和室にカーテンを取り付けるとき、最も悩むのが「色」と「素材」の選び方です。

洋室のカーテン選びとは異なり、和室には畳・木部・壁という独自のベースカラーがあります。これらの色と調和しないカーテンを選んでしまうと、せっかくの和室の雰囲気が台無しになってしまいます。反対に、色と素材を正しく選べば、和の趣を活かしながら現代的で洗練された空間をつくることが可能です。

この記事では、和室のベースカラーの把握から、相性のよいカーテンカラー、素材ごとの特徴、テイスト別のおすすめ組み合わせまでを体系的に解説します。和室にカーテンは合う?の記事で基本的な選び方を把握したうえで読むと、より具体的な色選びに役立ちます。

和室のベースカラーを知ることから始める

カーテンの色を決める前に、まず和室を構成する三つのベースカラーを把握しましょう。和室のベースカラーとは、畳・木部・壁が持つ色味のことです。この三要素を理解しておくと、カーテン選びの失敗を防げます。

畳の色 ── グリーンからベージュへの変化

新しい畳は鮮やかなグリーンですが、日光や経年変化によって徐々に黄みがかったベージュへと変化していきます。畳が若いグリーンの時期と、枯れたベージュの時期では、合わせるべきカーテンの色も異なります。自宅の畳が今どの段階にあるかを観察することが、カーテン選びの出発点です。

グリーンの畳にはアイボリーやクリーム系のカーテンが、経年変化したベージュの畳にはグレージュやモカなどの落ち着いた中間色が合わせやすい傾向があります。

木部の色 ── 白木から濃茶までの幅

柱・鴨居・長押・敷居といった木部は、和室の骨格を形成する要素です。新しい白木は明るいナチュラルカラーですが、古い住宅では飴色や濃い茶色に変化しています。

木部の色が明るい場合は、カーテンも明るめの色を選ぶと部屋全体に統一感が生まれます。木部が濃い茶色の場合は、真っ白なカーテンを避け、少しくすみのある色を選ぶとコントラストが柔らかくなります。

壁の色 ── 砂壁・じゅらく壁・クロスの違い

和室の壁は、砂壁であればベージュやグレー、じゅらく壁であれば土色に近いブラウン系、クロスであればオフホワイトが主流です。壁の色味はカーテンと隣り合う面積が大きいため、調和を意識する優先度が高い要素です。

和室の壁紙選びを変更する予定がある方は、壁紙とカーテンの色味をセットで検討すると、統一感のある空間を効率よくつくれます。

A Japanese tatami room showing the three base colors: green tatami floor, natural wood pillars and f

和室と相性のよいカーテンカラー6選

和室のベースカラーを踏まえたうえで、特に相性がよいとされるカーテンの色を六つ紹介します。どの色も畳や木部との調和を保ちやすく、和室らしさを損なわないのが特徴です。

ベージュ・生成り

和室のカーテン色として最も定番であり、失敗の少ない色です。畳のグリーンとも、経年変化した畳のベージュとも自然に馴染みます。壁が砂壁やじゅらく壁の場合は、壁の色に近いトーンのベージュを選ぶと一体感が出ます。木部がどの色味であっても合わせやすく、初めて和室にカーテンを導入する方に最もおすすめしたい色です。

アイボリー・オフホワイト

白に近い色ですが、純白ではなく少し黄みを帯びた柔らかい白です。和室に清潔感と明るさを加えたいときに適しています。真っ白なカーテンは和室では浮きやすいため、あくまでもアイボリーやオフホワイトを選ぶのがポイントです。新しい白木の柱がある和室との相性が特によいカラーです。

グレージュ

グレーとベージュの中間色であるグレージュは、和室に上品さとモダンな雰囲気を加えたい場合に効果的です。畳が経年変化してベージュ寄りになった和室や、濃い色の木部がある和室と特に好相性です。同じグレー系でも、青みの強いグレーは和室では冷たい印象になりやすいため、必ず温かみのあるグレージュを選びましょう。

