和室に合う収納棚を選ぶことで、実用性と美しさを両立した空間が生まれます。
「和室に置ける棚が見つからない」「畳に棚を置いたら傷がつきそうで心配」「そもそも和室にどんな収納が合うのかわからない」という悩みは多くの方が抱えています。洋風の収納家具をそのまま和室に持ち込むと違和感が出やすく、かといって和風の家具は選択肢が限られると感じるかもしれません。しかし、棚のタイプ・素材・高さを和室の特性に合わせて選べば、畳を傷めずにおしゃれな収納を実現できます。
この記事では、和室に合う収納棚のタイプ別の特徴から、素材とデザインの選び方、畳を保護する対策、見せる収納と隠す収納の使い分けまで詳しく解説します。和室インテリアの基本とあわせて参考にしてください。

収納棚のタイプを知る|オープン棚・扉付き棚・飾り棚
和室に置く収納棚は、大きく3つのタイプに分けられます。それぞれの特徴を理解したうえで、使用目的に合ったものを選びましょう。
オープン棚
オープン棚は扉がなく、棚板がむき出しになっているタイプの収納です。収納したものをすぐに取り出せる利便性の高さが最大の魅力で、本や雑貨など頻繁に出し入れするアイテムの収納に適しています。
和室でオープン棚を使う場合は、中に入れるものの統一感が見た目を大きく左右します。本の背表紙の色を揃えたり、かごやボックスを使って生活感のあるものを隠したりする工夫が必要です。オープン棚は「見せる収納」の中核となるアイテムなので、棚の上に余白を意識してディスプレイすることがおしゃれに見えるポイントです。
メリットとしては、通気性が良いため和室特有の湿気がこもりにくいこと、圧迫感が少なく部屋を広く見せやすいことが挙げられます。デメリットは、ホコリがたまりやすいことと、中身が丸見えなので整理整頓の手間がかかることです。
扉付き棚
扉付き棚は中身を隠せるため、生活感を出したくない和室に最適です。客間として使う和室や、すっきりとした空間を保ちたい場合に選ばれます。引き戸タイプ、開き戸タイプ、引き出しタイプの3種類があり、和室には引き戸タイプが特に合います。
引き戸は開閉のためのスペースが不要なため、狭い和室でも使いやすいという実用的なメリットがあります。また、ふすまや障子と同じスライド式の動きなので、和室のインテリアに自然に溶け込みます。
デメリットは、オープン棚に比べて通気性が劣ること、棚自体の重量が増えるため畳への負担が大きくなることです。扉の素材に木目やすりガラスを選ぶと和の雰囲気を崩さずに済みます。
飾り棚
飾り棚はディスプレイを主な目的とした棚で、収納量よりも見た目の美しさを重視するタイプです。違い棚風のデザインや、壁掛けタイプのものがあり、和室の床の間に置くような感覚で使えます。
花瓶、陶器、小さな置物など、限られたアイテムを美しく飾ることで和室全体の格を高めてくれます。壁掛けタイプであれば畳に接する面がないため、畳を傷める心配がありません。ただし、賃貸の場合は壁への取り付け方法を事前に確認する必要があります。

素材・デザインの選び方
和室に合う収納棚を選ぶ際、素材とデザインは空間の雰囲気を決定づける重要な要素です。ここでは、和室との相性が良い素材とデザインのポイントを解説します。
木製家具が和室に最も合う
和室と最も相性が良い素材は木材です。畳や柱、鴨居といった和室の建材はすべて天然素材であるため、木製の棚を置くことで空間全体に統一感が生まれます。
木材のなかでも、パイン材やオーク材のようなナチュラルカラーの木目は、畳のベージュ系の色味と相性が良好です。ダークブラウンのウォールナット材は、モダンで落ち着いた雰囲気を演出します。和室の柱や鴨居の色に合わせて棚の色を選ぶと、既存の建具と調和しやすくなります。
一方、ホワイトやブラックの塗装仕上げの家具は和室に置くと浮きやすいため、木目が見える仕上げのものを選ぶのが無難です。ただし、和モダンなテイストを目指す場合は、あえてホワイトの棚をアクセントとして取り入れる方法もあります。
竹やラタンも好相性
竹やラタン(籐)は和の空間に自然に馴染む素材です。軽量で通気性が良く、湿気のこもりやすい和室にとって機能面でも優れています。竹製の棚はシンプルなデザインが多く、どんな和室にも合わせやすいのが特徴です。ラタン製の収納はかご状のものが多いため、小物やタオルなどの収納に適しています。
金属フレームとの組み合わせ
アイアンフレームと木材を組み合わせたインダストリアルテイストの棚は、和モダンなインテリアに取り入れやすいアイテムです。黒いアイアンの細いフレームは和室の柱や木枠と意外と相性が良く、シャープな印象を加えてくれます。
ただし、金属の脚が畳を傷つけやすい点には注意が必要です。脚の接地面にフェルトパッドを貼るなどの保護対策を必ず行いましょう。
高さとサイズの目安
和室に置く棚の高さは、座った状態の目線(床から約70cmから80cm)以下に収めるのが基本です。具体的には高さ60cmから90cm程度のロータイプが和室に馴染みやすく、圧迫感も出ません。
幅は壁面の60パーセントから80パーセント以内に収めると、棚の両脇に余白が生まれてバランス良く見えます。6畳の和室であれば、幅80cmから120cm程度の棚が使いやすいサイズ感です。和室の本棚選びでも、サイズ感の目安を紹介しています。
和室に合う木製の収納棚は、天然木の風合いが畳との調和を生み出します。
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畳を傷めない対策
