和室で使う椅子は、座椅子・正座椅子・ローチェアなど種類によって特徴が異なります。
「和室で長時間座ると腰が痛い」「正座が辛くなってきた」という悩みは多くの方が感じています。畳の上に直接座る床座は日本の伝統的なスタイルですが、体への負担が大きいのも事実です。和室用の椅子を上手に取り入れることで、畳のある空間をより快適に過ごせるようになります。
この記事では、和室で使う椅子の種類と選び方を詳しく解説します。和室インテリアの基本と併せて、快適な和室づくりの参考にしてください。
和室に椅子を置くメリット
畳の部屋に椅子を置くことに抵抗を感じる方もいるかもしれません。しかし、和室用の椅子には床座にはない多くのメリットがあります。現代のライフスタイルに合わせて、椅子を上手に取り入れることで和室の快適性が大幅に向上します。
腰や膝への負担を軽減
床に直接座ると、腰や膝に大きな負担がかかります。特に長時間座っていると、立ち上がるときに痛みを感じることがあります。座椅子やローチェアを使えば、体重を分散させて負担を軽減できます。
高齢の方や足腰に不安がある方にとって、和室用の椅子は日常生活の質を大きく向上させるアイテムです。正座が難しくなってきた方も、椅子があれば和室で快適に過ごせます。
長時間の作業が楽になる
和室で読書や仕事、趣味の時間を過ごす方にとって、椅子があると作業効率が上がります。床座では姿勢が崩れやすく、集中力も続きにくいものです。背もたれ付きの座椅子なら、正しい姿勢を保ちながらリラックスして作業できます。
パソコン作業や手芸、書道など、細かい作業をする方には特におすすめです。
立ち座りがスムーズになる
床から立ち上がる動作は、意外と体力を使います。膝や腰に負担がかかるため、何度も立ち座りを繰り返すと疲れてしまいます。座面が床より少し高い椅子を使えば、立ち座りの動作が格段に楽になります。
来客時のお茶出しや、家事の合間に休憩するときなど、頻繁に立ち座りする場面で重宝します。
和室で使える椅子の種類
和室向けの椅子には、さまざまな種類があります。それぞれの特徴を理解して、用途や好みに合った椅子を選びましょう。
座椅子(ざいす)
座椅子は、脚のない椅子で和室の定番アイテムです。床に置いて使い、背もたれがあるため長時間座っても疲れにくいのが特徴です。リクライニング機能付きのものも多く、角度を調整して好みの姿勢でくつろげます。
座椅子には、折りたたみできるコンパクトなタイプから、クッション性の高い高級タイプまでさまざまあります。使わないときは畳んで収納できるため、来客用にも便利です。
正座椅子(せいざいす)
正座椅子は、正座の姿勢をサポートする専用の椅子です。お尻の下に置くことで、膝や足首への負担を大幅に軽減できます。法事や茶道、華道など、正座が必要な場面で活躍します。
コンパクトなサイズで持ち運びやすく、価格も手頃なものが多いのが特徴です。正座が辛いけれど、椅子に座るのは場にそぐわないという場面に最適です。
ローチェア・フロアチェア
ローチェアは、座面が低く脚付きの椅子です。床に近い位置に座れるため、畳の空間との相性が良く、見た目もすっきりしています。北欧家具のようなおしゃれなデザインのものも多く、和モダンなインテリアに人気があります。
フロアチェアは脚がなく、背もたれと座面が一体になったタイプです。座椅子よりもデザイン性が高く、インテリアのアクセントになります。
高座椅子(こうざいす)
高座椅子は、座面が30〜40cm程度と高めに設計された椅子です。立ち座りが楽にできるため、高齢の方や足腰に不安がある方に人気があります。肘掛け付きのものが多く、立ち上がるときに手をつけるので安心です。
和室だけでなく、洋室のリビングでも使えるデザインのものが増えています。

椅子選びのポイント
和室用の椅子を選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえておくと失敗しません。畳との相性や体への負担、デザイン面など、総合的に検討しましょう。
畳を傷めない構造
和室で椅子を使う際に最も気をつけたいのが、畳への影響です。脚付きの椅子は、脚の形状によっては畳に跡がついたり、傷がついたりすることがあります。
畳を傷めにくい椅子の特徴としては、脚がないフロアタイプ、脚の底面が広くて平らなもの、または脚にフェルトなどの保護材が付いているものがおすすめです。脚付きの椅子を使う場合は、別売りの脚カバーを付けるか、ラグやマットを敷いて保護しましょう。
適切な座面の高さ
座面の高さは、用途や体格に合わせて選びます。座卓やローテーブルと合わせて使う場合は、テーブルの高さとのバランスが重要です。座面が低すぎると膝が上がりすぎて疲れやすく、高すぎるとテーブルとの距離が合わなくなります。
