「小さな畑で野菜を育てて、畳の部屋でゆっくり過ごす」

そんな暮らしに憧れて、数年前から家庭菜園を始めました。同時に、物置状態だった和室も少しずつ整えて、今では家で一番好きな空間になっています。

この記事では、小さな畑と和室のある暮らしを実践してきた中で感じた「始めてよかったこと」と「正直、大変だったこと」を、包み隠さずお伝えします。

これから家庭菜園を始めようか迷っている方、和室をもっと活用したいと考えている方の参考になれば嬉しいです。

和室の魅力については「和室の良さを再発見|畳がある暮らしのメリット7選」でも詳しく紹介しています。

「小さな畑と和室」という組み合わせに行き着くまで

私が家庭菜園と和室の両方に興味を持ったのは、コロナ禍がきっかけでした。

在宅時間が増え、家の中を見渡したとき、ずっと物置になっていた和室が目に入りました。「この部屋、もったいないな」と思ったのが始まりです。

同じ頃、ベランダでミニトマトを育ててみたら、これが想像以上に楽しかった。収穫したての野菜のおいしさに感動して、もっと本格的にやってみたいと思うようになりました。

庭の一角に小さな畑を作り、和室を「畑仕事のあとにゆっくりできる空間」として整えていく。そうやって少しずつ、今の暮らしができあがっていきました。

始めてよかったこと【7つの実感】

まずは「やってよかった」と心から思っていることから。

1. 「今日は何を収穫しよう」という楽しみができた

朝起きて畑を見に行くのが日課になりました。

「ミニトマト、赤くなってるかな」「キュウリ、そろそろかな」

毎日少しずつ変化があって、飽きることがありません。収穫できる日は、ちょっとしたご褒美をもらったような気持ちになります。

2. 野菜を「買う」から「育てる」に意識が変わった

スーパーで野菜を買うとき、以前は値段しか見ていませんでした。

今は「この時期にこの野菜を作るのは大変だろうな」「この値段は安いな、農家さんすごい」と、作り手の視点で見るようになりました。

食べ物への感謝の気持ちが自然と生まれるようになったのは、大きな変化です。

3. 畳の上で「ごろん」とする贅沢を知った

畑仕事のあと、汗を流してから和室でごろんと横になる。これが最高に気持ちいいんです。

い草の香りがふわっと漂って、窓から入る風を感じながら、ぼんやり天井を眺める。何もしない時間の贅沢さを、和室が教えてくれました。

Person relaxing on tatami floor in Japanese room, natural light from window, green garden visible ou

4. 季節の移り変わりを感じられるようになった

以前は「暑くなったな」「寒くなったな」くらいしか季節を意識していませんでした。

今は「そろそろ夏野菜の苗を植える時期だ」「霜が降りる前に対策しないと」と、自然のリズムに合わせて動くようになりました。

和室の窓から畑を眺めながら、来月の作付け計画を考える時間が好きです。

5. 家族との会話が増えた

「今日のサラダ、うちで採れたレタスだよ」と言うと、子どもたちの反応が違います。

「もう少し待てばもっと大きくなるかな」「これ、私が水やりしたやつ!」

畑の話が食卓の会話のきっかけになることが増えました。

6. 心身のリフレッシュ効果を実感

デスクワークの仕事をしているので、休日はなるべく体を動かしたいと思っていました。

畑仕事は適度に体を動かせて、太陽の光を浴びられて、土に触れられる。そして疲れたら和室でゆっくり休める。このサイクルが自分に合っていると感じています。

7. 「ちょうどいい」暮らしの心地よさ

大きな庭や立派な畑がなくても、自分に合った規模で楽しめることが分かりました。

1〜2坪の小さな畑と、6畳の和室。どちらも「ちょうどいい」サイズです。無理なく、背伸びせず、続けられる暮らしが心地いい。

正直、大変だったこと【5つの現実】

いいことばかりではありません。正直に「大変だった」ことも書いておきます。

1. 夏の水やりは毎日必須

夏場は朝夕の水やりが必要です。旅行に行くときは誰かに頼むか、自動水やり器を設置するか、悩みどころ。

「今日くらい大丈夫だろう」と油断すると、あっという間に野菜がしおれてしまいます。これは想像以上に手がかかるポイントでした。「家庭菜園に自動水やりキットを導入するメリットと選び方」で紹介している自動水やりキットの導入も検討の価値ありです。

2. 虫との付き合いは避けられない

虫が苦手な方には正直おすすめしにくいです。

アブラムシ、青虫、コガネムシの幼虫……。防虫ネットや無農薬の対策をしていますが、完全には防げません。

ただ、慣れてくると「あ、今日は青虫いるな」くらいの気持ちになってきます(笑)。

3. 和室の汚れ対策は必須

畑仕事のあと、つい着替えずに和室に入ってしまうと、畳に泥がつきます。

玄関に足洗い場を作ったり、和室の入り口にマットを敷いたり、対策が必要でした。動線を工夫するまで、畳を何度か汚してしまいました。

4. 最初は失敗の連続

「簡単に育つ」と聞いて植えた野菜が、なぜか全然育たない。

  • 水のやりすぎで根腐れ
  • 肥料のやりすぎでつるぼけ
  • 植え付け時期を間違えて失敗

最初の1〜2年は、失敗から学ぶことばかりでした。今では「失敗も楽しい」と思えるようになりましたが、最初は心が折れそうになることも。

5. 和室の維持管理に気を使う

畳は湿気に弱いし、日焼けもする。定期的な掃除と換気が欠かせません。

また、観葉植物を置きたいと思っても、水やりで畳を傷めないか気になったり、虫がつかないか心配になったり。フローリングの部屋より気を使う場面はあります。

大変さを乗り越えるコツ【私がやっていること】

大変なこともありますが、工夫次第で負担は減らせます。

水やり対策

  • マルチシートで土の乾燥を防ぐ
  • ペットボトル給水器を旅行時に活用
  • 夏場は朝の涼しい時間に水やり

虫対策

  • 防虫ネットを最初から張っておく
  • コンパニオンプランツで虫を遠ざける
  • 見つけたら早めに対処(放置しない)