淡いグリーン

畳の色と同系色のため、空間に統一感が生まれやすい色です。ただし、畳とまったく同じ彩度のグリーンを選ぶと単調になるため、畳よりやや薄い、くすんだグリーンを選ぶのがコツです。抹茶色や若草色のように、和の伝統色に近いグリーンを意識すると品のある仕上がりになります。

モカ・ブラウン系

木部の色と調和させたい場合に有力な選択肢です。濃すぎると部屋が暗くなるため、薄めのモカやライトブラウンを選びましょう。特に木部が飴色や濃茶色の和室では、木部の色味を拾ったブラウン系カーテンが空間を引き締めてくれます。

からし色・マスタードイエロー

和の伝統色である「山吹」に通じる、くすんだ黄色です。ベージュ系よりも個性を出したいが、派手になりすぎるのは避けたいという方に向いています。畳のグリーンとの補色関係に近いため、空間にメリハリが生まれます。ただし彩度が高すぎると和室には合わないため、必ずくすみのあるトーンを選んでください。

Six curtain fabric swatches arranged in a row on a tatami floor surface: beige, ivory, greige, pale

素材の選び方 ── リネン・コットン・ポリエステル

和室のカーテンは、色だけでなく素材の選び方も仕上がりを大きく左右します。素材によって光の透け方やドレープの出方が変わるため、目指す雰囲気に合った素材を選ぶことが重要です。

リネン(麻)── 和室との親和性が最も高い素材

リネンは和室のカーテン素材として最もおすすめできる素材です。自然素材ならではの素朴な風合いが、畳や木部といった和室の天然素材と調和します。

リネンの特徴として、光を柔らかく通す透け感があります。障子のように外光を拡散してくれるため、和室特有の穏やかな光環境を維持しやすい点が大きなメリットです。また、使い込むほどに風合いが増し、経年変化を楽しめるのも畳と通じる魅力です。

一方で、洗濯による縮みが起きやすいこと、シワになりやすいことがデメリットです。ウォッシャブル加工が施されたリネンカーテンを選ぶと、日常の手入れが楽になります。

コットン(綿)── ナチュラルで柔らかな印象

コットンはリネンよりも柔らかいドレープが出る素材です。カジュアルで温かみのある雰囲気をつくりたい場合に向いています。

コットンカーテンは、厚手のものを選べばある程度の遮光性も確保できます。生成りのコットンは和室の自然素材と調和しやすく、リネンよりも価格が手頃な製品が多いのも利点です。

デメリットは、リネンと同様に縮みやすいこと、そして日焼けによる変色が起きやすい点です。西日が強い和室に使う場合は、裏地付きのものを選ぶとよいでしょう。

ポリエステル ── 機能性と手入れのしやすさ

ポリエステルは遮光・遮熱・防炎などの機能を付加しやすく、洗濯しても縮みにくい実用的な素材です。小さな子どもやペットがいる家庭、西日の強い部屋など、機能性を優先したい場面に適しています。

ただし、ポリエステル特有のツヤ感や光沢は、和室の素朴な雰囲気と対立しやすい傾向があります。和室に使う場合は、光沢を抑えたマット仕上げの製品や、麻調・綿調に織られたポリエステルカーテンを選ぶと違和感が少なくなります。

素材別の特徴まとめ

素材 和室との相性 光の通し方 手入れのしやすさ 価格帯
リネン とても良い 柔らかく拡散 やや手間がかかる 中〜高
コットン 良い 程よく遮る やや手間がかかる 低〜中
ポリエステル 製品による 遮光性が高い 簡単 低〜中
リネン混紡 良い やや拡散 比較的簡単

迷った場合は、リネンとポリエステルの混紡素材がバランスのよい選択肢です。リネンの風合いを残しつつ、ポリエステルの耐久性と扱いやすさを兼ね備えています。

Close-up comparison of three curtain fabric textures hanging side by side in a Japanese room: linen

テイスト別おすすめ組み合わせ

和室のカーテン選びは、最終的に「どんな雰囲気の部屋にしたいか」というテイストの方向性に左右されます。ここでは、人気の高い四つのテイスト別に、おすすめのカラーと素材の組み合わせを解説します。

