賃貸の和室は、原状回復を意識しながらおしゃれに活用できます。
「賃貸の和室をどう使えばいいかわからない」「畳を傷めずにおしゃれにしたい」という悩みは多くの方が感じています。賃貸住宅では退去時の原状回復が求められるため、和室の扱いに慎重になりがちです。しかし、ポイントを押さえれば、畳を傷めずに和室を快適でおしゃれな空間に変えることができます。
この記事では、賃貸の和室を活用する方法を詳しく解説します。和室インテリアの基本と併せて、賃貸ならではの和室活用術を身につけましょう。
賃貸和室のメリット・デメリット
まずは賃貸で和室がある物件のメリットとデメリットを整理しておきましょう。特徴を理解することで、和室を上手に活用できるようになります。
賃貸和室のメリット
家賃が比較的安い 和室がある物件は、全室洋室の物件に比べて家賃が安い傾向があります。特に築年数が古い物件では、和室の有無で家賃に差が出ることが多いです。
クッション性があり体に優しい 畳はフローリングに比べてクッション性があり、座ったり寝転んだりしても体が痛くなりにくいです。床に直接座る生活スタイルなら、畳の方が快適に過ごせます。
調湿・断熱効果がある 畳には湿気を吸収・放出する調湿作用があり、夏は涼しく冬は暖かく感じます。い草の香りにはリラックス効果もあるとされています。
賃貸和室のデメリット
家具の跡がつきやすい 畳は柔らかいため、重い家具を置くとへこみや跡がつきやすいです。退去時に補修費用を請求される可能性があるため、注意が必要です。
掃除に気を使う 畳は水拭きができないため、掃除方法が限られます。ダニやカビが発生しやすいため、定期的な換気と掃除が必要です。
洋風のインテリアが合わせにくい 畳の部屋に洋風の家具を置くと、雰囲気が合わないことがあります。インテリアの選び方に工夫が必要です。
畳を傷めない対策
賃貸の和室では、退去時の原状回復を考えて畳を傷めない対策が重要です。
家具の下に保護材を敷く
家具を置く場所には、必ず保護材を敷きましょう。フェルトシール、コルクマット、い草マットなどが使えます。特に脚のある家具は、脚の下にフェルトを貼るか、専用の脚カバーを付けると畳を保護できます。
ベッドや大型家具を置く場合は、家具の下全体にマットを敷くと安心です。通気性のある素材を選べば、カビの発生も防げます。
定期的に家具の位置を変える
同じ場所に長期間家具を置くと、畳に跡がつきやすくなります。半年〜1年に一度は家具の位置を少しずらして、畳への負担を分散させましょう。
完全に移動させなくても、数センチずらすだけでも効果があります。掃除のついでに行う習慣をつけると良いでしょう。
重い家具は避ける
可能であれば、和室には重い家具を置かないのがベストです。軽量の家具を選ぶか、折りたたみ式の家具を使えば、畳への負担を最小限に抑えられます。
どうしても重い家具を置く場合は、脚の底面が広いものを選び、荷重を分散させましょう。
カーペット・ラグの注意点
畳の上に全面カーペットを敷くのは避けた方が良いです。通気性が悪くなり、カビやダニの原因になります。敷く場合は、通気性のある薄手のラグやい草マットを選び、定期的に上げて換気しましょう。

おしゃれなインテリアのコツ
賃貸の和室でも、工夫次第でおしゃれな空間を作れます。原状回復を考慮しながら、畳の部屋を素敵に演出するコツを紹介します。
和モダンスタイルを目指す
和室を活かすなら、和モダンスタイルがおすすめです。畳や障子といった和の要素を残しながら、シンプルでモダンな家具を合わせます。木製のローテーブル、布製の座椅子、籐のバスケットなど、自然素材の家具を選ぶと和室に馴染みます。
色は落ち着いたトーンでまとめましょう。ベージュ、ブラウン、グレー、深緑などが畳と相性が良いです。
北欧×和のミックススタイル
北欧インテリアと和室の相性は抜群です。シンプルで機能的な北欧デザインは、和室の美意識と共通点が多くあります。北欧デザインの照明や椅子、ファブリックを取り入れると、モダンでおしゃれな空間になります。
明るい木目の家具と、アクセントカラーのクッションを組み合わせると、北欧和モダンの完成です。
観葉植物を取り入れる
観葉植物は、和室のインテリアに生命感を加えてくれます。畳のグリーンと観葉植物のグリーンが調和し、自然な雰囲気が生まれます。
大きな観葉植物を1〜2鉢置くか、小さな植物を棚に並べるなど、好みのスタイルで取り入れましょう。鉢カバーは籐や木製のものを選ぶと、和室によく合います。
照明で雰囲気を変える
