和室には、床の間、長押、欄間など、独特の名称を持つ部分がたくさんあります。

「和室のここって何て呼ぶの?」「リフォームの見積もりに知らない用語が出てきた」という声をよく聞きます。和室の各部名称を知っておくと、業者との打ち合わせやDIYの参考になります。

この記事では、和室の各部名称を図解でわかりやすく解説します。和室インテリアの基本と併せて、畳のある空間への理解を深めましょう。

和室の基本構造

まず、和室の基本的な構造を把握しましょう。

和室を構成する要素

床(ゆか) – 畳を敷く – 板の間(板敷き)の場合も – 床の間は一段高くなっている

壁(かべ) – 土壁や砂壁が伝統的 – 現代はクロス仕上げも多い – 長押や柱が見える

天井(てんじょう) – 竿縁天井が一般的 – 目透かし天井、格天井も – 天井板が張られている

建具(たてぐ) – 障子、襖、引き戸 – 出入り口や窓に使う – 開閉できる仕切り

和室の種類

本格的な和室 – 床の間、床脇がある – 真壁(柱が見える) – 畳、障子、襖が揃う

略式の和室 – 床の間がない場合も – 大壁(柱が見えない) – 畳のみの簡易的な和室

床まわりの名称

和室の床に関する名称を解説します。

畳(たたみ)

構成 – 畳床(たたみどこ):芯材 – 畳表(たたみおもて):い草の表面 – 畳縁(たたみべり):縁の布

サイズ(地域差あり) – 京間:191×95.5cm – 中京間:182×91cm – 江戸間:176×88cm – 団地間:170×85cm

畳の傷みが気になる方は、い草の補修テープで手軽にメンテナンスできます。

(PR)「畳 い草 補修テープ」をAmazonで探す / 楽天で探す

床の間(とこのま)

役割 – 掛け軸や花を飾る – お客様をもてなす空間 – 和室の格を表す

構成要素 – 床板(とこいた):畳や板敷き – 床框(とこがまち):前面の横木 – 落とし掛け(おとしがけ):上部の横木 – 床柱(とこばしら):脇の化粧柱

Japanese tokonoma alcove with hanging scroll, flower arrangement in vase, and labeled parts showing

床脇(とこわき)

役割 – 床の間の横にある – 飾り棚や収納として使う – 違い棚がある場合も

種類 – 違い棚(ちがいだな):段差のある棚 – 地袋(じぶくろ):下部の収納 – 天袋(てんぶくろ):上部の収納

板の間(いたのま)

役割 – 畳の横にある板敷き部分 – 家具や置物を置く – 広縁(ひろえん)に続くことも

壁まわりの名称

壁に関する名称を解説します。

柱(はしら)

真壁(しんかべ) – 柱が壁から見える – 伝統的な和室の特徴 – 柱の太さ:3.5〜4寸角が一般的

大壁(おおかべ) – 柱が壁の中に隠れる – 現代の住宅に多い – 洋室に近い印象

長押(なげし)

役割 – 壁の上部を横に走る化粧材 – 鴨居の上に取り付ける – 現代では装飾的な意味合い

使い方 – ハンガーを掛ける – フックを付けて収納に – 長押レールを活用

壁の種類

土壁(つちかべ) – 土を塗った伝統的な壁 – 調湿効果がある – 修復が必要な場合も

砂壁(すなかべ) – 砂を混ぜた仕上げ – ざらざらした質感 – 触ると砂が落ちることも

クロス壁 – 壁紙を貼った現代的な壁 – 和風柄のクロスも – メンテナンスが楽

天井の名称

天井に関する名称を解説します。

竿縁天井(さおぶちてんじょう)

特徴 – 最も一般的な和室の天井 – 竿縁(さおぶち)という細い木で天井板を押さえる – 竿縁の向きに意味がある

竿縁の向き – 床の間に平行:正式 – 床の間に直角は避ける(床差しという凶相)

目透かし天井(めすかしてんじょう)

特徴 – 天井板の間に隙間がある – 軽やかでモダンな印象 – 現代の和室に多い

格天井(ごうてんじょう)

特徴 – 格子状に組まれた天井 – 格式の高い部屋に使う – 寺院や城にも見られる

Japanese ceiling types comparison showing saobuchi-tenjo with wooden beams, mesukashi-tenjo with gap

廻り縁(まわりぶち)

役割 – 天井と壁の境目に取り付ける – 見切り材として機能 – 和室では木製が一般的

建具の名称

和室の建具に関する名称を解説します。

襖(ふすま)

役割 – 部屋と部屋の仕切り – 開閉できる間仕切り – 押入れの扉としても

構造 – 組子(くみこ):骨組み – 下貼り:骨組みの上に貼る紙 – 上貼り:最終的な仕上げ紙 – 引手(ひきて):手をかける金具

障子(しょうじ)

