夏野菜は収穫期間が長く、その間ずっと栄養を消費し続けます。追肥のタイミングと量を間違えると、株が弱って実つきが悪くなる、または葉ばかり茂って実がならない「ツルボケ」を引き起こします。
この記事では、トマト・ナス・きゅうり・ピーマン・オクラ・枝豆別の追肥タイミングと量を解説します。肥料切れ・過多のサインも紹介します。
家庭菜園の肥料の種類と選び方で肥料選びの基本を確認してから、タイミングを最適化しましょう。
追肥が必要な3つの理由
夏野菜が元肥だけで育たない理由を理解すると、タイミングが見えてきます。
1. 収穫期間が長い
ミニトマトは7〜9月、ナスは6〜10月と、3〜5ヶ月の長期収穫。元肥の効果は1〜2ヶ月で切れる。
2. 果実が栄養を消費
実をつけるたびに大量のリン酸・カリを使う。葉や根を維持しながら次の実を作る栄養が必要。
3. 高温で養分が流出
水やり・雨で土の養分が流れ出る。特にプランターは流出スピードが速い。
家庭菜園の土づくり入門で良い土を作っておけば、追肥の効果が高まります。
追肥開始のタイミング|「第一果房肥大期」が基本
果菜類の追肥開始は、最初の実が肥大し始めた頃が基本です。
目安の見方
- ミニトマト: 第一果房(最初の花房)の実が膨らみ始めた
- ナス: 一番果が親指サイズになった
- きゅうり: 最初の実が10cm程度になった
- ピーマン: 最初の実が膨らみ始めた
このタイミングを逃すと、株が次第に弱って収穫量が落ちます。
化成肥料や液体肥料は、開始時に1袋持っておくと便利です。
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野菜別 追肥スケジュール
主要な夏野菜の追肥計画です。
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ミニトマト
| 時期 | 内容 | 量(株あたり) |
|---|---|---|
| 第一果房肥大期 | 1回目 | 化成肥料20g |
| 以降2〜3週間ごと | 継続 | 化成肥料15g |
| 8月の収穫最盛期 | 強化 | 液肥週1回追加 |
ポイント: 過剰な窒素は実つき低下。リン酸・カリ多めの肥料を選ぶ。 詳しくはミニトマトをプランターで育てる基本。
ナス
| 時期 | 内容 | 量(株あたり) |
|---|---|---|
| 一番果が親指大 | 1回目 | 化成肥料30g |
| 以降2週間ごと | 継続 | 化成肥料20g |
| 7月下旬の更新剪定後 | 強化 | 化成肥料30g+有機 |
ポイント: ナスは「肥料食い」。他の野菜より多めの追肥。 詳しくはナスをプランターで育てるコツ。
きゅうり
| 時期 | 内容 | 量(株あたり) |
|---|---|---|
| 最初の実が10cm | 1回目 | 化成肥料20g |
| 以降週1回 | 継続 | 化成肥料15g or 液肥 |
ポイント: 収穫スピードが速いので追肥頻度も高め。
ピーマン
| 時期 | 内容 | 量(株あたり) |
|---|---|---|
| 最初の実が膨らみ始め | 1回目 | 化成肥料20g |
| 以降2週間ごと | 継続 | 化成肥料15g |
ポイント: 長期間収穫できるので、肥料切れに注意。 詳しくはピーマンをプランターで育てる方法。
オクラ
| 時期 | 内容 | 量(株あたり) |
|---|---|---|
| 草丈30cm時 | 1回目 | 化成肥料15g |
| 以降3週間ごと | 継続 | 化成肥料15g |
ポイント: 比較的肥料は少なめでOK。
枝豆
| 時期 | 内容 | 量(株あたり) |
|---|---|---|
| 開花期 | 1回のみ | 化成肥料10g |
ポイント: マメ科は窒素を自分で固定するため少量。窒素過多は実つき低下。
肥料切れのサイン|株を観察する4つのポイント
