和室の収納は、押入れ以外のスペースも上手に活用することがポイントです。

「和室の収納が足りない」「押入れだけでは物が収まらない」という悩みは多くの方が感じています。和室は洋室に比べてクローゼットや棚が少ないことが多く、収納に困りやすい空間です。しかし、工夫次第で和室ならではの収納スペースを見つけることができます。

この記事では、和室の収納アイデアを詳しく解説します。和室インテリアの基本と併せて、すっきり片付いた和室づくりの参考にしてください。

和室の収納が難しい理由

和室の収納に悩む人が多いのには、いくつかの理由があります。まずは和室ならではの収納の課題を把握しておきましょう。

洋室より収納スペースが少ない

和室には押入れがある一方で、洋室のようなクローゼットやウォークインクローゼットがないことがほとんどです。押入れは布団収納には適していますが、衣類や小物を効率よく収納するには工夫が必要です。

また、和室は壁面に長押(なげし)や鴨居があるため、大型の収納家具を置きにくいという特徴もあります。高さのある家具は、天井との間に隙間ができやすく、デッドスペースが生まれがちです。

畳への配慮が必要

重い収納家具を畳の上に置くと、へこみや跡が残る可能性があります。そのため、大型の収納棚やタンスを気軽に置くことができず、収納の選択肢が限られてしまいます。

賃貸住宅の場合は、退去時の原状回復を考えると、畳を傷めない収納方法を選ぶ必要があります。

見た目のバランスが難しい

和室は余白を大切にする空間です。収納を増やしすぎると、せっかくの畳の美しさや和室らしい落ち着きが損なわれてしまいます。機能性と見た目のバランスを取ることが、和室収納の課題です。

プラスチックケースやカラーボックスをそのまま置くと、和室の雰囲気に合わず浮いてしまうことも多いです。

押入れの収納力を最大化する

和室の収納といえば押入れです。押入れを効率よく使うことで、収納力は格段にアップします。

上段・下段・天袋の使い分け

押入れは上下に分かれているため、収納するものによって場所を使い分けましょう。上段は出し入れしやすいため、よく使うものを収納します。布団を敷いて寝ている場合は、上段に布団を置くと取り出しやすいです。

下段はやや取り出しにくいため、季節外のものや使用頻度の低いものを収納します。キャスター付きの収納ケースを使えば、奥のものも取り出しやすくなります。

天袋は高い位置にあるため、年に数回しか使わないものや、思い出の品などを収納するのに向いています。

収納ケースで空間を区切る

押入れは奥行きが深いため、そのまま使うと奥のものが取り出しにくくなります。収納ケースや引き出し式のボックスを使って空間を区切ると、効率よく収納できます。

布団収納袋、衣類用の収納ケース、書類ボックスなど、収納するものに合った専用アイテムを活用しましょう。透明や半透明のケースを使えば、中身が見えて探し物も楽になります。

突っ張り棒やハンガーラックを活用

押入れに突っ張り棒を渡せば、簡易的なハンガーラックになります。上段に設置すれば、シャツやジャケットなどの衣類を掛けて収納できます。

押入れ用のハンガーラックやシェルフも販売されており、押入れをクローゼットのように使うことができます。設置の際は押入れの幅と奥行きを測り、サイズの合ったものを選びましょう。

Inside of Japanese oshiire closet with organized storage boxes, hanging clothes on rod, folded futon

押入れ以外の収納スペース活用

押入れだけでは収納が足りない場合は、和室の他のスペースも活用しましょう。

床の間を収納に活用

床の間は本来、掛け軸や花を飾る場所ですが、現代では使っていない家庭も多いです。使っていない床の間は、収納スペースとして活用できます。

棚を設置して本や雑貨を飾る「見せる収納」にしたり、カーテンやロールスクリーンで目隠しをして物を収納したりする方法があります。ただし、床の間は和室の格式を表す場所なので、来客がある場合は本来の使い方に戻せるようにしておくと良いでしょう。

壁面収納を取り入れる

和室の壁面は、収納として活用できるスペースです。長押(なげし)があれば、専用のフックを掛けて小物を吊り下げることができます。S字フックやクリップを使えば、帽子やバッグ、アクセサリーなどを見せる収納として飾れます。