正統派和風 ── 和室らしさを最大限に活かす

障子に近い雰囲気を維持しつつ、カーテンの機能性を取り入れたい方向けの組み合わせです。

  • 色:生成り、オフホワイト、薄い抹茶色
  • 素材:リネン、または薄手のコットン
  • ポイント:無地を基本とし、柄を入れる場合は控えめな織り模様にとどめる

このテイストでは、カーテンの存在感をできるだけ抑えることが重要です。障子のように光を柔らかく通すリネンの薄手カーテンを選ぶと、和室の静謐な雰囲気を維持できます。和室インテリアの基本で紹介している伝統的な和室の構成要素と調和させることを意識しましょう。

和モダン ── 伝統と現代デザインの融合

和の素材感を残しながら、現代的な洗練さを加えたい方に人気の高いテイストです。

  • 色:グレージュ、チャコールグレー、ダークグリーン
  • 素材:リネン、またはマット仕上げのポリエステル
  • ポイント:やや濃いめの色を選び、空間にコントラストをつける

和モダンでは、カーテンの色をあえて畳や壁より一段濃い色にすることで、空間に奥行きと引き締め効果を生みます。家具もロースタイルのモダンデザインを合わせると統一感が出ます。和室の使い方アイデアも参考にしながら、部屋全体のコーディネートを検討してください。

ナチュラル ── 自然素材の温もりを楽しむ

木、麻、綿など自然素材の質感を前面に出し、温かみのある空間をつくるテイストです。

  • 色:ベージュ、キナリ、薄いカーキ
  • 素材:リネン、コットン、またはリネン混紡
  • ポイント:素材の風合いを主役にし、色は控えめにまとめる

ナチュラルテイストの和室では、カーテンの色よりも素材の質感が空間の印象を決めます。リネンの自然なシワ感や、コットンの柔らかなドレープが和室の木や畳と響き合い、居心地のよい空間になります。

北欧ミックス ── 和と北欧デザインの掛け合わせ

和室と北欧インテリアは、自然素材を大切にする点や、余白を活かしたデザイン哲学が共通しており、意外なほど相性がよい組み合わせです。

  • 色:マスタードイエロー、ダスティピンク、スモーキーブルー
  • 素材:コットン、リネン
  • ポイント:北欧らしいくすみカラーを一色取り入れ、アクセントにする

北欧ミックスでは、和室のベースカラーに対して北欧らしいアクセントカラーをカーテンで加えます。ただし、彩度の高いビビッドカラーは和室では浮いてしまうため、必ずグレーを混ぜたようなくすみトーンを選ぶことが成功の鍵です。和室と北欧インテリアの組み合わせについて詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。

A split-view comparison of four Japanese tatami room styles with different curtains. Top-left: tradi

カラー × テイスト比較表

ここまで解説してきたカラーとテイストの組み合わせを一覧表にまとめます。自分の和室の現状と目指したい雰囲気を照らし合わせて、最適な組み合わせを見つけてください。

テイスト 第一候補カラー 第二候補カラー おすすめ素材 畳の状態との相性
正統派和風 生成り・オフホワイト 薄い抹茶色 リネン 新しい畳に最適
和モダン グレージュ チャコールグレー リネン・マットポリエステル どちらの畳にも対応
ナチュラル ベージュ・キナリ 薄いカーキ リネン・コットン 経年畳と特に好相性
北欧ミックス マスタードイエロー ダスティピンク コットン・リネン 新しい畳でアクセント映え
カーテンカラー 合う木部の色 合う壁の色 避けたい組み合わせ
ベージュ・生成り 白木〜濃茶まで幅広く対応 砂壁・クロスどちらも可 特になし(万能色)
アイボリー 白木・明るい木部 白系クロス 濃い茶色の木部だと浮きやすい
グレージュ 飴色〜濃茶の木部 グレー系砂壁・クロス 白木の多い明るい和室ではやや重い
淡いグリーン 白木〜中間色の木部 ベージュ系の壁 経年変化した黄色い畳との組み合わせ
モカ・ブラウン系 濃茶の木部 ベージュ〜ブラウン系の壁 新しい緑の畳だと色の差が大きい
マスタードイエロー 白木〜飴色の木部 白〜ベージュの壁 濃い壁色との組み合わせ