一般的な座椅子は座面高10〜15cm程度、高座椅子は30〜40cm程度です。使う場面をイメージして、ちょうど良い高さを選びましょう。
クッション性と素材
長時間座ることが多いなら、クッション性は重要なポイントです。硬すぎる座面はお尻が痛くなり、柔らかすぎると姿勢が崩れやすくなります。適度な硬さで体をしっかり支えるものが理想です。
素材は、布製(ファブリック)、合皮(PVC・PU)、本革などがあります。布製は肌触りが良く通気性に優れます。合皮は手入れが楽で汚れに強いのが特徴です。和室には自然素材に近い風合いのものが馴染みやすいでしょう。
背もたれとリクライニング
背もたれの有無や角度調整機能も、快適さに大きく影響します。背もたれがあると姿勢を保ちやすく、長時間でも疲れにくいです。リクライニング機能付きなら、作業時は起こして、リラックス時は倒してと使い分けられます。
多段階リクライニングできるものや、無段階で調整できるものなど、機能もさまざまです。自分の使い方に合った機能を選びましょう。
用途別おすすめの椅子タイプ
椅子を使う場面によって、最適なタイプは異なります。ここでは用途別におすすめの椅子を紹介します。
読書・テレビ視聴用
リラックスして過ごす時間には、背もたれが高くクッション性のある座椅子がおすすめです。リクライニング機能付きなら、好みの角度に調整してくつろげます。ヘッドレスト付きのタイプは、頭を預けてリラックスできるので、長時間のテレビ視聴に最適です。
座面が広めで、あぐらをかいても余裕があるサイズを選ぶと快適です。
食事・作業用
座卓での食事やパソコン作業には、コンパクトな座椅子やローチェアが向いています。背もたれは低めで、姿勢を正しやすいタイプがおすすめです。テーブルの高さに合わせて、座面の高さを選びましょう。
座面がフラットなものより、少しくぼみがあって体にフィットするものの方が、長時間の作業でも疲れにくいです。
来客用
来客用には、折りたたみできるコンパクトな座椅子が便利です。使わないときは押入れに収納しておき、必要なときだけ出せばスペースを有効活用できます。
デザインは、シンプルで上品なものを選ぶと、どんな場面にも対応できます。複数脚揃えておくと、急な来客にも慌てずに対応できます。
高齢者・足腰に不安がある方用
立ち座りの楽さを重視するなら、高座椅子がおすすめです。座面が高く、肘掛けがあることで、立ち上がる動作をサポートしてくれます。背もたれもしっかりしていて、長時間座っても疲れにくい設計のものが多いです。
安定感のある幅広の脚や、滑り止め付きのものを選ぶと、転倒のリスクを減らせます。

和室に合うデザインの選び方
椅子のデザインは、和室の雰囲気を左右する重要な要素です。畳の空間に調和するデザイン選びのポイントを紹介します。
色の選び方
和室に合う色は、自然素材を連想させる落ち着いたトーンです。ベージュ、ブラウン、グレー、深緑、紺などが畳や木の建具と調和します。
派手な色や蛍光色は和室では浮いてしまうことが多いので、アクセントとして取り入れる場合も控えめな面積にとどめましょう。複数の座椅子を置く場合は、色を統一すると空間に一体感が生まれます。
素材感を活かす
木製フレームや布張りの椅子は、和室の自然素材との相性が良いです。特に、木目が見えるデザインは、柱や鴨居、座卓などの木製建具と調和します。
籐(ラタン)や竹を使った椅子も、和室によく合います。夏は涼しげで、冬はクッションを合わせて使うと暖かく過ごせます。
シンプルなデザインを選ぶ
和室は余白を大切にする空間です。装飾が多すぎる椅子よりも、シンプルなデザインの方が畳の部屋に馴染みます。直線的なフォルムや、無駄のない造形の椅子を選ぶと、和モダンな印象になります。
存在感を抑えたい場合は、床に近いローダイプを選ぶと、空間の広がりを損ないません。
お手入れと長持ちさせるコツ
椅子を長く快適に使うためには、適切なお手入れが大切です。素材別のケア方法と、長持ちさせるコツを紹介します。
布製椅子のケア
布製の椅子は、定期的に掃除機でホコリを吸い取りましょう。食べこぼしなどの汚れは、早めに拭き取ることが大切です。カバーが取り外せるタイプなら、洗濯して清潔に保てます。
消臭スプレーを使うと、気になる臭いも軽減できます。直射日光に長時間当てると色あせの原因になるので、窓際に置く場合はカーテンで日差しを調整しましょう。
合皮・本革椅子のケア
合皮や本革の椅子は、乾いた布で拭くだけで基本的なケアができます。汚れがひどい場合は、専用のクリーナーを使いましょう。
本革の場合は、定期的にレザークリームを塗ってケアすると、しなやかさが保たれます。合皮は経年劣化でひび割れることがあるため、直射日光や暖房器具の近くは避けましょう。
