和室で過ごしていると、隣の部屋や外からの音が気になることはありませんか。ふすまや障子は洋室のドアや壁に比べて薄いため、音が通りやすい構造になっています。

特にテレワークや楽器の練習、小さなお子さんのいる家庭では「和室の音漏れをなんとかしたい」という悩みが増えています。しかし、賃貸住宅では大がかりなリフォームは難しく、原状回復できる範囲で工夫する必要があります。

この記事では、和室の音漏れが発生しやすい場所を整理した上で、賃貸でも実践できる防音対策を具体的に解説します。費用の目安や目的別のおすすめ対策もまとめているので、自分に合った方法を見つけてください。

和室で音漏れしやすい場所とその理由

防音対策を始める前に、まずは和室のどこから音が漏れているのかを把握しましょう。原因がわかれば、対策の優先順位がつけやすくなります。

ふすま

和室の音漏れで最も大きな原因になるのがふすまです。ふすまは木の骨組みに紙を貼った構造で、厚さはわずか2〜3cm程度しかありません。洋室の扉と比べると、遮音性はほとんどないといっても過言ではありません。

隣の部屋との仕切りがふすまだけの場合、通常の会話レベルの声でも隣室にはっきり聞こえてしまいます。

障子

障子もふすまと同様に、薄い和紙を木枠に貼っただけの構造です。窓側に障子がある場合、外部からの騒音を遮る効果はほとんど期待できません。光を柔らかく取り込む機能は優れていますが、防音の面では弱点になります。

窓自体は洋室と同じ構造ですが、和室は築年数が古い物件に多いため、サッシの気密性が低いケースがよく見られます。窓枠の隙間から音が侵入しやすく、特に道路沿いの部屋では車の走行音が気になることがあります。

天井・壁

和室の天井は薄い板を張っただけのものが多く、上階からの足音や振動が伝わりやすい傾向があります。壁も洋室に比べて薄いことがあり、隣室や隣戸からの生活音が筒抜けになる場合もあります。

ふすま・障子の防音対策

ふすまと障子は和室の音漏れの最大の原因です。ここを対策するだけでも、体感できるレベルで防音効果が得られます。

防音シートを貼る

最も手軽で効果の高い方法が、ふすまの表面に防音シートを貼ることです。

おすすめの防音シート – 遮音シート(厚さ1.2〜2mm):ゴム系・樹脂系素材で音を遮断 – 吸音シート(厚さ5〜10mm):ウレタンやフェルト素材で音を吸収 – 遮音+吸音の複合タイプ:両方の効果を兼ね備える

貼り方のポイント – ふすまの表面全体を覆うように貼る – 隙間ができないよう端までしっかり貼る – 賃貸の場合はマスキングテープで下地を作ってから両面テープで固定 – 重さに注意(重すぎるとふすまが歪む可能性あり)

遮音シートだけでは音が跳ね返るだけなので、吸音材と組み合わせると効果的です。予算に余裕があれば、遮音シートの上に吸音材を重ねて貼る方法がベストです。

防音カーテンをふすまの前に吊るす

ふすまに直接手を加えたくない場合は、ふすまの前に防音カーテンを吊るす方法があります。

取り付け方法 – 突っ張り式のカーテンレールを鴨居に引っ掛けるタイプや左右の壁に突っ張るタイプを使用 – ふすまとの間に5〜10cmの空気層を設ける – 床まで届く丈にして隙間を減らす

空気層があることで防音効果が高まります。見た目はカーテンで隠れるため、ふすまの和室感を残しつつ防音できるのもメリットです。

障子の対策

障子が窓側にある場合は、障子だけで防音するのは限界があります。和室にカーテンを取り付ける方法と組み合わせて、障子の手前に防音カーテンを設置するのが現実的な対策です。

障子を外して保管し、代わりに防音カーテンやハニカムスクリーンを設置する方法もあります。賃貸の場合は、外した障子を傷つけないよう保管しておきましょう。

A Japanese fusuma sliding door with a layered soundproofing setup visible from the side: masking tap

畳・床の防音対策

畳は洋室のフローリングに比べてクッション性があるため、足音や物を落としたときの衝撃音はもともと抑えやすい素材です。しかし、階下への音が気になる場合や、さらに防音性を高めたい場合は追加の対策が有効です。