この表を手がかりに、自宅の和室にある畳・木部・壁の色と照らし合わせてみてください。迷ったときは、ベージュ系のリネンカーテンが最も汎用性が高く、失敗の少ない選択です。

よくある質問

Q. 和室のカーテンで絶対に避けたほうがよい色はありますか?

原色に近いビビッドカラー(赤、青、黄、オレンジなど)は、畳や木部の自然素材と調和しにくいため避けるのが無難です。黒も部屋を暗くし過ぎるため、和室にはあまり向きません。モダンなアクセントをつけたい場合は、くすみのあるダークカラー(ダークグリーン、ネイビーなど)を選ぶと和室に馴染みやすくなります。

Q. レースカーテンも和室に合う色を選ぶべきですか?

はい、レースカーテンも和室のベースカラーに合わせることをおすすめします。真っ白なレースは和室では浮きやすいため、アイボリーや生成り色のレースカーテンを選ぶと全体の統一感が出ます。素材はリネン混のレースが和室との相性がよく、障子のような柔らかい光を演出できます。

Q. 柄物のカーテンは和室に合いますか?

柄の選び方次第で和室にも合わせることができます。麻の葉、市松、七宝といった伝統的な和柄は当然ながら和室と調和しますが、幾何学模様やストライプも控えめなデザインであれば和モダンな空間に馴染みます。大きな花柄やポップな柄は和室には合わせにくいため、取り入れる場合は小さめの柄を選びましょう。

Q. カーテンの色を決めるとき、家具の色も考慮すべきですか?

和室に置く家具の色もカーテン選びに影響します。木製のローテーブルや座椅子など、木の家具が多い場合はベージュやブラウン系のカーテンが馴染みやすくなります。一方、白やグレーのモダン家具を置く場合は、グレージュやアイボリーのカーテンが合います。部屋全体で使う色を三色以内にまとめると、統一感のある空間になります。

Q. 和室のカーテン選びで、遮光性と見た目のバランスはどう取ればよいですか?

和室では柔らかい自然光を活かすのが理想ですが、西日対策や寝室として使う場合は遮光性も必要です。両立させるには、ドレープカーテンとレースカーテンの二重掛けが有効です。レースには光を通すリネン素材を選び和室らしい雰囲気を保ちつつ、ドレープには遮光機能のあるマット仕上げのポリエステルを選ぶと、必要に応じて光の量を調節できます。色はドレープ・レースともに同系色でまとめるとすっきりした印象になります。

リネン素材のカーテンは畳の部屋に自然に馴染み、通気性も優れています。

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まとめ

和室に合うカーテンの色と素材の選び方を解説しました。要点を振り返ります。

和室のカーテン選びは、畳・木部・壁というベースカラーの把握から始まります。この三つの色味を理解したうえで、ベージュ、アイボリー、グレージュ、淡いグリーン、モカ、マスタードイエローの六色から選ぶと失敗が少なくなります。

素材はリネンが和室との相性で最も優れていますが、手入れのしやすさを重視するならポリエステル、価格を抑えたいならコットンも有力な選択肢です。リネン混紡はバランスのよい妥協点として多くの方に適しています。

テイスト別では、正統派和風なら生成りのリネン、和モダンならグレージュのリネン、ナチュラルならベージュのコットン、北欧ミックスならくすみカラーのコットンが最初に検討すべき組み合わせです。

迷ったときは、ベージュ系のリネンカーテンを選んでおけばまず間違いありません。和室のベースカラーを活かしながら、自分の好みのテイストに合った色と素材を選んで、居心地のよい空間をつくってみてください。和室インテリアの基本和室の使い方アイデアもあわせて参考にすると、カーテン以外のコーディネートも含めた全体設計がしやすくなります。