壁に穴を開けられる場合は、薄型のウォールシェルフを設置するのも効果的です。賃貸でも使えるピンで固定するタイプの棚なら、傷を最小限に抑えられます。

デッドスペースを見つける

和室には意外なデッドスペースがあります。押入れの上の天袋、家具と壁の隙間、窓際のスペースなど、見落としがちな場所を探してみましょう。

隙間収納ラックやスリムなワゴンを使えば、わずかなスペースも有効活用できます。使用頻度の低いものは高い位置に、よく使うものは手の届く位置に収納すると便利です。

和室に合う収納家具の選び方

収納家具を選ぶ際は、和室の雰囲気に合うデザインを選ぶことが大切です。

素材の選び方

和室に合う素材は、木製や籐(ラタン)、竹など自然素材を使ったものです。金属製やプラスチック製のものは、和室では浮いてしまうことがあります。

木製の収納棚やチェストを選ぶ場合は、柱や鴨居の色味に合わせると統一感が出ます。籐のバスケットや竹のかごは、和室の雰囲気によく馴染み、見た目もおしゃれです。

高さとサイズ

和室に置く収納家具は、低めのものを選ぶと圧迫感がありません。床に座って過ごすことが多い和室では、目線より低い家具の方が落ち着きます。

畳を傷めないよう、軽量なものや脚の底面が広いものを選びましょう。キャスター付きのものは、掃除や模様替えのときに便利ですが、畳に跡が残りやすいため注意が必要です。

おすすめの収納アイテム

木製シェルフ:オープンタイプの棚は圧迫感がなく、見せる収納に向いています。

籐のバスケット:小物をまとめて収納でき、見た目もおしゃれです。

桐たんす:和室の定番収納で、衣類の保管に適しています。軽量で移動しやすいのも特徴です。

ファブリックボックス:布製の収納ボックスは軽くて扱いやすく、和室にも馴染みます。

見せる収納と隠す収納の使い分け

和室の収納では、見せる収納と隠す収納を上手に使い分けることが大切です。

見せる収納のポイント

見せる収納は、インテリアの一部として収納を楽しむ方法です。本や雑貨、お気に入りのアイテムをディスプレイするように飾ります。

見せる収納で大切なのは、物を厳選することです。たくさん並べすぎると雑然とした印象になります。色や素材を統一し、余白を意識して飾ると、おしゃれに見えます。

オープンシェルフや長押を活用した吊り下げ収納は、見せる収納に向いています。

隠す収納のポイント

生活感のあるものや、見た目が統一しにくいものは隠す収納がおすすめです。押入れや扉付きの収納棚、カーテンで目隠しした空間を活用します。

隠す収納では、中身が見えないからといって乱雑にしないことが大切です。取り出すときに探し物に時間がかかると、結局散らかる原因になります。収納ケースにラベルを貼るなど、中身がわかる工夫をしましょう。

バランスのとり方

見せる収納だけでは物があふれた印象になり、隠す収納だけでは個性がなくなります。両方をバランスよく取り入れることが、おしゃれで使いやすい和室への近道です。

目線の高さには見せる収納、床に近い位置や押入れには隠す収納というように、場所によって使い分けると効果的です。

Japanese room with balanced mix of open shelving and closed storage. Wooden shelf with decorative it

賃貸でもできる収納アイデア

賃貸住宅では、壁に穴を開けたり大がかりな工事をしたりできません。原状回復を考えた収納アイデアを紹介します。

突っ張り棒・突っ張り棚を活用

突っ張り棒や突っ張り棚は、壁に穴を開けずに収納スペースを増やせる便利アイテムです。押入れの中はもちろん、部屋の隅や窓際にも設置できます。

突っ張り式のパーテーションに棚やフックを取り付ければ、壁面収納のように使えます。耐荷重を確認して、重すぎるものを載せないよう注意しましょう。

置くだけ収納を活用

床に置くだけの収納家具なら、退去時もそのまま持ち出せます。オープンシェルフやスタッキングボックス、籐のかごなどを組み合わせて、自分好みの収納を作りましょう。

畳を傷めないよう、家具の下にフェルトマットを敷くか、ラグを敷いてその上に置くと安心です。

吊り下げ収納を活用

長押(なげし)がある和室なら、専用フックを使って吊り下げ収納ができます。S字フックやクリップ式のフックを使えば、バッグや帽子、小物を掛けて収納できます。

押入れの中にも、突っ張り棒を渡して洗濯ネットや布バッグを吊り下げれば、小物収納が増やせます。

カラーボックスを和室仕様に

カラーボックスはそのままだと和室に馴染みにくいですが、工夫次第で和室にも使えます。布で覆う、木目調のリメイクシートを貼る、籐のバスケットを入れるなど、見た目を和風にアレンジしましょう。

