和室の畳をフローリングに変えたいというニーズは年々増えています。洋風の家具を置きやすくなる、掃除がしやすくなる、ダニやカビのリスクを軽減できるなど、フローリング化にはさまざまなメリットがあります。
一方で、「費用はどれくらいかかるのか」「賃貸でも可能なのか」「DIYで失敗しないか」といった不安を抱える方も少なくありません。実際のところ、和室をフローリングに変える方法は一つではなく、予算・技術レベル・住居の条件によって最適な手段が異なります。
本記事では、業者への依頼、DIYでの施工、賃貸向けのウッドカーペットという3つの方法を軸に、それぞれの費用相場、施工手順、メリットとデメリットを詳しく解説します。6畳や8畳など具体的な広さごとの費用目安や、断熱・防音・湿気対策といった見落としがちなポイントも網羅しているので、ぜひ最後までご覧ください。
和室のインテリアや活用方法の基本については、和室インテリアの基本もあわせて参考にしてください。
和室をフローリングにする3つの方法
和室の畳をフローリングに変える方法は、大きく分けて以下の3つです。それぞれの特徴を理解したうえで、自分の状況に合った方法を選びましょう。
方法1:リフォーム業者に依頼する
もっとも確実で仕上がりが美しいのが、専門業者に依頼する方法です。畳を撤去してから下地を調整し、フローリング材を張っていくため、段差の解消や断熱処理なども含めてプロの技術で対応してもらえます。
費用は高くなりますが、耐久性や仕上がりの品質を重視する方、持ち家で長く住む予定の方にはもっともおすすめの選択肢です。
方法2:DIYでフローリング材を施工する
ホームセンターやネット通販で購入できるフローリング材を使い、自分で施工する方法です。近年はクリック式(はめ込み式)のフローリング材が普及しており、釘やボンドを使わずに施工できる製品もあります。
材料費のみで済むため費用を大幅に抑えられますが、下地処理や段差調整など一定の技術と道具が必要になります。
方法3:ウッドカーペット・置くだけフローリングを敷く
畳の上にそのまま敷くだけで見た目をフローリングに変えられるのが、ウッドカーペットや置くだけフローリングです。工事が不要で、賃貸住宅でも原状回復が容易なため、手軽にイメージチェンジしたい方に人気があります。
ただし、畳との間に湿気がこもりやすいというデメリットがあるため、通気性の確保やカビ対策が重要になります。
それぞれの方法について、以下のセクションで詳しく解説していきます。

業者に依頼する場合の流れと費用相場
施工の流れ
リフォーム業者に和室のフローリング化を依頼する場合、一般的には以下のような流れで進みます。
- 現地調査・見積もり — 業者が部屋の状態を確認し、下地の状況や段差の有無をチェックして見積もりを作成します。
- 畳の撤去 — 既存の畳を取り外します。畳の処分費用が別途かかる場合もあります。
- 下地の調整 — 畳を撤去すると、畳の厚み分(約40〜55mm)の段差が生じます。根太(ねだ)を組んで合板を張り、フローリング材を施工するための平らな下地を作ります。
- 断熱材・防音材の設置 — 必要に応じて、下地の間に断熱材やグラスウールなどの防音材を入れます。
- フローリング材の施工 — 選んだフローリング材を張っていきます。無垢材、複合フローリング、シートフローリングなど種類によって費用が変わります。
- 巾木・見切り材の取り付け — 壁との境目に巾木を設置し、隣室との段差がある場合は見切り材で処理します。
工期は6畳の場合で1〜2日、8畳で2〜3日程度が目安です。
費用相場(6畳・8畳別)
業者に依頼した場合の費用相場は以下のとおりです。フローリング材のグレードによって幅があります。
6畳の場合 – 複合フローリング(スタンダード):9万〜15万円 – 複合フローリング(高グレード):15万〜20万円 – 無垢フローリング:18万〜25万円
8畳の場合 – 複合フローリング(スタンダード):12万〜20万円 – 複合フローリング(高グレード):20万〜27万円 – 無垢フローリング:24万〜33万円
上記に加えて、畳の処分費(5,000〜1万円程度)、下地調整費、巾木の交換費用などが別途かかることがあります。見積もりの際には、総額でいくらになるのかを必ず確認しましょう。