役割 – 窓際に取り付ける – 光を通しながら目隠し – 断熱効果もある

種類 – 腰板障子:下部に板がある – 水腰障子:板がなく全面紙 – 猫間障子:一部がガラス – 雪見障子:下部が開閉できる

障子の張り替えは専用キットを使えば初めてでも簡単にできます。

(PR)「障子紙 貼り替え セット」をAmazonで探す / 楽天で探す

鴨居と敷居

鴨居(かもい) – 建具の上の横木 – 溝があり建具がはまる – 長押の下にある

敷居(しきい) – 建具の下の横木 – 溝があり建具が滑る – 「敷居が高い」の語源

欄間(らんま)

役割 – 鴨居と天井の間の開口部 – 通気と採光のため – 装飾としての意味も

種類 – 透かし彫り欄間:彫刻を施したもの – 組子欄間:細い木を組んだもの – 筬(おさ)欄間:縦の桟があるもの – ガラス欄間:ガラスを入れたもの

縁側・広縁の名称

縁側に関する名称を解説します。

縁側(えんがわ)

役割 – 部屋と外をつなぐ廊下 – 日向ぼっこや休憩の場 – 庭を眺める空間

種類 – 濡れ縁(ぬれえん):外に面した縁側 – 内縁(うちえん):室内側の縁側 – 広縁(ひろえん):幅の広い縁側

縁側の構造

縁板(えんいた) – 縁側の床板 – 板目が美しいものを使う

縁框(えんがまち) – 縁側の端の横木 – 室内との段差部分

押入れまわりの名称

押入れに関する名称を解説します。

押入れの構造

中段(なかだん) – 上下を仕切る棚板 – 布団を載せる位置

枕棚(まくらだな) – 上部にある棚 – 季節物の収納に

鴨居・敷居 – 襖がはまる部分 – 襖用の溝がある

天袋・地袋

天袋(てんぶくろ) – 押入れの上にある収納 – 小さな襖で開閉 – 使用頻度の低いものを収納

地袋(じぶくろ) – 床の間の横などにある収納 – 低い位置にある – 小物の収納に便利

和室の名称を知るメリット

各部名称を知っておくと、さまざまな場面で役立ちます。

リフォーム・修繕時

業者との打ち合わせ – 「長押を撤去したい」 – 「床框を新しくしたい」 – 正確に希望を伝えられる

見積もりの理解 – 専門用語がわかる – 内容を確認できる – 不明点を質問できる

DIY・模様替え時

情報収集 – 検索するとき正しい用語で – 関連情報が見つかりやすい – 施工方法がわかりやすい

資材の購入 – ホームセンターで探しやすい – 店員に正確に伝えられる – 代替品も見つけやすい

よくある質問

Q. 床の間がない和室は正式ではない?

床の間がなくても和室です。現代の住宅では、スペースの都合で床の間を設けないことも多いです。床の間があるのは本格的な和室の特徴ですが、畳があれば和室として機能します。

Q. 長押は必要?

構造上は必要ありません。現代では装飾的な意味合いが強く、収納やディスプレイに活用する方も多いです。リフォームで撤去しても問題ありませんが、和室らしさは減ります。

Q. 欄間は塞いでもいい?

塞いでも問題ありません。ただし、欄間には通気の役割があるため、塞ぐと換気が悪くなる可能性があります。エアコンの効率を上げたい場合は、塞ぐ方が良いこともあります。

Q. 鴨居の溝は自分で補修できる?

軽い傷なら木工パテで補修できます。溝が大きく削れている場合は、建具がスムーズに動かなくなるため、専門業者に相談するのがおすすめです。

Q. 真壁と大壁、どちらがいい?

好みによります。真壁(柱が見える)は伝統的な和室の趣があり、木の温もりを感じられます。大壁(柱が隠れる)はすっきりした印象で、洋室との調和がとりやすいです。

この記事を書いた人

田中 由美(たなか ゆみ)
家庭菜園アドバイザー / 畳と家庭菜園のある暮らし研究家

自宅の庭で10年以上家庭菜園を実践し、年間20種類以上の野菜を育てています。最初は「次に何を植えればいいかわからない」状態でしたが、年間カレンダーを作ってからは、1年中収穫が途切れない菜園ライフを楽しめるようになりました。菜園教室では500人以上の方の年間計画づくりをサポートしてきました。

まとめ

和室の各部名称を知っておくと、リフォームやDIYの際に役立ちます。

床まわり – 畳(畳表、畳縁) – 床の間(床柱、床框、落とし掛け) – 床脇(違い棚、地袋、天袋)

壁まわり – 柱(真壁、大壁) – 長押 – 土壁、砂壁、クロス壁

天井 – 竿縁天井、目透かし天井、格天井 – 廻り縁

建具 – 襖、障子 – 鴨居、敷居 – 欄間

和室インテリアの基本押入れ収納アイデアも参考に、和室への理解を深めましょう。