リクライニング部分のメンテナンス
リクライニング機能付きの椅子は、金属部分に潤滑スプレーを時々かけると、動きがスムーズになります。無理な力をかけると故障の原因になるため、丁寧に扱いましょう。
ネジの緩みがないか定期的にチェックして、緩んでいたら締め直すと安全に使えます。
よくある質問
Q. 座椅子と高座椅子、どちらが良い?
用途と体の状態によります。床に近い位置でくつろぎたい、座卓と合わせて使いたい場合は座椅子がおすすめです。立ち座りを楽にしたい、足腰に不安がある場合は高座椅子が向いています。両方のメリットを得たいなら、座面の高さを調整できるタイプを選ぶのも一つの方法です。
Q. 座椅子で腰痛は改善する?
適切な座椅子を使えば、腰への負担を軽減できます。ポイントは、背もたれの角度と座面のクッション性です。背もたれが適度な角度で腰をサポートし、座面が硬すぎず柔らかすぎないものを選びましょう。ただし、すでに腰痛がひどい場合は、医師に相談してから使用することをおすすめします。
Q. 畳の上に脚付き椅子を置いても大丈夫?
対策をすれば大丈夫です。脚の底面にフェルトシールを貼る、脚カバーを付ける、椅子の下にラグやマットを敷くなどの方法で畳を保護しましょう。ただし、重い椅子や細い脚の椅子は畳に跡がつきやすいため、フロアタイプの方が安心です。
Q. 来客用に何脚用意すれば良い?
通常は2〜4脚あれば十分です。収納スペースを考慮して、折りたたみできるコンパクトなタイプを選ぶと良いでしょう。来客が多い家庭では、スタッキングできるタイプも便利です。同じデザインで揃えると、並べたときに統一感が出ます。
Q. 正座椅子は普段使いできる?
正座椅子は正座の補助が主な目的のため、長時間の普段使いには向きません。テレビを見たり、リラックスしたりする用途には、背もたれ付きの座椅子の方が快適です。正座椅子は、法事や来客時など、正座が必要な場面専用として使い分けるのがおすすめです。
Q. 子どもが使える和室用椅子はある?
子ども用の座椅子も販売されています。大人用よりコンパクトで、座面が低いため安定感があります。成長に合わせて買い替えが必要になりますが、姿勢を正しく保つ習慣づけには効果的です。大人用の座椅子を子どもが使う場合は、足が床につくか確認しましょう。
リクライニング付きの座椅子なら、くつろぎながら読書も楽しめます。
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この記事を書いた人
田中 由美(たなか ゆみ)
家庭菜園アドバイザー / 畳と家庭菜園のある暮らし研究家自宅の庭で10年以上家庭菜園を実践し、年間20種類以上の野菜を育てています。最初は「次に何を植えればいいかわからない」状態でしたが、年間カレンダーを作ってからは、1年中収穫が途切れない菜園ライフを楽しめるようになりました。菜園教室では500人以上の方の年間計画づくりをサポートしてきました。
まとめ
和室で使う椅子は、種類と用途に合わせて選ぶことで快適性が大きく変わります。
主な椅子の種類 – 座椅子:背もたれ付きでリラックスできる定番 – 正座椅子:正座の負担を軽減する補助椅子 – ローチェア:おしゃれで和モダンに合う – 高座椅子:立ち座りが楽で高齢者に人気
選び方のポイント – 畳を傷めない構造(脚なし・広い接地面) – 用途に合った座面の高さ – 適度なクッション性と素材感 – 和室に合うシンプルなデザイン
用途別おすすめ – リラックス用:リクライニング付き座椅子 – 作業用:コンパクトで姿勢を保てるタイプ – 高齢者用:肘掛け付き高座椅子
和室インテリアの基本や和室をモダンに変える5つのポイントも参考に、和室に合う椅子を見つけてください。