防音マットを敷く

畳の上に防音マットを敷くことで、階下への振動を軽減できます。

おすすめの防音マット – ジョイントマット(EVA素材):安価で手軽、厚さ1〜2cm – 防音専用マット(ゴム系素材):高い遮音性能、厚さ5mm〜1cm – コルクマット:自然素材で和室に馴染みやすい

注意点 – 畳の上に長期間敷きっぱなしにするとカビの原因になる – 定期的にマットを外して畳を乾燥させる – 通気性の良い素材を選ぶ

防音ラグ・カーペットを敷く

防音マットの上にラグやカーペットを重ねると、さらに効果が高まります。厚手のウールラグや防音機能付きのカーペットを選ぶと、見た目も良く防音性能も確保できます。

和室のインテリアコーディネートに合わせて、落ち着いた色味のものを選ぶと和室の雰囲気を損ないません。

窓の防音対策

窓からの騒音が気になる場合は、以下の対策を検討しましょう。

防音カーテンを取り付ける

窓の防音対策として最も手軽なのが防音カーテンです。

選び方のポイント – 遮音等級が明記されているものを選ぶ – 窓より上下左右とも10cm以上大きいサイズにする – リターン仕様(カーテンの端を壁側に折り返す)にするとさらに効果的 – 裏地付きの重い生地ほど遮音性が高い

一般的な防音カーテンで約3〜8dB程度の遮音効果が期待できます。これは「うるさい」と感じる音が「やや気になる」程度に軽減されるイメージです。

隙間テープで気密性を高める

窓サッシの隙間から音が入ってくる場合は、隙間テープが効果的です。

貼る場所 – サッシの合わせ目(召し合わせ部分) – サッシと窓枠の隙間 – 引き違い窓のレール部分

100円ショップでも購入でき、貼るだけで完了するため、最もコストパフォーマンスの良い対策です。

窓用防音ボードを設置する

窓を完全にふさいでも構わない場合は、窓枠にはめ込むタイプの防音ボードが高い効果を発揮します。透明なアクリルタイプなら光を取り込みながら遮音できます。取り外し可能なので賃貸でも使えます。

A Japanese tatami room with a window showing layered soundproofing: gap-sealing tape on the sash, he

防音対策の費用と効果の比較

各防音対策の費用と効果を比較表にまとめました。予算や目的に合わせて組み合わせを検討してください。

対策 費用の目安 遮音効果 施工の手軽さ 原状回復
隙間テープ 100〜500円 低い とても簡単 可能
防音カーテン(窓用) 5,000〜15,000円 中程度 簡単 可能
ジョイントマット 3,000〜8,000円 低〜中 簡単 可能
防音専用マット 8,000〜20,000円 中〜高 簡単 可能
遮音シート(ふすま用) 3,000〜10,000円 中程度 やや手間 工夫が必要
吸音材(ふすま用) 5,000〜15,000円 中〜高 やや手間 工夫が必要
防音ボード(窓用) 10,000〜30,000円 高い やや手間 可能
防音カーテン(ふすま前) 8,000〜20,000円 中程度 簡単 可能

費用対効果で見ると、まず隙間テープで気密性を高め、次にふすまの防音シート、そして防音カーテンという順番で対策するのがおすすめです。すべてを組み合わせても2〜4万円程度で済むケースが多いです。

目的別おすすめ対策

防音対策は「何の音を防ぎたいのか」によって最適な方法が変わります。目的に合わせた対策を選びましょう。

テレワーク・リモート会議

テレワークでは自分の声が外に漏れないこと、そして外部の音がマイクに入らないことの両方が重要です。

優先すべき対策 – ふすまへの遮音シート+吸音材の貼り付け – デスク周りに吸音パネルを立てる – 防音カーテンで窓からの騒音を遮断

追加の工夫 – マイクの指向性を活用して周囲の音を拾いにくくする – ふすま側にデスクを置かない配置にする – 和室で使う椅子の選び方を選ぶことも大切

楽器の練習

楽器の防音は最も難易度が高く、本格的に対策する必要があります。

おすすめの対策 – ふすまへの遮音シート+吸音材の二重貼り – 窓に防音ボードを設置 – 床に防音専用マットを敷く – 壁にも吸音パネルを設置

注意点 – ピアノやドラムなどの振動が大きい楽器は、賃貸での対策には限界がある – 電子楽器でヘッドフォンを使う方が現実的な場合も – マンションの場合は管理規約を確認すること

A Japanese tatami room converted into a music practice space. Acoustic foam panels mounted on the wa