汚れ対策

  • 玄関外にバケツと水を用意
  • 和室の入り口に洗えるマットを敷く
  • 作業着を玄関で脱ぐ習慣をつける

失敗対策

  • 育てやすい野菜から始める
  • 栽培日記をつけて振り返る
  • 少量から始めて、徐々に増やす

1年間の暮らしのサイクル

小さな畑と和室のある暮らしは、季節ごとにリズムがあります。

春(3〜5月)

  • 夏野菜の苗を植え付け
  • 畑の準備(土づくり、畝立て)
  • 和室で種まきの計画を立てる

気持ち: ワクワク、期待感

夏(6〜8月)

  • 毎日の水やりと収穫
  • 夏野菜の最盛期
  • 畑仕事のあと、和室で涼む

気持ち: 忙しいけど充実、収穫の喜び

秋(9〜11月)

  • 夏野菜の片付け
  • 秋冬野菜の植え付け
  • 和室で収穫した野菜を整理

気持ち: 少しさみしい、でも実りの秋

冬(12〜2月)

  • 防寒対策をしながら冬野菜を収穫
  • 畑仕事は少なめ
  • 和室でこたつに入りながら来年の計画

気持ち: ゆったり、来年への期待

Small vegetable garden with tomatoes and leafy greens, wooden raised bed in backyard, morning dew on

これから始める方へのアドバイス

私の経験から、これから始める方に伝えたいことがあります。

1. 小さく始める

最初から広い畑を作ろうとしないでください。プランター2〜3個、または1坪程度の畑から始めるのがおすすめです。

物足りなくなったら少しずつ広げればいい。最初から大きいと、管理しきれなくて挫折します。

2. 育てやすい野菜を選ぶ

最初の成功体験が大切です。

おすすめの野菜: – ミニトマト – シソ – バジル – ラディッシュ – リーフレタス

どれも初心者でも育てやすく、収穫の喜びを味わえます。

3. 和室は「完璧」を目指さない

物置状態の和室を一気に片付けようとすると、途中で嫌になります。

まずは畳が見える状態にすることから。そこから少しずつ、自分にとって心地いい空間を作っていけばいいんです。

4. 季節を楽しむ心を持つ

うまくいかないこともあります。天候に左右されることもあります。

でも、それも含めて「季節を感じる暮らし」なんだと思えると、気持ちが楽になります。

よくある質問

Q. 賃貸でもできますか?

A. できます。ベランダでプランター栽培なら賃貸でも始められます。和室がある賃貸物件なら、この記事の内容はそのまま参考になります。畳を傷つけない工夫さえすれば、退去時にも問題ありません。

Q. どのくらいの費用がかかりますか?

A. 最初は1〜2万円程度で始められます。プランター、土、苗、基本的な道具を揃えれば十分です。和室の整理は、不用品を処分するだけなら費用はかかりません。少しずつ投資していけばいいので、最初から高いものを買う必要はありません。

Q. 忙しくても続けられますか?

A. 規模を小さくすれば続けられます。プランター2〜3個なら、水やりは5分程度。忙しい時期は育てやすい野菜だけにするなど、調整すれば無理なく続けられます。

この記事を書いた人

田中 由美(たなか ゆみ)
家庭菜園アドバイザー / 畳と家庭菜園のある暮らし研究家

自宅の庭で10年以上家庭菜園を実践し、年間20種類以上の野菜を育てています。最初は「次に何を植えればいいかわからない」状態でしたが、年間カレンダーを作ってからは、1年中収穫が途切れない菜園ライフを楽しめるようになりました。菜園教室では500人以上の方の年間計画づくりをサポートしてきました。

まとめ:小さな畑と和室が教えてくれたこと

小さな畑と和室のある暮らしを続けてきて、私が学んだことをまとめます。

始めてよかったこと – 毎日に小さな楽しみができた – 季節を感じながら暮らせるようになった – 家族との会話が増えた – 心身のリフレッシュになっている – 「ちょうどいい」暮らしの心地よさを知った

大変だったこと – 夏の水やりは毎日必要 – 虫との付き合いは避けられない – 和室の汚れ対策が必要 – 最初は失敗の連続だった

これから始める方へ – 小さく始める – 育てやすい野菜を選ぶ – 完璧を目指さない – 季節を楽しむ心を持つ

大きな畑や立派な和室がなくても、自分に合った規模で「土に触れる暮らし」と「畳の上でくつろぐ時間」は楽しめます。

完璧じゃなくていい。失敗してもいい。

そんな気楽な気持ちで始めてみてください。きっと、少しずつ暮らしが豊かになっていくのを実感できるはずです。

栽培記録をつけたい方は「家庭菜園に役立つ管理アプリの使い方と選び方」、和室をもっと活用したい方は「和室の使い方アイデア10選|持て余している部屋を活用」も参考にしてください。