横向きに置いてベンチ兼収納にしたり、重ねて棚のように使ったりと、使い方のバリエーションも豊富です。

収納を増やすときの注意点

和室の収納を増やす際には、いくつかの注意点があります。

詰め込みすぎない

収納スペースを増やしても、物を詰め込みすぎては逆効果です。取り出しにくくなり、結局使わない物が増えてしまいます。収納を増やす前に、不要なものを処分する「断捨離」も検討しましょう。

和室は余白を大切にする空間です。床面や壁面が見える程度の収納量に留めると、すっきりした印象を保てます。

畳への影響を考える

重い収納家具は畳にへこみや跡をつけます。特に脚のある家具は、脚の接地部分に荷重が集中するため注意が必要です。

畳への影響を最小限にするには、脚の下にフェルトや保護マットを敷く、定期的に家具の位置をずらす、軽量な家具を選ぶなどの対策をしましょう。

湿気対策を忘れない

押入れは湿気がこもりやすい場所です。布団や衣類をそのまま収納すると、カビやダニの原因になります。

除湿剤やすのこを使って、空気の流れを確保しましょう。定期的に押入れの扉を開けて換気することも大切です。

よくある質問

Q. 押入れがない和室はどうすれば良い?

壁面収納や置き家具で対応しましょう。低めのシェルフや籐のバスケット、ファブリックボックスを組み合わせて収納スペースを作ります。クローゼット代わりにハンガーラックを置くのも一つの方法です。物を厳選して、必要最小限の収納で済ませることも大切です。

Q. 押入れの布団収納をもっと効率的にしたい

布団収納袋や圧縮袋を使うと、かさを減らして省スペースに収納できます。また、布団を縦に置ける専用の収納ラックを使えば、取り出しやすくなります。使っていない布団が多い場合は、処分やクリーニング保管サービスの利用も検討しましょう。

Q. 子ども部屋として使う和室の収納は?

子どものおもちゃや絵本は、低い位置に収納すると自分で片付けやすくなります。籐のバスケットやファブリックボックスなど、子どもでも扱いやすい軽い収納アイテムを選びましょう。ラベルやイラストを貼って、何をどこに入れるか分かりやすくする工夫も効果的です。

Q. 和室を仕事部屋にする場合の収納は?

書類やパソコン周辺機器は、木製のファイルボックスや籐のトレーを使うと和室に馴染みます。デスク周りはコードや小物が増えがちなので、見えない場所に隠す収納を作ると良いでしょう。座卓をデスクにする場合は、脇に小さなサイドシェルフを置くと便利です。

Q. 季節ものの収納はどうする?

扇風機やヒーター、季節の飾りなど、使わない時期が長いものは、押入れの天袋や奥の方に収納します。透明な収納ケースに入れてラベルを貼っておくと、必要なときにすぐ見つけられます。収納する前にきれいに掃除しておくことも忘れずに。

Q. 見せる収納で何を飾れば良い?

和室に飾るなら、自然素材のものや和のテイストがあるものがおすすめです。陶器の花瓶、木製の小物、和紙の雑貨、観葉植物などが和室によく合います。季節の花や、旅先で買った思い出の品を飾るのも良いでしょう。数を絞って、ゆとりを持たせて飾ることがポイントです。

キャスター付きの収納ケースなら、押入れの奥のものも楽に取り出せます。

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この記事を書いた人

田中 由美(たなか ゆみ)
家庭菜園アドバイザー / 畳と家庭菜園のある暮らし研究家

自宅の庭で10年以上家庭菜園を実践し、年間20種類以上の野菜を育てています。最初は「次に何を植えればいいかわからない」状態でしたが、年間カレンダーを作ってからは、1年中収穫が途切れない菜園ライフを楽しめるようになりました。菜園教室では500人以上の方の年間計画づくりをサポートしてきました。

まとめ

和室の収納は、押入れ以外のスペースも活用することで解決できます。

押入れ活用のポイント – 上段・下段・天袋で収納するものを分ける – 収納ケースで空間を区切る – 突っ張り棒でハンガー収納を作る

押入れ以外の収納スペース – 床の間:棚を設置して見せる収納に – 壁面:長押やウォールシェルフを活用 – デッドスペース:隙間収納ラックを活用

収納家具の選び方 – 素材:木製、籐、竹など自然素材 – サイズ:低めで圧迫感のないもの – 畳への配慮:軽量で脚の底面が広いもの

見せる・隠すのバランス – 見せる収納:厳選したアイテムを余白を持って – 隠す収納:生活感のあるものは押入れや扉付き収納へ

和室インテリアの基本和室をモダンに変える5つのポイントも参考に、すっきり片付いた和室を実現してください。