照明を変えるだけで、和室の印象は大きく変わります。備え付けの蛍光灯をLEDシーリングライトに交換したり、間接照明を追加したりするだけで、おしゃれな空間になります。
電球色(オレンジがかった温かい光)を選ぶと、和室の雰囲気が引き立ちます。和紙を使ったペンダントライトやスタンドライトもおすすめです。
用途別のレイアウト例
和室の使い方に合わせたレイアウト例を紹介します。
寝室として使う
和室を寝室にする場合、布団を敷いて寝るのが最もシンプルな使い方です。畳の上に直接布団を敷けば、フローリングのように冷たくなく、快適に眠れます。
ベッドを置く場合は、畳への影響を考慮しましょう。すのこベッドやローベッドなど、畳に優しいタイプを選び、脚の下には保護材を敷きます。和室にベッドを置く方法も参考にしてください。
寝室レイアウトのポイント – 布団は毎日上げて畳を乾燥させる – ベッドは軽量・ロータイプを選ぶ – サイドテーブルは小さめのものを
リビングとして使う
和室をリビングとして使う場合は、座卓やローテーブルを中心にレイアウトします。テレビを置く場合は、低めのテレビ台を選ぶか、壁掛けにすると圧迫感がありません。
座椅子やクッションを複数用意すれば、家族や友人と過ごす空間になります。折りたたみ式の家具を使えば、普段は広々と使えます。
リビングレイアウトのポイント – テーブルは部屋の中央に – 収納は壁際にまとめる – 床面を多く見せてすっきりと
仕事部屋・書斎として使う
在宅ワークが増えた今、和室を仕事部屋にする方も増えています。座卓とパソコンで簡易的なワークスペースを作れますが、長時間の作業には座椅子や低いデスクがあると楽です。
畳に座って作業すると、リラックスしすぎて集中できないという人は、高座椅子と高めの机を組み合わせる方法もあります。
仕事部屋レイアウトのポイント – 窓に向かってデスクを配置(自然光を活用) – コード類は見えないように処理 – 書類や小物は籐のかごで整理
子ども部屋として使う
和室は子ども部屋にも向いています。畳はフローリングより柔らかいため、転んでも衝撃を吸収してくれます。床に座って遊ぶ子どもにとって、畳の肌触りは心地よいものです。
おもちゃや絵本は、低い収納棚や籐のバスケットに収納すると、子どもでも片付けやすくなります。
子ども部屋レイアウトのポイント – 角のある家具は避ける – 収納は子どもの手が届く高さに – プレイマットを敷いて畳を保護

原状回復できるDIYアイデア
賃貸でも原状回復できるDIYで、和室をカスタマイズする方法を紹介します。
突っ張り棒・突っ張り棚を活用
突っ張り棒や突っ張り棚は、壁に穴を開けずに収納スペースを増やせる便利アイテムです。押入れの中はもちろん、部屋の隅や窓際にも設置できます。
突っ張り式のパーテーションを使えば、空間を仕切ったり、写真や小物を飾ったりすることもできます。
置くだけフロアタイル
畳の上に置くだけで敷けるフロアタイルやウッドカーペットを使えば、和室を洋室風に変えることもできます。退去時は剥がして畳に戻せるため、原状回復も問題ありません。
ただし、畳の通気性が悪くなるため、定期的に上げて換気することが大切です。
剥がせる壁紙・マスキングテープ
壁の印象を変えたい場合は、剥がせるタイプの壁紙やマスキングテープが使えます。柱や押入れの枠にマスキングテープを貼ってアクセントにしたり、壁の一部に剥がせる壁紙を貼ったりできます。
退去時に綺麗に剥がせるタイプを選び、貼る前に目立たない場所でテストしてから使いましょう。
カーテン・ロールスクリーンの活用
押入れの襖を外してカーテンやロールスクリーンに変えると、印象が大きく変わります。襖は保管しておいて、退去時に戻せばOKです。
窓の障子も同様に、一時的に外してカーテンやブラインドに変えることができます。外した襖や障子は、押入れの奥などに保管しておきましょう。
退去時に気をつけること
賃貸の和室では、退去時の原状回復費用が気になるところです。退去前に確認しておくべきポイントを紹介します。
畳の通常損耗と特別損耗
畳の日焼けや経年劣化は「通常損耗」とされ、原則として借主の負担にはなりません。しかし、タバコの焦げ跡、飲み物をこぼしたシミ、家具によるへこみなどは「特別損耗」として、補修費用を請求される可能性があります。
入居時に畳の状態を写真に撮っておくと、退去時のトラブル防止になります。
補修費用の目安
畳の張り替え費用は、1枚あたり4,000〜10,000円程度が相場です。表替え(畳表だけ交換)なら3,000〜7,000円程度です。全面的な損傷がある場合は、この費用が請求される可能性があります。
