を整えておくとリメイクシートの持ちが良くなります。

Q. ふすまリメイクにかかる時間はどのくらいですか?

壁紙シールを貼る方法であれば、ふすま1枚あたり30分〜1時間程度が目安です。初めての作業の場合は、もう少し時間がかかることもあります。2枚のふすまをリメイクする場合でも、半日あれば十分完了できるでしょう。のり貼りの場合は乾燥時間を含めて丸1日、ペイントの場合は下塗りと上塗りの乾燥時間を含めて1〜2日程度かかります。

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ふすま用のリメイクシートは通販で柄やサイズを比較して選べます。

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この記事を書いた人

田中 由美(たなか ゆみ)
家庭菜園アドバイザー / 畳と家庭菜園のある暮らし研究家

自宅の庭で10年以上家庭菜園を実践し、年間20種類以上の野菜を育てています。最初は「次に何を植えればいいかわからない」状態でしたが、年間カレンダーを作ってからは、1年中収穫が途切れない菜園ライフを楽しめるようになりました。菜園教室では500人以上の方の年間計画づくりをサポートしてきました。

まとめ

ふすまリメイクは、和室の印象を手軽に変えられるDIYです。この記事のポイントを振り返りましょう。

  • ふすまは和室の中で面積が大きいため、変えるだけで部屋全体の印象が大きく変わる
  • リメイク方法は「壁紙シール」「のり貼り壁紙」「ペイント」の3種類があり、初心者には壁紙シールがおすすめ
  • 壁紙シールは1枚あたり1,000〜3,000円程度で、30分〜1時間で作業が完了する
  • 取っ手(引き手)の交換だけでも印象は変わり、1個数百円から実施できる
  • 賃貸住宅では「貼って剥がせるタイプ」の壁紙シールを使うか、マスキングテープを下地にすれば原状回復が可能
  • 柄選びは床の色との相性を確認し、サンプルで実際の色味を確かめてから決めると失敗しにくい
  • 作業前にふすまの状態を写真で記録しておくと、特に賃貸の場合は退去時に安心

ふすまリメイクは、和室の雰囲気を変えたいときに最も手軽に始められるDIYのひとつです。まずは1枚だけ試してみて、仕上がりを確認してから残りのふすまに取りかかるとよいでしょう。和室の良さを活かしながら、自分好みの空間づくりを楽しんでください。