収納棚は重量があるため、畳の上に直接置くと跡がつきやすくなります。退去時のトラブルを防ぐためにも、以下の対策を徹底しましょう。
脚付き家具の保護方法
脚付きの棚を置く場合は、脚の下にフェルトパッドやコルクマットを敷くのが基本的な対策です。フェルトパッドは厚さ3mm以上のものを選ぶと効果的で、100円ショップでも入手できます。
脚が細いタイプの家具は荷重が一点に集中するため、畳への影響が大きくなります。可能であれば、脚の下に10cm四方以上の板やコルクマットを敷いて接地面積を広げると、荷重が分散されて跡がつきにくくなります。
脚のない家具を選ぶ
畳への負担を最小限にしたいなら、脚のないフラットタイプの棚を選ぶのが最も確実です。底面全体が畳に接するため荷重が分散され、一点に力が集中することがありません。

和風のタンスや茶箪笥のように、もともと脚がないデザインの家具は和室に自然に馴染みます。現代的なデザインの家具でも、フラットベースのものは多数あるため、選択肢は決して狭くありません。
定期的な位置変更
同じ場所に棚を置き続けると、その部分だけ畳が日焼けせずに色の差が出ることがあります。半年に一度くらいの頻度で棚の位置を少しずらしたり、畳に風を通す機会を設けたりすると、均一な状態を保ちやすくなります。
棚を移動する際は、必ず持ち上げて移動し、畳の上を引きずらないようにしてください。重い棚を一人で持ち上げるのが困難な場合は、段ボールを畳の上に敷いてその上を滑らせる方法もあります。和室のテレビ台選びでも畳保護の方法を紹介していますので、あわせて参考にしてください。
見せる収納と隠す収納の使い分け
和室を美しく保つためには、「見せる収納」と「隠す収納」のバランスが重要です。すべてを見せると雑然とし、すべてを隠すと無機質になります。両者を上手に使い分けるコツを解説します。
見せる収納のルール
見せる収納で大切なのは、「飾る」と「しまう」のメリハリをつけることです。以下の3つのルールを意識すると、誰でもおしゃれなディスプレイが作れます。
ルール1:色を3色以内にまとめる。 棚に並べるアイテムの色を3色以内に絞ると、統一感が出てすっきり見えます。和室の場合は、ベージュ・ブラウン・グリーンの組み合わせが畳と調和しやすい配色です。
ルール2:余白を意識する。 棚のすべての段をぎっしり埋めるのではなく、何も置かない空間を作ることで、飾っているアイテムが引き立ちます。全体の30パーセント程度を余白にするのが目安です。
ルール3:高さに変化をつける。 同じ高さのものを横一列に並べると単調に見えます。背の高い花瓶の横に低い小物を置くなど、高低差を意識するとリズム感のある棚になります。
隠す収納の工夫
隠す収納では、かごやボックスの活用が基本です。オープン棚であっても、一部の段にかごやファブリックボックスを置けば、中身を隠しつつ統一感のある見た目を保てます。
和室に合うかごの素材としては、竹かご、籐かご、布製バスケットがおすすめです。プラスチック製の収納ケースはそのまま見えると和室の雰囲気を損なうため、布カバーをかけるか、扉付き棚の中に収納するようにしましょう。和室の収納アイデアも参考にして、見せると隠すのバランスを調整してみてください。
収納の見た目を統一するために、竹やラタンのかごを揃えておくと便利です。
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和室ならではの飾り方
和室には「引き算の美学」が根づいています。少ないアイテムで季節感を表現するのが和のインテリアの真髄です。たとえば、棚の一角に一輪挿しと季節の花を飾るだけで、和室全体の雰囲気が引き締まります。
季節ごとにディスプレイを入れ替える習慣を持つと、同じ棚でも毎回新鮮な印象になります。春は桜の枝や花器、夏はガラスの器と涼しげな小物、秋は紅葉や実もの、冬は椿や松の小枝など、四季折々のアイテムを取り入れてみてください。

収納棚タイプ比較表
ここまで紹介した3つの棚タイプの特徴を比較表にまとめます。購入の際の参考にしてください。
| 項目 | オープン棚 | 扉付き棚 | 飾り棚 |
|---|---|---|---|
| 収納量 | 多い | 多い | 少ない |
| 通気性 | 良い | やや悪い | 良い |
| ホコリ対策 | 必要 | 不要 | やや必要 |
| 畳への負担 | 中程度 | 大きい | 小さい(壁掛けは無し) |
| 出し入れのしやすさ | 非常に良い | 普通 | 限定的 |
| インテリア性 | 高い(整理次第) | 普通 | 非常に高い |
| 和室との相性 | 良い | 良い | 非常に良い |
| 価格帯 | 5千円から3万円 | 1万円から5万円 | 3千円から2万円 |
| おすすめの用途 | 本・雑貨の収納 | 衣類・日用品の収納 | アート・花器のディスプレイ |
| 向いている人 | 整理整頓が得意な方 | すっきり隠したい方 | インテリアにこだわる方 |
棚選びで迷ったら、まずは何を収納するかをリストアップし、その上で「見せたいもの」と「隠したいもの」に分類するところから始めてみてください。収納の目的が明確になれば、最適な棚のタイプも自然と絞り込めます。押入れ収納アイデアと組み合わせれば、和室全体の収納力を最大化できるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 和室にスチールラックを置いても違和感はありませんか?