契約書や重要事項説明書を確認して、畳の扱いに関する特約がないかチェックしておきましょう。
退去前のセルフチェック
退去前に、以下のポイントをセルフチェックしましょう。
- 畳に目立つへこみや跡がないか
- シミや汚れがないか
- カビが発生していないか
- 壁や柱に傷や汚れがないか
軽微な汚れは、退去前に掃除しておくと印象が良くなります。ただし、無理に修復しようとして悪化させないよう注意しましょう。
よくある質問
Q. 賃貸の和室にベッドを置いて良い?
置けます。ただし、畳を傷めないよう対策が必要です。ベッドの脚の下に保護材を敷く、すのこベッドやローベッドなど畳に優しいタイプを選ぶ、定期的にベッドの位置をずらすなどの工夫をしましょう。布団で寝る方が畳への負担は少ないですが、毎日上げ下ろしするのが面倒なら、ベッドも選択肢です。
Q. 和室の畳の上に全面ラグを敷いて良い?
おすすめしません。通気性が悪くなり、カビやダニの原因になります。どうしても敷きたい場合は、通気性のある薄手のものを選び、週に1回は上げて換気しましょう。部分的にラグを敷く程度なら問題ありません。
Q. 賃貸の和室を洋室風にするには?
置くだけフロアタイルやウッドカーペットを畳の上に敷く方法があります。退去時は剥がして元に戻せるため、原状回復も可能です。ただし、畳の通気性が悪くなるため、定期的に上げて換気することが必要です。完全に洋室化するなら、大家さんにリフォームの相談をするのも一つの方法です。
Q. 畳にカビが生えたらどうする?
軽度のカビなら、消毒用アルコールを含ませた布で拭き取れる場合があります。その後、よく乾燥させましょう。広範囲に広がっている場合や、畳自体が傷んでいる場合は、大家さんや管理会社に連絡して対応を相談してください。自己判断で対処すると、かえって状態が悪化することがあります。
Q. 退去時に畳の交換費用は必ず払う?
必ずしも払う必要はありません。通常の使用による経年劣化は「通常損耗」として、原則借主の負担にはなりません。ただし、契約書に特約がある場合や、特別な損傷がある場合は費用を請求されることがあります。入居時の契約内容を確認しておきましょう。
Q. 賃貸の和室で避けた方が良いことは?
畳を傷める行為は避けましょう。具体的には、重い家具を保護材なしで置く、畳の上でキャスター付きの椅子を使う、飲み物や食べ物をこぼしたまま放置する、換気をせずに湿気をためるなどです。日常的なケアを心がければ、退去時のトラブルを防げます。
この記事を書いた人
田中 由美(たなか ゆみ)
家庭菜園アドバイザー / 畳と家庭菜園のある暮らし研究家自宅の庭で10年以上家庭菜園を実践し、年間20種類以上の野菜を育てています。最初は「次に何を植えればいいかわからない」状態でしたが、年間カレンダーを作ってからは、1年中収穫が途切れない菜園ライフを楽しめるようになりました。菜園教室では500人以上の方の年間計画づくりをサポートしてきました。
まとめ
賃貸の和室は、原状回復を意識しながら快適に活用できます。
畳を傷めない対策 – 家具の下に保護材(フェルト・マット)を敷く – 定期的に家具の位置を変える – 重い家具は避け、軽量なものを選ぶ
おしゃれなインテリアのコツ – 和モダンスタイル:木製・自然素材の家具 – 北欧×和のミックス:シンプルで機能的 – 観葉植物と照明で雰囲気アップ
用途別レイアウト – 寝室:布団または畳に優しいベッド – リビング:座卓中心のレイアウト – 仕事部屋:窓際にデスク配置
退去時の注意 – 入居時に畳の状態を写真で記録 – 通常損耗と特別損耗の違いを理解 – 退去前にセルフチェック
和室インテリアの基本や和室に合う家具の選び方も参考に、賃貸の和室を素敵な空間に変えましょう。