リフォーム全体の費用感を把握したい方は、和室リフォーム費用の相場まとめで詳しく解説しています。
業者選びのポイント
業者を選ぶ際は、以下の点を意識してください。
- 複数社から相見積もりを取る — 最低でも2〜3社から見積もりを取り、内容を比較しましょう。
- 施工実績を確認する — 和室からフローリングへの変更実績が豊富な業者を選ぶと安心です。
- 保証内容を確認する — 施工後の不具合に対する保証期間や対応範囲を事前に確認しておきましょう。
- 下地処理の内容を確認する — 断熱材や防音材の施工が見積もりに含まれているかどうかをチェックしてください。
DIYで畳をフローリングにする手順
費用を抑えたい方にとって、DIYでのフローリング化は魅力的な選択肢です。ここでは基本的な施工手順を解説します。
必要な道具と材料
- フローリング材(クリック式がDIY向き)
- 根太用の角材(30mm角や45mm角)
- 構造用合板(12mm厚)
- 断熱材(スタイロフォームなど)
- 防湿シート
- 電動丸ノコまたはジグソー
- インパクトドライバー
- メジャー、差し金、水平器
- ゴムハンマー
- 木工用ボンド、ビス
施工手順
ステップ1:畳を撤去する
畳を持ち上げて撤去します。畳は自治体の粗大ごみとして処分できる場合が多いですが、事前に確認しておきましょう。畳の下の状態を確認し、湿気やカビが見られる場合は乾燥させてから次の工程に進みます。
ステップ2:下地を清掃・確認する
畳を外した後の下地(荒床)を掃除し、腐食やシロアリの被害がないか確認します。問題がある場合は、その部分の補修を先に行う必要があります。
ステップ3:防湿シートを敷く
湿気の上昇を防ぐために、防湿シートを下地全体に敷きます。シートの端は壁際で少し立ち上げ、重なり部分は10cm以上取りましょう。
ステップ4:根太を組む
303mm間隔で根太を配置し、水平器で水平を確認しながらビスで固定します。このとき、根太の間に断熱材(スタイロフォーム)を隙間なくはめ込みます。
ステップ5:合板を張る
根太の上に構造用合板をビスで固定します。合板同士の継ぎ目は根太の上に来るようにし、隙間は2〜3mm程度あけておくと膨張による浮きを防げます。
ステップ6:フローリング材を施工する
部屋の長手方向に沿ってフローリング材を張っていきます。壁際には膨張を考慮して5mm程度の隙間をあけましょう。クリック式の場合は、隣の列の材をはめ込んでゴムハンマーで軽く叩いて密着させます。
ステップ7:巾木を取り付ける
壁際の隙間を隠すために巾木を取り付けて完成です。

DIYの費用目安
DIYの場合、材料費のみで済むため大幅にコストダウンできます。
6畳の場合 – フローリング材:2万〜5万円 – 根太・合板・断熱材:1万〜2万円 – その他材料(防湿シート、ビス、ボンド等):3,000〜5,000円 – 合計:約3万5,000〜7万5,000円
8畳の場合 – フローリング材:3万〜7万円 – 根太・合板・断熱材:1万5,000〜3万円 – その他材料:3,000〜5,000円 – 合計:約4万8,000〜10万5,000円
ただし、電動工具を持っていない場合は工具の購入費やレンタル費が加わります。ホームセンターの工具レンタルサービスを利用すれば、1日数百円から借りられる場合もあるので活用しましょう。
和室を洋室に全面リフォームする場合の詳細は、和室を洋室にリフォームする方法と費用で解説しています。
賃貸向けウッドカーペット・置くだけフローリング
賃貸住宅に住んでいる場合、畳を撤去するような工事は原則として行えません。そこで活用したいのが、畳の上にそのまま敷けるウッドカーペットや置くだけフローリングです。
ウッドカーペットとは
ウッドカーペットは、薄い木材(または木目調のシート)を布やフェルトの裏地に貼り合わせた敷物です。丸めて運べるロールタイプと、パネルを組み合わせるタイプがあります。
メリット – 畳の上にそのまま敷くだけで施工完了 – 原状回復が容易で賃貸でも安心 – 1万〜3万円程度と比較的安価 – 不要になったら丸めて収納・処分できる
デメリット – 畳との間に湿気がこもりやすい – 重い家具を置くと跡がつきやすい – 本物の無垢材と比べると質感に差がある – 端の処理が甘いとめくれることがある
置くだけフローリングとは