子供部屋として使う場合

子供の声や足音が気になる場合は、振動対策を中心に考えましょう。

おすすめの対策 – 畳の上にジョイントマットを敷く(クッション性も向上) – ふすまの前に防音カーテンを設置 – 窓に隙間テープを貼る

ポイント – 子供が安全に遊べる柔らかい素材を選ぶ – 汚れても掃除しやすいものにする – 畳のカビ対策として定期的に換気する

子供の足音は振動として階下に伝わるため、防音マットの厚みがあるものほど効果的です。EVA素材のジョイントマットなら、1枚あたり2cm程度の厚みのものを選ぶと安心です。

よくある質問

Q. 賃貸の和室でもふすまに防音シートを貼って大丈夫?

直接貼ると原状回復が難しくなるため、工夫が必要です。まずふすまの表面にマスキングテープを格子状に貼り、その上から両面テープで防音シートを固定する方法がおすすめです。退去時にマスキングテープごと剥がせば、ふすまの表面を傷めずに済みます。ただし、重い遮音シートはふすまが歪むリスクがあるため、軽量な吸音フェルトタイプを選ぶ方が安全です。

Q. 防音対策をしても効果を感じられないのはなぜ?

音は最も弱い部分から多く漏れる性質があります。ふすまだけ対策しても、窓やエアコンの配管穴、天井から音が回り込んでいる可能性があります。まずは部屋のどこから音が入ってくるのかを確認しましょう。スマートフォンの騒音計アプリを使うと、音の発生源を特定しやすくなります。すべての弱点を均等に対策することで、体感できる効果が得られます。

Q. 防音カーテンと遮光カーテンは違うもの?

はい、異なります。遮光カーテンは光を遮ることを目的としており、防音効果は限定的です。防音カーテンは生地が厚く重い素材を使い、音を吸収・遮断する設計になっています。ただし、遮光カーテンでも厚手で重いタイプであれば、ある程度の防音効果は期待できます。購入時には「遮音等級」の表記を確認してください。

Q. 和室の防音対策で見た目が悪くならない方法はある?

見た目を損なわない方法はいくつかあります。ふすまの前に吊るす防音カーテンは、生成りやベージュなど和室に合う色を選べば違和感がありません。窓の防音カーテンも和室に合うカーテンの選び方を参考にすれば、インテリアとして馴染ませることができます。畳の上に敷くコルクマットも自然素材の風合いがあり、和室の雰囲気を壊しません。

Q. 防音対策にかける費用はどのくらいが目安?

6畳の和室を一通り対策する場合、2〜4万円程度が目安です。内訳としては、ふすまの防音シート(5,000〜10,000円)、防音カーテン(8,000〜15,000円)、隙間テープ(500円程度)、防音マット(5,000〜10,000円)です。まずは隙間テープや防音カーテンなど手軽なものから始めて、効果を確認しながら追加していくのが無駄のない進め方です。

防音マットを敷くだけで、階下への生活音を手軽に軽減できます。

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この記事を書いた人

田中 由美(たなか ゆみ)
家庭菜園アドバイザー / 畳と家庭菜園のある暮らし研究家

自宅の庭で10年以上家庭菜園を実践し、年間20種類以上の野菜を育てています。最初は「次に何を植えればいいかわからない」状態でしたが、年間カレンダーを作ってからは、1年中収穫が途切れない菜園ライフを楽しめるようになりました。菜園教室では500人以上の方の年間計画づくりをサポートしてきました。

まとめ

和室の防音対策は、音漏れの原因を把握した上で、適切な場所に適切な対策を施すことが大切です。

和室で音漏れしやすい場所 – ふすま:最大の弱点。遮音シートや吸音材で対策 – 障子・窓:防音カーテンや隙間テープで対策 – 床:防音マットやジョイントマットで振動を軽減

賃貸でも実践できる対策 – マスキングテープを使えばふすまへの防音シート貼りも原状回復可能 – 突っ張り式カーテンレールで穴を開けずに防音カーテンを設置 – 隙間テープは貼って剥がせるので最も手軽

費用と進め方 – まず隙間テープ(数百円)で気密性を確保 – 次にふすまの防音対策(5,000〜10,000円) – 防音カーテンの設置(8,000〜15,000円) – 全体で2〜4万円が目安

音はすべての弱点から漏れるため、一箇所だけでなく複数の場所をバランスよく対策するのがポイントです。和室の使い方アイデアを踏まえつつ、快適な音環境を整えてみてください。