タイミングを逃さないため、株の状態を見て判断します。
1. 下葉の黄ばみ・落葉 古い葉から栄養を新しい葉に送るため、下葉が黄色くなる。
2. 花が落ちる・実がつかない 花が咲いても実にならない場合、肥料不足の可能性。
3. 葉の色が薄い 鮮やかな緑色から薄い黄緑になったら肥料切れのサイン。
4. 株全体の生育が止まる ミニトマトの第二果房が小さい、ナスの新しい花が少ないなど。
液体肥料は即効性があり、肥料切れの応急処置に便利です。
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肥料過多のサイン|逆に注意すべきポイント
「足りない」より「やりすぎ」の方が回復が大変です。
1. 葉ばかり茂って花が少ない(ツルボケ) 窒素過多。リン酸・カリの肥料に切り替え。
2. 葉が異常に濃い緑 窒素過多。1〜2週間追肥を止める。
3. 葉先が褐色に焦げる 肥料焼け。たっぷり水をやって流す。
4. 実が割れる・尻腐れ カルシウム不足や急な養分変化。
回復方法 – 追肥停止 – たっぷり水やりで土壌の塩分濃度を下げる – 株元の土を一部入れ替える
追肥の方法|化成肥料 vs 液体肥料
夏野菜の追肥は「固形+液体」の併用がおすすめ。
| タイプ | 特徴 | 使用シーン |
|---|---|---|
| 化成肥料(粒状) | 効き目1〜2週間持続 | 定期追肥 |
| 液体肥料 | 即効性・短時間 | 肥料切れの応急 |
| 有機肥料 | じわじわ・土壌改善 | ベース+月1回 |
化成肥料の与え方 – 株元から10cm離れた位置に円状に – 軽く土と混ぜる – 水やりで溶かす
液体肥料の与え方 – 規定倍率に薄めて週1回程度 – 葉に直接かけない(葉焼け) – 水やり感覚で
追肥カレンダー(夏野菜)
夏のスケジュールをひと目で確認できる早見表です。
| 月 | ミニトマト | ナス | きゅうり | ピーマン |
|---|---|---|---|---|
| 6月上旬 | 第一果房肥大期 | 一番果膨らむ | 初収穫 | 初収穫 |
| 6月下旬 | 2回目追肥 | 2回目追肥 | 継続追肥 | 2回目追肥 |
| 7月上旬 | 3回目追肥 | 3回目追肥 | 週1液肥 | 3回目追肥 |
| 7月下旬 | 4回目追肥 | 更新剪定+追肥 | 継続 | 4回目追肥 |
| 8月上旬 | 5回目追肥 | 4回目追肥 | 継続 | 5回目追肥 |
| 8月下旬 | 液肥強化 | 5回目追肥 | 終了に向けて減 | 6回目追肥 |
| 9月 | 収穫終盤 | 秋ナス収穫 | 終了 | 継続 |

よくある質問
Q. 元肥が入っているプランターの土でも追肥は必要?
必要です。元肥は1〜2ヶ月で効果が切れるため、果菜の長期栽培では必ず追肥します。
Q. 雨の日に追肥してもいい?
軽い雨ならOKですが、大雨の日は流出するので避けます。雨上がりの翌日が理想。
Q. 追肥が遅れたら一気に増やしていい?
一度に増やすと肥料焼けの危険があります。通常量を続けて、1〜2週間後に効果が出るのを待ちます。
Q. 有機肥料と化成肥料、どちらがいい?
有機肥料は土壌改善・じわじわ型、化成肥料は即効・短期。併用が理想で、ベースは有機・即効性は化成です。
Q. 葉面散布も効果ある?
液体肥料を薄めて葉裏に散布すると効果ありますが、葉焼けに注意。曇りの朝に行います。
まとめ
夏野菜の追肥は「タイミング・量・観察」の3点が要です。
【追肥開始のサイン】
- 最初の実が膨らみ始めた頃
【野菜別の頻度目安】
- ミニトマト・ピーマン: 2〜3週間ごと
- ナス・きゅうり: 2週間ごと(多め)
- オクラ: 3週間ごと(少なめ)
- 枝豆: 開花期1回のみ
【観察ポイント】
- 下葉の黄ばみ→肥料切れ
- 葉の異常な濃さ→肥料過多
- 花や実つき→栄養状態のバロメーター
肥料の種類と選び方とあわせて、夏野菜の収穫量を最大化しましょう。