置くだけフローリングは、接着剤や釘を使わずに床に置くだけで施工できるフローリング材です。裏面に滑り止め加工が施されており、タイルのように1枚ずつ敷き詰めていきます。
メリット – 1枚ずつ敷けるので部分的な交換が可能 – ウッドカーペットよりも本格的な見た目 – カッターでカットできる製品もあり加工が容易 – 汚れた部分だけ交換できる
デメリット – ウッドカーペットより費用がやや高い(6畳で2万〜5万円程度) – 畳の凹凸を拾いやすく、仕上がりに影響することがある – 重歩行には不向きな製品もある
選び方のポイント
ウッドカーペットや置くだけフローリングを選ぶ際は、以下の点をチェックしましょう。
- 厚み — 薄すぎると畳の目が透けて見えたり、歩行感が悪くなります。4mm以上の厚みがあるものを選びましょう。
- 裏面素材 — フェルト裏地のものは畳を傷つけにくく、防音効果もあります。
- 抗菌・防カビ加工 — 畳との間に湿気がこもりやすいため、抗菌・防カビ加工が施された製品がおすすめです。
- サイズ展開 — 6畳用、8畳用など部屋のサイズに合ったものを選びましょう。江戸間と団地間ではサイズが異なるので注意が必要です。
賃貸での和室活用についてさらに詳しく知りたい方は、賃貸の和室を上手に活用する方法もご覧ください。

費用・難易度・原状回復の比較表
3つの方法を一覧で比較すると以下のとおりです。
| 比較項目 | 業者に依頼 | DIY施工 | ウッドカーペット・置くだけフローリング |
|---|---|---|---|
| 6畳の費用目安 | 9万〜25万円 | 3万5,000〜7万5,000円 | 1万〜5万円 |
| 8畳の費用目安 | 12万〜33万円 | 4万8,000〜10万5,000円 | 1万5,000〜7万円 |
| 工期 | 1〜3日 | 2〜5日(初心者の場合) | 数時間 |
| 難易度 | 不要(業者任せ) | 中〜高(工具・技術が必要) | 低(敷くだけ) |
| 仕上がりの品質 | 高い | 技術次第 | 中程度 |
| 耐久性 | 高い(10〜20年以上) | 施工精度による | 低〜中(3〜7年程度) |
| 原状回復 | 不可 | 不可 | 可能 |
| 賃貸での可否 | 不可(許可が必要) | 不可(許可が必要) | 可能 |
| 断熱性 | 高い(断熱材施工可能) | 施工次第 | 低い |
| 防音性 | 高い(防音材施工可能) | 施工次第 | 低い |
持ち家で長期的に住む予定であれば業者への依頼が安心です。費用を抑えたい持ち家の方にはDIYが適しています。賃貸住宅の場合は、原状回復が可能なウッドカーペットや置くだけフローリングが現実的な選択肢となるでしょう。
失敗しないための注意点
和室をフローリングに変える際に見落としがちなポイントを3つ解説します。これらを事前に把握しておくことで、施工後のトラブルを防げます。
断熱対策を怠らない
畳は厚みがあるため、それ自体に高い断熱性があります。畳を撤去してフローリングにすると、冬場に足元が冷えやすくなるケースが少なくありません。
業者に依頼する場合は、根太の間にスタイロフォームやグラスウールなどの断熱材を入れてもらいましょう。DIYの場合も同様に、根太間に断熱材をはめ込む工程を省略しないことが大切です。
ウッドカーペットの場合は、畳が断熱層の役割を果たすためこの問題は発生しにくいですが、畳自体の劣化には注意が必要です。
防音対策を忘れない
畳はクッション性があり、フローリングと比べて遮音性に優れています。特にマンションの場合、フローリング化によって階下への音の伝わり方が変わることがあります。
マンションでリフォームする場合は、管理規約で定められた遮音等級(LL-45(ΔLL(I)-4相当)やLL-40など)を満たすフローリング材を選ぶ必要があります。防音マットを下地に敷く方法も有効です。
DIYの場合も、合板の下に防音シートを挟むなどの工夫をしましょう。
湿気・カビ対策を徹底する
和室はもともと湿気が多い場所に設けられていることがあり、畳が調湿機能を果たしていた側面があります。フローリングに変更した後も、湿気対策は引き続き重要です。
特にウッドカーペットや置くだけフローリングの場合、畳との間に湿気がこもりやすく、カビの原因になります。定期的にカーペットを持ち上げて換気する、除湿シートを間に挟むなどの対策を行いましょう。