スチールラックをそのまま和室に置くと、無機質な印象が強くなり和の雰囲気と合わないことが多いです。ただし、木目調の棚板に変更したり、ラック全体に布や和紙を巻いてカバーしたりすることで違和感を軽減できます。どうしてもスチールラックを使いたい場合は、押入れの中に設置して外から見えないようにするのがおすすめです。
Q. 重い本棚を畳に置いても大丈夫ですか?
本棚は本を入れるとかなりの重量になるため、畳への負担は大きくなります。対策として、底面全体にコルクマットやベニヤ板を敷いて荷重を分散させてください。できるだけ脚のないフラットベースの本棚を選び、壁面に沿って置くことで安定性も高まります。本を詰め込みすぎず、適度に余裕を持たせて収納することも大切です。
Q. 和室に合う棚の色はどう選べばよいですか?
和室の柱や鴨居、建具の色に合わせるのが基本です。明るい色の和室にはナチュラルカラーやパイン材の棚、濃い色の建具がある和室にはダークブラウンやウォールナット色の棚が合います。迷ったときは、畳と同系色のベージュ系やナチュラルブラウンを選ぶと失敗が少ないです。黒や白の棚は和モダンなテイストを目指す場合にのみ選ぶのが無難です。
Q. 壁に棚を取り付けたいのですが、賃貸でも可能ですか?
ピン程度の穴(穴径0.5mm以下)であれば通常使用の範囲として認められるケースが多いですが、大家さんや管理会社に事前に確認するのが確実です。壁に穴を開けたくない場合は、突っ張り式のウォールシェルフやラダーラックがおすすめです。壁に立てかけるだけのタイプもあり、穴を一切開けずに壁面収納を実現できます。
Q. 和室の棚にカビが生えないようにするにはどうしたらよいですか?
棚のカビ対策の基本は、壁から5cm以上離して設置し、背面の通気を確保することです。和室は湿気がこもりやすいため、棚の背板に通気穴があるタイプを選ぶのも効果的です。梅雨時期はエアコンの除湿機能や除湿器を活用し、部屋全体の湿度管理を行いましょう。棚の中に除湿剤を入れておくことも有効です。定期的に棚の裏側や底面をチェックし、カビの兆候が見られたら早めに対処してください。
まとめ
和室に合う収納棚を選ぶためのポイントは、タイプ・素材・高さの3つに集約されます。
タイプは、見せる収納を楽しみたいならオープン棚、すっきり隠したいなら扉付き棚、インテリアのアクセントにしたいなら飾り棚を選んでください。3つのタイプを組み合わせて使うことで、実用性と美しさのバランスがとりやすくなります。
素材は、木材・竹・ラタンなどの自然素材が和室との相性が抜群です。棚の色は和室の建具に合わせて選ぶのが基本で、迷ったらナチュラルブラウン系が無難です。高さは座った状態の目線以下、具体的には90cm以下のロータイプが和室に馴染みます。
畳を傷めないための対策として、脚付き家具にはフェルトパッドを貼り、できればフラットベースの家具を選ぶことをおすすめします。見せる収納では「色を3色以内」「余白30パーセント」「高低差をつける」の3つのルールを意識すれば、誰でもおしゃれなディスプレイが可能です。
和室の収納は「引き算」がポイントです。和室インテリアの基本や和室の収納アイデアの記事もあわせて活用しながら、必要なものだけを美しく収める和室空間を目指してみてください。