業者やDIYで本格的にフローリング化する場合は、防湿シートの施工が必須です。床下からの湿気を遮断することで、フローリング材の反りや腐食を防げます。
湿気やカビへの対策については、和室の湿気・カビ対策でさらに詳しく解説しています。
よくある質問
Q. 和室のフローリング化にかかる期間はどれくらいですか?
業者に依頼する場合、6畳で1〜2日、8畳で2〜3日程度が一般的です。DIYの場合は作業に慣れていない方で週末2〜3回分(延べ2〜5日)を見込んでおくとよいでしょう。ウッドカーペットや置くだけフローリングは数時間で完了します。
Q. 賃貸の和室でもフローリングにできますか?
畳を撤去する工事は大家さんの許可が必要ですが、ウッドカーペットや置くだけフローリングであれば畳の上に敷くだけなので、多くの賃貸住宅で問題なく使用できます。退去時にそのまま撤去すれば原状回復も容易です。ただし、念のため事前に管理会社や大家さんに確認しておくと安心です。
Q. 畳の上に直接フローリング材を張ることはできますか?
技術的には可能ですが、おすすめしません。畳は柔らかく凹凸があるため、その上に直接フローリング材を張ると、歩行時にたわみが生じたり、接合部が外れやすくなったりします。また、畳が湿気を吸収してカビが発生するリスクもあります。本格的にフローリング化するなら、畳を撤去して下地から施工するのが基本です。
ウッドカーペットなら畳の上に敷くだけでフローリング風の部屋に変えられます。
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Q. 無垢フローリングと複合フローリング、どちらがおすすめですか?
それぞれにメリットがあります。無垢フローリングは天然木ならではの質感と経年変化を楽しめますが、価格が高く、反りや伸縮が起きやすいためメンテナンスが必要です。複合フローリングは寸法安定性に優れ、価格も手頃で、床暖房にも対応できる製品が多いのが特徴です。和室からの変更であれば、コストと扱いやすさのバランスが取れた複合フローリングを選ぶ方が多い傾向にあります。
Q. フローリング化で固定資産税は変わりますか?
一般的に、和室をフローリングに変えただけで固定資産税が変わることはほとんどありません。ただし、和室を洋室に全面リフォームして部屋の用途や構造が大きく変わる場合には、評価額に影響する可能性がゼロではありません。大規模なリフォームを行う場合は、事前に自治体の窓口に確認しておくと安心です。
この記事を書いた人
田中 由美(たなか ゆみ)
家庭菜園アドバイザー / 畳と家庭菜園のある暮らし研究家自宅の庭で10年以上家庭菜園を実践し、年間20種類以上の野菜を育てています。最初は「次に何を植えればいいかわからない」状態でしたが、年間カレンダーを作ってからは、1年中収穫が途切れない菜園ライフを楽しめるようになりました。菜園教室では500人以上の方の年間計画づくりをサポートしてきました。
まとめ
和室をフローリングにする方法は、業者への依頼、DIY施工、ウッドカーペット・置くだけフローリングの3つに大きく分かれます。
持ち家で長期的に住む予定があり、仕上がりの品質や耐久性を重視するなら業者への依頼がもっとも確実です。6畳で9万〜25万円、8畳で12万〜33万円の費用がかかりますが、断熱や防音も含めてトータルで対応してもらえます。
費用を抑えたい持ち家の方にはDIYが有力な選択肢です。6畳で3万5,000〜7万5,000円程度に収められますが、根太組みや下地調整など一定の技術と道具が必要です。初めてのDIYで不安がある方は、まず小さな範囲で練習してから本番に臨むとよいでしょう。
賃貸住宅の方には、畳の上に敷くだけのウッドカーペットや置くだけフローリングがおすすめです。1万〜5万円程度で手軽にイメージチェンジでき、退去時の原状回復も問題ありません。ただし、湿気やカビの対策には十分注意してください。
いずれの方法でも、断熱・防音・湿気対策は見落としがちなポイントです。特にマンションでの施工は管理規約の確認が必須となります。事前の情報収集と計画をしっかり行い、満足のいくフローリング化を実現しましょう。
和室の活用方法や和室ならではの良さについても知りたい方は、和室インテリアの基本や和室を洋室にリフォームする方法と費用もあわせてご覧ください。